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2022年06月17日
【染織コース】いろいろな織機 木枠機と腰機を中心にご紹介します
皆さんこんにちは。染織コースの久田多恵です。いろいろな織機をご紹介してきましたが、今回は「木枠機」と「腰機」を取り上げます。織機というとまず思い浮かべるのはこちらのタイプかと思います。
これは瓜生山キャンパスの実習棟に置いてあるもので京都・西陣製のものです。「どんな構造なんだろう?」「どうやって動かすのか?」と思われる方もいると思います。専門的になりますが四枚綜絖(よんまいそうこう)のろくろ式織機です。
こちらは授業で織機にたて糸を張り、よこ糸が通る位置を教員が見せているところです。織物と織機の構造は直結しています。一方、こちらはどうでしょうか。
木でできた枠、その通りです。こちらもご覧ください。
木の棒と白い糸、ロープです。これらは通信染織コースで使用、あるいは以前使用した教材です。木枠も腰機セットも最初にご紹介した織機と役割は同じと言ったらびっくりされるかもしれません。複雑そうに見える織機と木でできた枠、あるいはただの棒とロープが同じ役割を果たすようには見えないかもしれないですね。でも本当なんですよ。
こちらは木枠にたて糸を張って、よこ絣という技法で課題作品を織るための見本です。下半分は共通の柄で、上半分は柄をアレンジして織ります。絣の柄を織り出すことも課題の目標なのですが、木枠に糸を張って平織(ひらおり)を織ることも大切な目標です。
こちらは木枠で織った綴織(左)、その下図(右)です。綴織は基本的には平織ですがよこ糸だけが見えるようにしっかりと詰めて織る方法です。話は少しそれますが、上の綴織、下図となんとなく表情が違っています。実は目の中の光を入れ忘れました。
画面の右下に猫の耳のような分割線が目立たなく入っています。スケッチ(と言っても落書きのようなものです)に猫も描かれていたので、隠しモチーフとして入れました。綴織は木枠でも無理なく織ることができます。通信染織コースの卒業制作では大きな木枠を作って綴織作品を制作する人もいます。
さて次は腰機です。
こちらは以前1年次のスクーリング科目だった「腰機で帯を織る」の見本作品です。木綿糸で浴衣用の半巾帯を織る課題でした。木枠のように四角いフレームはなく、たて糸の端を棒に通し、自分の腰で引っ張るようにします。枠に固定されていないので自由度は高いものの、織るには色々とコツをつかむ必要があります。
こちらは以前ブログで取り上げたコロナ禍での遠隔スクーリング「絹を織る」の見本作品です。絹も織ることができます。
たて糸を糸綜絖で持ち上げて、よこ糸が通る道筋を作っています。
板杼(いたび)に巻いたよこ糸を通しているところです。
以前のブログ掲載時から全然織り進んでいないですね。授業で見本とする役割を終え、丁寧に巻かれた状態で眠っています。
こちらは同じく腰機で二重織(にじゅうおり)の試織をしたものです。緑と紫の糸が二層に織られていて、一部糸が入れ替わる模様を入れています。
織物が二層に分かれています。
裏側は色が反転しています。これは少し前に卒業制作スクーリングで技法研究としてご紹介したものです。
いろいろな織物を織ることができる腰機は、入学せずに講座単位で受講ができる本学の一般公開講座「藝術学舎」の講座でも取り上げています。東京藝術学舎では春と秋に、京都藝術学舎では夏に、それぞれ違った内容となっています。
誰でも自宅でできる!腰機で織る縞の布|藝術学舎
こちらは講座の様子です。まったく初めての方も受講することができます。教材の腰機と、たて糸の準備をすることができる道具がセットになっていて、講座終了後はオリジナルの織物に挑戦することができます。染織コースに在学中の皆さんは藝術学舎科目として単位を取ることができますので、興味がある方はぜひどうぞ。
木枠と腰機で織ったものをいくつかご紹介しました。木枠も腰機も画像1の織機と同じ役割を果たすものだと思っていただけると嬉しいです。それぞれ得意なことと不得意なことがありますので、織りたいものや作業場所の条件で選びます。織機について、また機会がありましたらご紹介します。
