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2019年08月13日
【ランドスケープデザインコース】日本庭園からランドスケープを学ぶ
こんにちは、ランドスケープデザインコースの津田です。
今回は、5月に京都キャンパスで行われたスクーリング「日本庭園3~日本庭園からランドスケープを学ぶ」の2日目の様子をご紹介します。
このスクーリングでは、日本庭園に直接触れ、専門の先生方の講義から学んだりしながら、日本でのランドスケープデザインの原点を学びます。
1日目は、実際に地下足袋を履いて、御所庭園内に入り、庭園の手入れを行います。
一般には入れない宮内庁庭園で作業をしながら、自分の手で触れて感じることで、ただ眺めるだけの庭園が、もっと近い視点で見ることができるようになると思います。
2日目の午前中は、庭園の調査や復元を専門にされている吉村龍二先生のお話を聞きます。
文化財の史跡や名勝指定の制度や仕組みについて、また、これまでに手掛けられた代表的なお仕事を細かく丁寧にお話ししただき、その緻密なお仕事の内容に引き込まれていきます。
ここでもこれまでとは違った史跡としての日本庭園の見方を学ぶことができたと思います。
午後は、京都御苑に移動し、奈良県立大学地域創造学部准教授の井原縁先生に引率いただき、国民公園「京都御苑」について学びます。
現在の京都御苑が歴史的にどのような経緯で成立してきたか、また、現在どのような取り組みが行われているかなど、時間軸の中での場を見る面白さを教えていただきます。
明治維新以前は、皇族や公家の屋敷が200も立ち並ぶ「九門内」と呼ばれる場所でしたが、明治維新の東京遷都により、アイデンティティを失い急速に荒廃しましたが、博覧会会場「民衆の遊観所」として利用後、「大内保存事業」として現在の苑地の基礎となる整備が行われたそうです。
整備当初は公家町の地割に即していた通路幅なども整備後半、新たに苑路の経路・幅員を決め、系統的な再配置が行われました。
例:建礼門前の大通りの拡張(6 間→15 間)
現在の京都御苑は、管理上様々な取り組みが行われています。
さきほどの建礼門前の大通りのような主要な苑路沿いは、高密度な植物管理が行われていますが、少し外れた部分では、粗放管理により生物多様性の観点から多様な昆虫などが生息できる環境を段階的に整備しているそうです。
途中、京都御苑に残る九條家の茶室「拾翠亭」も拝観します。
庭を眺めながら、この美しい風景はどのような要素で構成されているか、対話形式で学んでいきます。
その後、閑院宮邸跡収納展示館も訪れます。閑院宮邸跡は、江戸時代から続いた宮家の屋敷跡で、収納展示館では、京都御苑の自然と歴史について写真や絵図・出土品等の展示や解説が行われており、井原先生は、展示計画にも関わられていました。
「御所透かし」と呼ばれる独自の松の手入れ方法についても解説していただきます。
また、庭園部分の調査は、本学大学院教授の尼崎先生が行っています。
最後に印象に残った部分のスケッチを描いて、大学に戻ります。
2日間にわたり、日本庭園や京都御苑などの我が国のランドスケープデザインのルーツに直接触れ、学び、感じることができたと思います。
このように、当コースでは専門的で高度な知識や技術をお持ちの先生方の授業により、新しいランドスケープデザインの視点が広げられるスクーリングが充実しています。
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