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歴史遺産コース

2018年10月15日

【歴史遺産コース】雨の鎌倉で

9 月28・29・30 日の週末三日間にわたり、東京・外苑キャンパスでは歴史遺産Ⅰ-1〔鎌倉文化論〕(歴史遺産コース専門教育科目)が開講されました。
ちょうど、列島を縦断していくと予報されていた台風24号が迫るなかでの開講でした。
初日は、外苑キャンパスでの終日の座学で、野村教員による鎌倉時代の社会や文化にかんする講義や比企教員による神仏習合と八幡神についての宗教史的理解を深め、そして角田教員からは鎌倉に華開いた文化の基層にある禅および禅宗についての講話をいただきました。

2日目、雨がそぼ降るなかでのフィールドワークでしたが、午前中は神奈川県立金沢文庫にて学芸員の先生から、館の来歴や金沢の地勢について、そして北条氏が同所を拠点としたことの歴史的背景などについてご説明をたまわります。

なお、今年度は例年の内容とは趣向を変え、同館ご収蔵の国宝・金沢文庫文書の資料の保存管理にかんすることについても、現場の視点ならではのお話しを頂戴しました。





午後からは、前日および午前中に学んだ鎌倉と金沢について、歴史的景観を体験し、復原的に捉えるための町歩きをおこないます。

現在、住宅や商業施設が林立し、国道を気ぜわしく大きな車が行き交う景観は、さまざまな史料をもとに復原的に考えると当時は自然の力によって生じた砂州や砂堆を活用した、水陸交通の結節点であったかつての風景が現出してきます。



3日目は北鎌倉周辺と鶴岡八幡宮でのフィールドワークをおこないました。とくに建長寺では三門(山門)に上がらせていただき、五百羅漢像を前に角田先生からのご講話を頂戴しました。





午後は、鎌倉国宝館へと移動し、おもに鶴岡八幡宮にかかわって発給された鎌倉幕府の命令書や足利尊氏・直義兄弟らの文書をおさめる神田孝平旧蔵文書を間近に拝見させていただきました。
鎌倉国宝館には、鶴岡八幡宮の戦国時代ころの指図(絵図)が展示されており、そこには廻廊や仏教施設をともなう、今日の鶴岡八幡宮とはまったく異なるかつての宮寺の姿をイメージすることができます。





残念ながら、関東方面への台風接近にともない各交通機関の計画運休が決定されたことで、このスクーリングも些か早めの終了となりました。

にわかの決定につき、最後の座学を土壇場で圧縮せざるをえませんでしたが、まずは諸々の調整をおこなうことで一先ず終了に漕ぎ着けることができました。

 

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