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2018年06月06日
【歴史遺産コース】イベント紹介~一乗寺八大神社の剣鉾~
みなさん、こんにちは。京都も風薫る季節を過ぎ、雨に緑が美しく映える梅雨の時期となりました。
本日は大学近くの一乗寺八大神社で、毎年行われている祭礼のお話です。
5月は各地で祭が行われますが、京都といえば葵祭でしょう。
御所から下鴨・上賀茂両社への斎王代を中心とした王朝絵巻さながらの行列はニュース等でも取り上げられています。
そうした大きな祭以外にも、京都市内では各所で祭りが行われています。
その一つが左京区一乗寺の八大神社で行われる祭礼です。
八大神社は、かの宮本武蔵が吉岡一門との決闘の前に参拝したともいわれる神社です。
この神社の祭では「剣鉾」と呼ばれる鉾を神輿の先触れとして立てて、鈴(りん)を鳴らしつつ、練り歩きます。
「剣鉾」の由来は古く、平安時代の祇園御霊会において悪霊を鎮め、祓うために用いられたとも言われます。
絵画資料では中世末に描かれた「洛中洛外図屏風」(上杉家本)などに認めることができ、現在でも京都市内の数十社の神社に、約200本余りの剣鉾が確認されているそうです。
八大神社には「柏」、「龍」、「菊」の三基の剣鉾がありますが、毎年4月下旬になると夕刻に境内で、「鉾差し」の練習が行われます。
さる4月28日(土)に歴史遺産コースでは有志を募って、その練習の見学を行いました。
今回は芸術学科の講義のあとということもあり、他コースの方も含めて15名の方に参加して頂きました。
現在、八大神社の剣鉾は、剣鉾保存会によって技術伝承が行われており、京都市の登録無形文化財にもなっています。
保存会会長より懇切にご説明を頂き、飾(かざり)を棹と剣に留める紐の結びには、いくつかの流儀があることなど、祭に長く携わっておられる方ならではのお話を伺いました。
また「剣差し」の体験もお許し頂き、学生さんが何人か経験しましたが、やはりひとりも「立てる」たり、鈴を鳴らすといったことは出来ませんでした。やはり熟練の技ということでしよう。
鈴を鳴らしつつ、歩くには「コツ」が必要で、そのために「歩く」練習も繰り返し行われていました。
保存会の方が練習とはいえ、鉾を立てて、鈴を鳴らす様子は、まことに凛としたもので、夕刻の涼やかな風とともに鈴の音が響き渡ります。
近年は京都市内でも剣鉾の復活などもあり、その担い手の養成ということもあって、各所から練習に訪れており、この日も20名くらいの方が練習に参加されていました。
実はこの大人とは別に子どもたちの練習も行われていて、剣鉾の継承に向けて地域の方たちの意欲と努力が積み重ねられていることを改めて実感しました。
改めて、八大神社さまならびに剣鉾保存会のみなさま、ありがとうございました。
実は本祭である5月5日(土)、実際の祭りの様子を拝見に、再び八大神社に伺いました。

近隣の氏子のみなさんが住まう町を剣鉾と神輿などが練り歩きます。
子ども神輿や剣鉾も参加しており、町ぐるみの世代を超えた祭礼であると実感します。

晴れた空にたてられた剣鉾の輝きと鈴の音。まさに風薫る5月の祭礼にふさわしいものでした。
今後も末永く地域に密着した祭として継承されていくことを心から願っています。歴史遺産コースでは、来年も剣鉾練習を見学にうかがえればと考えています。
ぜひ、みなさんも機会がありましたら、八大神社神幸祭においでください。
歴史遺産コース|学科コース紹介
本日は大学近くの一乗寺八大神社で、毎年行われている祭礼のお話です。
5月は各地で祭が行われますが、京都といえば葵祭でしょう。
御所から下鴨・上賀茂両社への斎王代を中心とした王朝絵巻さながらの行列はニュース等でも取り上げられています。
そうした大きな祭以外にも、京都市内では各所で祭りが行われています。
その一つが左京区一乗寺の八大神社で行われる祭礼です。
八大神社は、かの宮本武蔵が吉岡一門との決闘の前に参拝したともいわれる神社です。

「剣鉾」の由来は古く、平安時代の祇園御霊会において悪霊を鎮め、祓うために用いられたとも言われます。
絵画資料では中世末に描かれた「洛中洛外図屏風」(上杉家本)などに認めることができ、現在でも京都市内の数十社の神社に、約200本余りの剣鉾が確認されているそうです。
八大神社には「柏」、「龍」、「菊」の三基の剣鉾がありますが、毎年4月下旬になると夕刻に境内で、「鉾差し」の練習が行われます。
さる4月28日(土)に歴史遺産コースでは有志を募って、その練習の見学を行いました。
今回は芸術学科の講義のあとということもあり、他コースの方も含めて15名の方に参加して頂きました。
現在、八大神社の剣鉾は、剣鉾保存会によって技術伝承が行われており、京都市の登録無形文化財にもなっています。


鈴を鳴らしつつ、歩くには「コツ」が必要で、そのために「歩く」練習も繰り返し行われていました。

近年は京都市内でも剣鉾の復活などもあり、その担い手の養成ということもあって、各所から練習に訪れており、この日も20名くらいの方が練習に参加されていました。
実はこの大人とは別に子どもたちの練習も行われていて、剣鉾の継承に向けて地域の方たちの意欲と努力が積み重ねられていることを改めて実感しました。
改めて、八大神社さまならびに剣鉾保存会のみなさま、ありがとうございました。
実は本祭である5月5日(土)、実際の祭りの様子を拝見に、再び八大神社に伺いました。

近隣の氏子のみなさんが住まう町を剣鉾と神輿などが練り歩きます。
子ども神輿や剣鉾も参加しており、町ぐるみの世代を超えた祭礼であると実感します。

晴れた空にたてられた剣鉾の輝きと鈴の音。まさに風薫る5月の祭礼にふさわしいものでした。
今後も末永く地域に密着した祭として継承されていくことを心から願っています。歴史遺産コースでは、来年も剣鉾練習を見学にうかがえればと考えています。
ぜひ、みなさんも機会がありましたら、八大神社神幸祭においでください。
歴史遺産コース|学科コース紹介
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