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歴史遺産コース

2022年02月04日

【歴史遺産コース】スクーリング「中世~近世 活字史料の講読」(京都)のご紹介

みなさん、こんにちは。業務担当非常勤講師の岩田です。
今回は昨年10月に京都で実施された、私と熊田先生とで担当したスクーリング「中世~近世 活字史料の講読」をご紹介いたします。

歴史遺産コースでは、様々な時代に記された史料を材料に用い、卒業論文を執筆される学生さんが多くおられます。自分自身で史料から過去の人々の営みや意識を読み取り、史料を通して過去と対話することができる、これが歴史学の醍醐味だと思います。

本コースでは、史料を読む技術を身につけるためのカリキュラムが整っています。テキスト科目とスクーリング科目に、そのための科目が複数あります。
本科目もその一つです。

本科目は、オンデマンド授業と対面授業との組み合わせで実施されました。
まず、先にオンデマンド授業(30分程度の動画、中世・近世各2つ)で、漢文の文法や史料読解に関する基礎知識などを学んだ上で、短い史料を読む事前課題を提出してもらいました。

視聴期間中は、自分が納得するまで動画授業を視聴することができるので、基礎知識を身につけた状態で対面授業に参加してもらうこと可能です。

対面授業は1日で、受講生は開催日の土・日曜日のどちらかを選択して参加します。4名程度のグループに分かれ、各班に割り当てられた史料の文章を読解していきます。

土曜日午前中の様子。ホワイトボードに書き下し文を書いているところ。



最初は各班とも静かですが、次第に相談の声も盛り上がり、協力しあって出した解答(史料の書き下し)を、ホワイトボードに書いていきます。
一人で史料を読んでいるとくじけてしまうこともありますが、グループのメンバーでお互いに助け合って史料を読むことができます。

日曜日午前中の様子。各班、相談中です。



授業では、正確に史料を書き下しすることに加え、史料の読解に必要な辞書類の使い方も学んでもらいました。
また、史料の背景も含めて理解できるように、解説を行いました。
一口に「史料」といっても、時代や種類が異なれば、読解のアプローチ方法も異なってきます。独学と異なり、スクーリングではちょっとしたコツも含めた、様々な知識や情報を講師から伝えることができるのがよいところです。

史料を読む際には、様々な辞典類を使用します。



今回、同じテーブルで一緒に史料を読むことで、学友同士の間で新しい気づきにたどり着いたときの、みなさんの喜びと達成感を間近に見ることができました。学生の皆さんからは、「グループで楽しく読むことができました」、「班の方々に助けられました」といった感想をいただきました。

オンデマンドによる予習と、対面を交えたスクーリングの良さが相まって、史料を読み解く力をステップアップしていかれる学生の皆さんの姿を拝見することは、講師にとっても嬉しいことです。

「史料を読むなんて、難しそう」とお思いの方もおられるでしょうが、ぜひ歴史遺産コースのスクーリングで、史料を読むという新しい力を養ってみてください。
きっと新しい歴史への入り口が開けるはずです。受講をお待ちしています。

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