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写真コース

2022年12月20日

【写真コース】通信写真コースの教員紹介 ー片岡 俊先生ー

こんにちは。今年度10月より通信教育部 写真コースにて非常勤講師となりました片岡俊です。これからどうぞよろしくお願いいたします。

12月になり卒業制作の準備も隆盛する中、「はじめまして」の方も多く、本日は私自身の自己紹介をしたいと思います。

写真を始めたきっかけ


学生時代はグラフィックデザインを学んでいました。今も仕事としてデザインをすることはありますが、学生時代の友人が一眼レフカメラに興味を持ったことから始まります。そして、父が大切にしていたカメラを譲ってくれたことは写真に触れる機会を留めずに引き入れてくれたと思っています。

出来事は重なるものですが、グラフィックデザインを教わっていた教師の趣味が写真であったことも幸運でした。暗室技術にも長けた方で、写真に興味を持ち始めた自分を快く暗室に誘い入れてくれて、写真を一緒に焼かせてくれました。その時はちょうど「写真新世紀」や「ひとつぼ展」が始まった頃。様々な写真集も教えて頂いて、佐内正史さんや、川内倫子さんの写真から、「今まで見たことがなかった世界がすごく近くにある」と感じ、写真への興味は益々大きくなっていきました。

最初に手にした写真集/佐内正史『生きている』・川内倫子『AILA』


写真の悩み


何を撮るのか。それは誰もが出会うだろう悩みの一つだと思います。シャッターを切れば撮れる。それは確かにそうでした。独学で始めた写真でしたが、自分なりに初めて作った作品をコンペに応募したところ落選。返却された作品と一緒に「何をしたいのか分からない」と審査員からのメッセージがありました。

これは一人で制作をしていた当時の自分には厳しく、重たい気持ちを引きずることとなりました。暗室技術を教えてくれる先生はいましたが、作品については自分で考えるしかなかった。どうしていいか分からない中でしたが、その後に出会う様々な人や出来事が少しずつ自分の足を前に進めてくれました。

写真作品を作る


カラープリントを焼きたい。そんな思いから2週間で完結するワークショップに通いました。その時に出会った先生が「1年制に来ない?」と声をかけてくれたのですが、その教室は短期でのワークショップを行いながら、社会人向けに通年制の写真教室も運営していました。その頃の自分は「とにかく一人で作る」ことを考えていて、先生の言葉には困惑しましたが、行き詰まった心を解きたいと思い通うことを決めました。

授業は2週間に一度の講評を続けます。美術史や写真史を学ぶ座学もありましたがそれは最初だけ。その後は2週間に一度写真を見てもらいながら言葉を交わし、2週間後への目標を決める。1年間それを繰り返しました。作っているものを見てもらう。そして言葉を交わす。あの日々から10年以上が経ちましたが、その繰り返しを今でも大切にしています。作っているものをさらに進めたいと思った時は、信用している誰かに見てもらうか、作品を持ち歩き気になった誰かに見てもらう。そんなことを今でも続けています。

学校で教わったのは写真を前に言葉を交わすことによって生まれる、作品への新鮮な価値や認識だったと思います。それは関わり始めた本学の授業にも活きていると感じています。

継続して撮るもの


私は一つの作品に対して対応し続けます。これは個々作家によって違いますが、上記の写真学校で撮り始めた作品「Life Works」は今も写真に撮り続け、発表を続けています。12年目を迎えて次の段階に行こうと、写真集の制作に向けて編集をしてます。

Nikon Salon大阪での展示風景(2019)



KYOTOGRAPHIE Portfolio Review Award 2021 記念展で作成した「Life Works」のダミーブック(2022)


写真を扱う


様々な教員がいる中で、私の特殊性は写真集を売る立場にも在るということです。現在は店頭には居ませんが大阪の梅田 蔦屋書店という書店で写真担当としてオープンに携わり、店舗の運営に今も関わっています。「写真集販売」「作品展示」「トークイベント企画」「対談者としての出演」「コマーシャルギャラリーからの写真作品購入」など、作家とは別の次元で写真に携わることができたことは自信にとって写真が世の中にどのように扱われるのか、その一端を少しでも経験することができたと思っています。

本学で授業を担当されている鈴木崇先生には、オープンを記念したコミッションワークとして大阪の街を題材とした作品制作を依頼しました。店舗での展示のために「BAU」の特別サイズを制作いただき購入と常設展示をしています。いつでも本物の作品を見ることができ、一作家としても贅沢な環境だと思っています。

鈴木崇「BAU」/特別サイズの常設展示


学生の皆様へ


制作する中で出る悩みや言葉を大切にしてほしいです。写真を扱い作品を作ることはどこかに不明点が現れます。そしてその疑問こそが作品にとっての力になると信じています。「これはなんだろう」。その疑問に写真を用い対応すること。共に学ぶ学生や教員と言葉を交わし考えること。それは作品にとっての力です。あなたの頭に浮かんだ「?」が私にも新しい発見を生み、誰かの元へは驚くようなかたちで響きます。

どこかで会ったときにお話しできることを楽しみにしています。これからどうぞよろしくお願いいたします。

 

「Life Works」(2014)©︎Shun Kataoka



 

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入学説明会は12月~3月まで毎月開催します。最新情報は上記説明会ページをご確認ください。

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