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染織コース

2023年05月11日

【染織コース】植物が生き生きする季節です。スケッチをしましょう!

皆さんこんにちは。染織コースの久田多恵です。染織コースに入学した皆さんの中には「スケッチは苦手で・・・」と思っている人がいると思います。また「染織コースなのになぜスケッチが必要?」と思う人もいるようです。

描写スクーリングの様子



入学した年に取り組む課題で、スクーリングとテキスト科目の両方に「描写」があります。描写、スケッチ、デッサンなど、いろいろな呼び方がありますが、すべて「描く」という意味では同じです。何のために描くのかという目的で言葉を使い分けることはあります。

描写スクーリングの事前課題



学習が進んでもスクーリングの事前課題でモチーフをスケッチする場合があります。学習2年目の型染(かたぞめ)、3年目の綴織(つづれおり)などです。

型染スクーリングの様子



染織は布を染めたり織ったりする技術なので、技法の習得がとても大切です。でも染織の技法を使って作品を作るためには元になる形が必要です。型染(かたぞめ)やろう染、綴織(つづれおり)などは、描いた形が元になります。染織の技術を持っていても元になる形がなければ進みません。魅力的なモチーフを探してそれを自分の手で描くことがとても大切です。

綴織スクーリングの様子



具体的な形がない作品もあります。縞や格子の織物には具体的な形が登場しません。また染作品でも抽象的な表現があります。そういった作品でも、画面のバランスや全体の構成を考えるには形に対する感性が必要です。何かを描くことで形に対する感性は磨かれていきます。

縞の織物(絣と綾織の変化組織も入っています)



ろう染の制作



形に対する感性が必要になるよりももっと前の段階は作品の発想です。作りたいものが浮かんでこなければ創作はスタートしません。発想力はどんな分野でも大切です。でもどうしたら発想力が身に付くのでしょうか。歴史に残る作品を創作した人も、もっともっと発想力がほしいと思っていることでしょう。それは創作の原動力とも言えます。

画家の下図1(撮影可の展覧会です)



何かを描くことで発想する力や創造する力が付くと言ったらびっくりしますか。それは本当です。脳の中のことは専門外なのですが、造形する脳が描くことで鍛えられるのです。

画家の下図2(ガラスの反射が写っています)



自分のまわりにあるものをよく見て描きたいものを探しましょう。それだけでも造形する脳は働きだします。そして自分の手で紙に描くと、それまで見えていなかったものが見え始めます。

きゅうりの葉の下に



スケッチしました1



スケッチしました2



描こうとするともっともっと見る必要が出てきます。「うまく描けない!」と焦ってしまっても心配無用。見ているものと描いたものが違うということに気づけるのは、力がついてきているからです。

スケッチしました3



スケッチしました4



もっともうまく描くことは目的ではありません。自分の目で見て自分の手で描く。そうすることで自分にしか描けない形を描くことができます。その形を使うことで染織作品の創作がスタートします。

きゅうりとかまきり綴織試作



これから植物を描こうと考えているなら、野菜の苗を買うのはいい方法です。数百円で手にのるくらいの小さな苗でも、どんどん大きくなって日々いろいろな表情を見せてくれます。時間を見つけて描いていけば、植物の成長と一緒に描く力もついていきます。野菜の苗なら食べる楽しみもありますね。食感や味がわかればさらに生き生きと描くことができるようになるでしょう。植物が成長する季節に造形する脳を鍛えましょう!

収穫



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京都芸術大学 通信教育部 染織研究室ブログ
研究室が在学生・卒業生向けに情報発信しているブログです。こちらでも授業の様子や展覧会の情報などが豊富です。

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