▼染織コース紹介動画(教員インタビュー)
🔗染織コース | 学科・コース紹介
🔗京都芸術大学 通信教育部 染織研究室ブログ
研究室が在学生・卒業生向けに情報発信しているブログです。こちらでも授業の様子や展覧会の情報などが豊富です。
これは瓜生山キャンパスの実習棟に置いてあるもので京都・西陣製のものです。「どんな構造なんだろう?」「どうやって動かすのか?」と思われる方もいると思います。専門的になりますが四枚綜絖(よんまいそうこう)のろくろ式織機です。
こちらは授業で織機にたて糸を張り、よこ糸が通る位置を教員が見せているところです。織物と織機の構造は直結しています。一方、こちらはどうでしょうか。
木でできた枠、その通りです。こちらもご覧ください。
木の棒と白い糸、ロープです。これらは通信染織コースで使用、あるいは以前使用した教材です。木枠も腰機セットも最初にご紹介した織機と役割は同じと言ったらびっくりされるかもしれません。複雑そうに見える織機と木でできた枠、あるいはただの棒とロープが同じ役割を果たすようには見えないかもしれないですね。でも本当なんですよ。
こちらは木枠にたて糸を張って、よこ絣という技法で課題作品を織るための見本です。下半分は共通の柄で、上半分は柄をアレンジして織ります。絣の柄を織り出すことも課題の目標なのですが、木枠に糸を張って平織(ひらおり)を織ることも大切な目標です。
こちらは木枠で織った綴織(左)、その下図(右)です。綴織は基本的には平織ですがよこ糸だけが見えるようにしっかりと詰めて織る方法です。話は少しそれますが、上の綴織、下図となんとなく表情が違っています。実は目の中の光を入れ忘れました。
画面の右下に猫の耳のような分割線が目立たなく入っています。スケッチ(と言っても落書きのようなものです)に猫も描かれていたので、隠しモチーフとして入れました。綴織は木枠でも無理なく織ることができます。通信染織コースの卒業制作では大きな木枠を作って綴織作品を制作する人もいます。
さて次は腰機です。
こちらは以前1年次のスクーリング科目だった「腰機で帯を織る」の見本作品です。木綿糸で浴衣用の半巾帯を織る課題でした。木枠のように四角いフレームはなく、たて糸の端を棒に通し、自分の腰で引っ張るようにします。枠に固定されていないので自由度は高いものの、織るには色々とコツをつかむ必要があります。
こちらは以前ブログで取り上げたコロナ禍での遠隔スクーリング「絹を織る」の見本作品です。絹も織ることができます。
たて糸を糸綜絖で持ち上げて、よこ糸が通る道筋を作っています。
板杼(いたび)に巻いたよこ糸を通しているところです。
以前のブログ掲載時から全然織り進んでいないですね。授業で見本とする役割を終え、丁寧に巻かれた状態で眠っています。
こちらは同じく腰機で二重織(にじゅうおり)の試織をしたものです。緑と紫の糸が二層に織られていて、一部糸が入れ替わる模様を入れています。
織物が二層に分かれています。
裏側は色が反転しています。これは少し前に卒業制作スクーリングで技法研究としてご紹介したものです。
いろいろな織物を織ることができる腰機は、入学せずに講座単位で受講ができる本学の一般公開講座「藝術学舎」の講座でも取り上げています。東京藝術学舎では春と秋に、京都藝術学舎では夏に、それぞれ違った内容となっています。
誰でも自宅でできる!腰機で織る縞の布|藝術学舎
こちらは講座の様子です。まったく初めての方も受講することができます。教材の腰機と、たて糸の準備をすることができる道具がセットになっていて、講座終了後はオリジナルの織物に挑戦することができます。染織コースに在学中の皆さんは藝術学舎科目として単位を取ることができますので、興味がある方はぜひどうぞ。
木枠と腰機で織ったものをいくつかご紹介しました。木枠も腰機も画像1の織機と同じ役割を果たすものだと思っていただけると嬉しいです。それぞれ得意なことと不得意なことがありますので、織りたいものや作業場所の条件で選びます。織機について、また機会がありましたらご紹介します。
▼染織コース紹介動画(教員インタビュー)
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