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写真コース

2023年03月19日

【写真コース】在学生卒業生の活躍 ギャラリー開設編


みなさんこんにちは。写真コースの勝又公仁彦です。今年度も終盤ですね。京都は梅もほころび、早咲きの桜もちらほら。同時に花粉症の季節にもなりましたが、春めいてきました。

写真コースの在学生卒業生たちは、引き続きそれぞれに活動しています。今日は前4回の私の投稿に続き、そんな在学生卒業生の活躍の数々からギャラリーの開設と運営に携わる皆さんをご紹介いたします。

まずは開設年度が最も古いギャラリーからご紹介しましょう。2016年度卒業生の石田省三郎さんは2018年に銀座にあるご自身の法律事務所の一部を改装し、写真専門のIG Photo Gallery を設立されました。

IG Photo Gallery


web siteには、「IG Photo Galleryは、東銀座、歌舞伎座の裏に位置します。以前は、木挽町と呼ばれていました。この界隈には著名なフォトギャラリーが数多くあります。このような由緒あるギャラリーと、別に競争するという趣旨ではありませんが、隠れ家的な、ささやかなギャラリーが、ひとつくらいあってもいいのではないかとの思いから、このギャラリーを創りました(後略)」と石田さんによる設立の趣意が書かれています。

写真コースで卒業制作のスクーリングやテキスト課題を担当されている、写真評論家のタカザワケンジ先生をディレクターに迎え、タカザワ先生と石田さんの両氏のセレクトにより作家の個展を中心に展示を行っています。

タカザワ先生によるギャラリーの解説には「IG Photo Galleryでは、オープン当初から作家性を重視し、非営利、エイジレスをコンセプトにギャラリーを運営してきました。コレクション展をのぞいてグループ展はおこなわず、個展を原則としているのは、作家性を重視するためです。小さい空間ですが、『写真作品』によって、その空間が一つの世界に変貌していることをお約束します。」とあり、明確な運営方針により展覧会が構成されていることを示しています。

「非写真家」として写真作品を発表しているディレクターのタカザワ先生の個展をはじめとして、金村修、鈴木崇、山本渉、井上雄輔といった写真コースの各講師の個展や、楢橋朝子、小松浩子、渡辺眸といった著名作家の個展、さらには牧野友子、伊藤妹、二川美知枝、野村美和といった卒業生・在校生の個展も開催しています。

タカザワケンジ展「someone’s watching me」会場風景 https://www.igpg.jp/exhibition/takazawa2022.html



また、新型感染症の蔓延により瓜生山キャンパスでの卒展が開催できなかった2019年度の卒業生に会場を提供したり、毎年の卒業制作の中で主席の学科賞以外の卒業生から1名を選んで個展開催の機会をプレゼントするなど、後輩への支援を行っておられます。

二川美知枝(2020年度卒業生)展「あとのあとは 後の後であり 後の跡でもあり 後の痕でもある」会場風景 https://www.igpg.jp/exhibition/futagawa.html



今年度の卒業生から誰がタカザワ先生と石田さんに選ばれるのか、卒業生のみならず、講師陣も興味深々です。またオーナーの石田さんも写真集の出版や個展の開催を毎年行うなど精力的に発表活動を行われており、現在も「an ironical moment」という個展を25日まで開催中です。       https://www.igpg.jp/exhibition/ishida2023.html

石田省三郎展「Nights,Walking:Chigasaki」会場風景 https://www.igpg.jp/exhibition/ishida2022.html



私も開廊のオープン記念展などで個展を開催しました。

勝又公仁彦展「Skyline」会場風景 https://www.igpg.jp/exhibition/exhibitionkatumata.html



今後も意欲的な企画が予定されています。ぜひ訪れてみてください。

IG Photo Gallery
〒104-0061 東京都中央区銀座三丁目13番17号 辰中ビル3階
https://www.igpg.jp/

 

PHOTO GALLERY FLOW NAGOYA


次にご紹介するのは2018年度卒業生の中澤賢さんが大学院の後藤繁雄ラボに在学中の2021年に名古屋駅前に開廊したPHOTO GALLERY FLOW NAGOYAです。現代アート写真ギャラリーとして、写真表現にできる事、その可能性を研究しながらそれらをフィードバック出来るような展示を企画し、ワークショップなども定期的に行っています。

