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染織コース

2020年11月05日

【染織コース】インド藍のこと

皆さんこんにちは。染織コースの久田多恵です。
秋も深まってきました。季節の移り変わりは植物の様子から実感することが多いですね。昨年から鉢で育てているインド藍も夏の勢いをなくしています。


インド藍は木藍とも呼ばれるマメ科の植物で、葉に含まれる成分を抽出して藍染に使われます。染織コースで授業を担当されている石塚広先生から昨年の秋頃、種をもらいました。インド藍を育てて藍染をするには広い畑が必要で、私には難しいことだと思っていましたが、同じく染織コースの教員である木内先生が苗を育てて、15センチくらいに育ったものをわけてくださいました。寒さには弱く、小さな苗のまま屋内で冬を越しました。春、夏はとても元気に育ち、1メートルを越すくらいになりました。


育つにつれて、なんだか見覚えがある… と思うようになりました。通勤路でいつも見ているあの植物。枝ぶりといい葉っぱの様子といい、枯れかけた葉の黄色くなる様子も似ています。



これは初夏に奇妙な花を咲かせるイタチハギという植物です。



イタチハギの花



遠目にこの赤黒い花穂がニョキニョキと突き出しているのが目につき、思わず近づいて写真におさめました。近くで見るととても美しい花です。植物の名前はインターネットで検索しました。イタチというよりタヌキかな、とも思いますが妙にぴったりの名前です。
インド藍にもよく似た花が咲きます。イタチハギよりも小さい花で、オレンジ色です。両方ともマメ科で、種類としては近いのでしょう。

 

インド藍の花



ハギといえば本家はこちら。
これは以前のブログ(2019年11月6日)でも紹介した大学の正門横に植えられているものです。マメ科であることは同じで、放射状に枝が伸びる様子は似ています。花の形は少し違います。

 

ハギ



インド藍とイタチハギはとても似ているので、どこにでも生えているイタチハギで藍色が染まるなら大量に刈り取って使いたいものです。しかし山崎青樹著 続続『草木染 染料植物図鑑』を見るとキツネ色が染まるようです。タヌキ似のイタチでキツネとは妙なことですね。
インド藍を育てて藍染をするのはちょっとハードルが高いのですが、育ててみてとても愛着が湧きました。でも大きくなってしまったので部屋に入れることができず冬を越せるのか心配です。種を取って来年に命を繋げようか、とも思います。

11月の大学院スクーリングは石塚先生のアトリエを訪問して藍の建て方、染め方を実習します。石塚先生が使われるのはタデ科の一年草、蓼藍です。アトリエについては随分前に在学生向け補助教材『雲母』で「ひみつのアトリエ」を執筆していただきました。作品制作のための工夫満載のアトリエを訪問できるのは貴重です。機会がありましたら授業の様子をご紹介しようと思います。

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