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和の伝統文化コース

2021年12月17日

【和の伝統文化コース】大覚寺での伝統文化研修

皆さん、こんにちは。

和の伝統文化コース教員、井上治です。

今回は本学通信教育課程「和の伝統文化コース」から「伝統文化研修」という授業を紹介したいと思います。
同コースでは能や歌舞伎、花・茶・香など、さまざまな角度から日本の伝統文化を理解することを目的としています。この「伝統文化研修」は、コースでこれらの学びを始める前の導入科目という位置づけになっています。

今年度は、初日に学内での講義、二日目に旧嵯峨御所大覚寺を訪問しました。大覚寺は嵯峨天皇(786842)の離宮嵯峨院を前身とする門跡寺院で、弘法大師空海を宗祖と仰ぐ真言宗大覚寺派の本山です。また、いけばな嵯峨御流の総司所として「花の寺」としても知られています。



 

大覚寺ではまず法話を聞いたのち、お坊さんの案内で由緒ある寺内を見学しました。後水尾天皇より下賜された紫宸殿、五大明王を祀る本堂の五大堂、あるいは山崎の聴竹居と同じく藤井厚二が設計した近代建築の心経殿などいずれも見ごたえのある建築でした。
心経殿には嵯峨天皇ほか六名の天皇宸筆の勅封般若心経が収められているそうです。それゆえに大覚寺は般若心経の写経の寺としても有名です。



 

授業でも午後に受講生全員で写経をさせていただきました。静かな寺内で、各自集中して般若心経に向かうことができたと思います。
その後は、屋外に出て庭園を散策しました。五大堂の舞台からも見える大沢池は日本最古の人工池で、王朝時代には舟を浮かべて遊覧されたと伝わります。現在も桜と月の季節には龍頭鷁首の舟が出ています。
また池の北東にある名勝名古曽滝跡は、「滝の音は絶えて久しくなり成りぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ」という藤原公任(9661041)の和歌によってよく知られています。



 

最後はいけばな嵯峨御流のデモンストレーションを見学しました。寺伝では嵯峨天皇が大沢池の菊を殿上の花瓶に挿されたことがいけばなのはじまりであるとされています。
青野直甫先生がさまざまな様式の作品を生けながら、嵯峨御流の花の精神について解説してくださいました。

 

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