若手の作家を中心に展示を行っていますが、先に挙げたタカザワケンジ先生や石田省三郎さんの個展も行っています。

石田省三郎「TSUKIJI JONAI」展展示風景    https://www.photo260nagoya.com/石田省三郎-tsukijijonai



オープニングの展覧会には在学生のイイダユキさんを抜擢し、桑迫伽奈さんとの二人展を開催。

桑迫伽奈、イイダユキ「夜になりすます。」展 展示風景 https://www.photo260nagoya.com/夜になりすます



中日新聞の取材記事「芸術写真の魅力伝える 名古屋にギャラリー開設」
https://www.chunichi.co.jp/article/268150

また2019年度卒業生の尾山直子さんの個展も開催。さらにはポストフォトグラフィを主導する作家たちの展覧会を行うなど中京圏では貴重な作品発表の場となっています。

「ぐるり。」尾山直子展 展示風景         https://www.photo260nagoya.com/尾山直子ぐるり



戦前戦後を通じてアマチュア写真家の一大隆盛地であり、また多くの現代美術家や写真家を輩出し、さらには先鋭的な現代美術ギャラリーを数多く産んできた愛知県の現代アートシーンの一翼を担う存在になっています。名古屋駅前というアクセスの良さも魅力です。

PHOTO GALLERY FLOW NAGOYA
450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目16-24 名駅前東海ビル207A
www.photo260nagoya.com

 

galerie SPUR(ギャラリー シュプール)


最後にご紹介するのは2019年度卒業生の高林直澄さんが2021年に大阪の服部天神にオープンしたgalerie SPUR(ギャラリー シュプール)です。

オープニングは高林さん自身の個展「A second of…」が飾りました。



高林さんは写真コースへ入学後に、学友たちのグループ展に関わる中で、展示やプリントができるようなラボとギャラリーを兼ねた、気軽に立ち寄れる場所が大学の近隣にあるといいなと考えるようになったそうです。卒業後、そのような話をしている中、大学からは離れていますが縁あって服部天神の地でギャラリーに向いた空間を紹介され、galerie SPURをオープンされたそうです。

近隣にはデジタルフォトのスクーリングやテキスト課題を担当されている西川善康先生が運営メンバーの1人でもあるgallery 176をはじめ複数のギャラリーがあり、服部天神駅周辺でのギャラリー巡りも楽しいです。10㎡ほどの小さなギャラリーのため、大御所や有名作家のの展覧会というよりは、卒業生などの展示歴の浅い作家の初めての個展や次のステップへ向けてのチャレンジとしての展示など、表現者として力をつけていくきっかけになるような空間になればと考えているそうです。

今年2023年2月には同期の山本美里さんの個展を開催。



山本美里「透明人間 Invisible Mom」展示風景               https://www.galerie-spur.com/category/exhibitions/過去の展覧会/



◆山本さんの作品の紹介記事◆
美術手帖
https://bijutsutecho.com/magazine/series/s6/26531
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASQD3675QQCXUTIL008.html
NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230303/k10013986571000.html
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20211119/k00/00m/040/411000c
読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/local/tokyotama/news/20220609-OYTNT50198/
Yahoo!(たまひよオンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4ecd4bff8b41fdf7fb14ebfdf13a3f9f65ac318?page=4
たまひよ
https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=152839

また4月3日から9日にもにも卒業生の南泰隆さんによる「鏝絵のまち(仮)」展を予定しているそうです。これからも在学生卒業生が集う場として、また関西の貴重な写真ギャラリーの一翼を担うことを期待しています。

galerie SPUR
〒561-0851大阪府豊中市服部元町1-2-9
HP/SNS等まとめリンク https://instabio.cc/galerieSPUR

いかがでしたでしょうか?写真家としての活動のみならず、写真家やアーティストを支援し、発表の場を与え、展覧会やイベントを企画する卒業生たちの存在は、卒業生・在校生に多いに刺激になっているとともに、作家以外に写真やアートに関わる方法としての将来像を与えています。他にも企業のギャラリーのディレクターやラボを主催するなど写真に関わる仕事をしている卒業生や在学生も存在します。いつかはそのような彼ら彼女らをご紹介できればと思っています。

今日ご紹介したギャラリーには展示を見に行くことはもちろん、写真コースや大学院への入学を考えている皆さんの相談にも乗ってくれる先輩方が集っていることでしょう。ぜひ足を運んでみてください。

 

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