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和の伝統文化コース

2023年06月02日

【和の伝統文化コース】日本の伝統芸能にふれられる場《関東編》

こんにちは、和の伝統文化コース非常勤講師の曽村です。
突然ですが、みなさんはふだん、日本の伝統芸能に直接ふれる機会はどれくらいありますか?
歌舞伎や能楽、文楽を観に劇場へ足を運ぶ方もいらっしゃるかと思いますが、日常的に観に行かれる方はそう多くないかもしれません。
今回は、伝統芸能のライブならではの鑑賞体験について、お話ししたいと思います。

はじめに、伝統芸能にふれる第一歩としておすすめの公演をご案内します。
近い時期では、東京近辺で伝統芸能を上演している会場のうち、三宅坂の国立劇場や千駄ヶ谷の国立能楽堂にて、例年6月〜7月に歌舞伎や能楽の鑑賞教室が開催されます。
この公演では、実演家の方に演目のみどころなどを解説していただきながら、作品を鑑賞することができます。(通常の公演よりもお手頃料金というのも、魅力の一つです!)
伝統芸能を初めて観るという方はもちろん、これらの芸能になじみのある方も、新たな気づきを得ることができる催しではないかと思います。
※国立劇場・国立演芸場は2023年10月より建て替え期間となります。



国立劇場の外観



私も昨年、国立劇場の歌舞伎鑑賞教室にて《紅葉狩》という歌舞伎舞踊作品を観劇しました。
本作は、戸隠山にいる更科姫という姫に化けた鬼女が、紅葉狩りに訪れた平維茂に襲いかかかる、という内容です。1人の俳優が、前半の姫と後半の鬼女という、全く異なるキャラクターを見事に演じ分けるところがみどころです。

この作品のなかで、鬼女が真っ赤な舌をみせる所作があったのですが、迫力のある立廻りとも相まって、とてもおどろおどろしく表現されていました。そして客席のあちこちから、思わず声をもらすのが聞こえてきました。このときは鬼女の恐ろしさを会場全体で共有していたように思います。初めて歌舞伎を観にきた方も多かったと思いますが、お客さんからの率直でリアルな反応を客席で感じられたという点も、会場で観劇することの醍醐味の一つだと感じました。

こうしたことをふまえると、もちろん音源や映像でこれら日本の伝統芸能を楽しむ、学ぶことも重要なことではありますが、それ以上に、直接伝統芸能にふれる機会によって、その時間、その場所でしか起こり得ない豊かな経験を得ることができます。このことは、芸能以外の日本の伝統文化にも通ずるでしょう。芸能そのものを楽しむだけでなく、その場に居合わせたお客さんを含む会場の空気感も、ぜひ味わってみていただきたいと思います。

和の伝統文化コースでは、伝統芸能を含むさまざまな日本の伝統文化にふれることを通して、学生のみなさん自身が興味をもって学びを深めたい分野について、研究を進めていきます。
本コースでは実際に芸能を鑑賞したり、実演家の方を講師としてお招きして実技の指導も含む授業を行っていただいたりといった、伝統芸能をより身近に感じ、学ぶことができるスクーリングを多く開講しております。
ご興味をもってくださいましたら、下記のコースHPにもぜひアクセスしてみてくださいね。

和の伝統文化コース|学科・コース紹介

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