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芸術教養学科

2019年03月05日

【芸術教養学科】花盛りの卒業研究

みなさま、こんにちは。芸術教養学科の上村です。少しずつ、暖かな日が増えてきましたね。梅や桜のたよりも楽しみです。さて、京都造形芸術大学では、ちょうど今ごろ、卒業を予定しているみなさんの最終審査が行われています。そしてやがて(310日から)、京都の瓜生山キャンパスで卒業制作展が開かれます。いろんな学科、コースがありますので、それはもう目を奪われる多彩な作品が並びます。絵画、着物、やきもの、写真、建築模型、研究パネルなど、見はじめると時間がいくらあっても足りません。



そのなかにあって、芸術教養学科も毎年展示を行っています。芸術教養学科は美術作品を作るわけではないので、うっかりすると見過ごしてしまいそうですし、また他のコースに比べると卒業研究の単位数の割合が少なめなので、いっそう地味に見えるのですが、実はそれは大間違いです。

芸術教養学科の卒業研究では、国内外のアート/デザインの実践例をとりあげて、その評価報告書を作成する、という課題に取り組みます。通信教育部のなかでも、芸術教養学科で学ぶ方はとりわけ全国区で、北海道や九州・沖縄にお住まいのかたが他学科より多いのが特徴です。その特徴のとおり、国内では北海道から沖縄まで、さらには東アジアから中近東、ヨーロッパからアメリカ大陸まで、まったく国際色ゆたかなレポート群が提出されます。あるかたは地域特産の農作物について、それがどのようにして名産品として定着し、またどのように維持継承の工夫がなされているか、またあるかたはアール・デコ建築の街並みの成立経緯について、またあるかたは伝統技法とデザイナーのコラボについて、それぞれしっかり現場を調査したレポートを書かれています。石川五右衛門ではありませんが、浜の真砂は尽きるとも世に芸術の種は尽きまじ、です。



卒業研究のレポートを出す前には、その下準備をするために演習科目が設けられています。そこでは自分の選んだ題材に基づいた発表を行い、受講生同士でのディスカッションも行います。芸術教養学科はweb上で授業を行いますので、もちろん発表もディスカッションもweb上でなされます。世間では一部の残念なひとのせいで、ネット上のコミュニケーションというとネガティヴな印象をもたれるかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、同じ学びという目的で入ってきた学生のみなさんが、同じ課題に取り組む中でのディスカッションなので、変な人間関係は生まれません。まさに淡きこと水のごとき君子の交わりで、しかもまたこれが実に楽しく、ためになるのです!

地域も世代も職業も異にする学生同士の意見交換、情報提供は、それだけで世間がぐんぐんと広まります。そのうえでの卒業研究です。面白くないわけがありません。

もし3月半ばに京都にいらっしゃることがあれば、ぜひ北白川のキャンパスにも足を延ばして、卒業制作展を覗いてみてください。銀閣寺や平安神宮で過ごす時間の一部を割いても悔いはないと思います。芸術教養学科も題目のポスター展示とパネルと端末での閲覧(公開の同意が得られたレポートだけですが)が可能です。またweb卒展も行いますので、ご興味あればそちらも是非ご覧ください(http://g.kyoto-art.ac.jp/)。



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