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歴史遺産コース

2021年04月02日

【歴史遺産コース】緊急事態宣言下 同時配信でフィールドワーク授業をー藝術学舎 江戸時代の京都ー

二条城大手門


フィールドワーク授業とコロナの影響


歴史遺産コースの栗本徳子です。
本学の公開講座 藝術学舎では、学外のフィールドワークを含む科目も設けています。
こうした科目を担当することの多い歴史遺産コースでは、昨年秋、冬季の講座設計の段階で、新型コロナの感染状況が見通せないことから、たいへん苦慮することとなりました。

冬季の講座としては、2月14日(日)と15日(月)の「江戸時代の京都」というものがフィールドワーク系で、
初日に講義を聞いた上で、2日目に二条城と壬生寺、そして杉本家住宅をめぐり、江戸時代の京都の実相に迫ろうという内容となっていました。
しかしその時点でも、感染状況によっては開講中止とならざるをえないことは充分想定できました。

そこで思い切った新規の講座設計を試みました。
従来の対面による現地フィールドワークのクラスのほかに、オンデマンドと現地配信を交えた完全遠隔クラスを同時に実施するというものです。
結果的にこの時期は緊急事態宣言が延長されるという事態となり、対面による現地フィールドワークのクラスは開講中止となりました。
そして対面クラスに申し込んでおられた方に、遠隔クラスを受講可としましたところ、ほとんどの方は遠隔での受講を希望されることとなりました。

現地に足を運びにくい緊急事態宣言下でのフィールドワーク授業のひとつの形を試みた藝術学舎「江戸時代の京都」の一部を、今回ご紹介したいと思います。

 

壬生寺山門


フィールドワーク遠隔授業のための準備


初めての試みで一番心配だったのが、現地の電波状況でした。二条城については同時配信はできないので、オンデマンドでの授業とすることにしたのですが、壬生寺・杉本家はなんとか現地からの配信を実現したいと考えていました。

壬生寺では、昨年のコロナの状況下で、現地同時配信による試みをされていたということで、おそらく電波状況は大丈夫とお聞きしていましたし、杉本家住宅でもすでに室内での催しを同時配信されたご経験があるということでした。

しかし、一度シミュレーションしておかないと不安なことばかりです。
一月の末、講師、カメラマン、同時配信の担当者で、現地でどういうシーンを撮るのか流れをたどりながら配信し、大学で、受信チェックをしてもらいました。

この日は晴天にも恵まれたためでしょうか、たいへん良好に配信受信ができ、当日にはアクシデントもるかもしれないと思いつつ、一定の手応えを得ることができました。

壬生郷士旧前川邸前からの配信


壬生寺の現地同時配信


さて、現地同時配信は2月15日(月)の午後からだったのですが、この日は、朝から土砂降りの雨。強い雨の中の同時配信は、果たしてうまくいくのかという大きな不安を抱えながら、11時頃から準備を始めたのですが、だんだんと空が明るくなりはじめ、同時配信を始める頃には、ほとんど止んでしまうという、幸運にも恵まれました。

壬生寺では、周辺の元壬生郷士の屋敷前からスタートし、壬生寺境内を案内して回って、壬生寺からお借りしたお部屋で、江戸時代の歴史をご専門にされている鍛治宏介先生による壬生での新選組についてなど、小説とは違う史料に基づいた歴史をご講義いただきました。

さて、次の配信場所となる杉本家住宅まで、カメラマンなどの担当者が移動する時間も、ただ受講生を待たせてというわけにはいきません。
ここは、事前に撮っておいた杉本家住宅まで徒歩でたどる街ブラの動画をオンデマンド版でご覧いただき、同時配信の再開までの繋ぎとしました。

膏薬の辻子(ずし)を通って杉本家へ



杉本家住宅は、幕末の蛤御門の変で起きた元治の大火(どんどん焼け)で焼失し、再建された京都最大級の町家です。江戸時代の町家のあり方をそのままに伝える建造物で、重要文化財に指定されています。

二条城の豪華絢爛な武家の城、壬生郷士の武家屋敷を取り入れた独特の建物とも違い、幕府から出されたお触れの下に質素を旨としながら、様々な工夫と秘められた贅沢が施されているのが京町家です。

一目でわかる豪華さとは違うしつらえなので、詳しい解説とどこを見るべきなのか、また建造物の内部の雰囲気を映像でどう伝えられるかが、授業の成否の鍵でもありました。

杉本家住宅の前から杉本節子先生の解説で配信



杉本家第十代当主で、公益財団法人 奈良屋記念杉本家保存会事務局長である杉本節子先生の詳細な解説とカメラマンの力量の高さもあって、おかげさまで、それはとてもよく伝わったことが、みなさんから届いた事後レポートから知ることができました。

レポート内で杉本先生の丁寧な説明と町屋の凜とした佇まいに触れられる方が多かったことと、今度はぜひ現地へ赴き、この目で確かめ、そこに身を置いてみたいという感想も寄せられました。

同時配信の良さとともに、それを見たから充分と知的関心が終わってしまうのではなく、現地で現物に触れたいと思っていただけたことが、何よりこの遠隔授業の試みの可能性を確信させてもらえる結果となりました。

最後になりましたが、緊急事態宣言下にもかかわらず、これまでにない事前の調整から当日の現地配信までご協力いただきました壬生寺、杉本家住宅の関係者の皆様には、こころより、御礼申し上げます。

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