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洋画コース

2023年08月08日

【洋画コース】様々な表現を試みる

こんにちは。洋画コースの小川万莉子です。今日は、私の普段の制作について少しご紹介させていただきたいと思います。

本学の学部、大学院を卒業後、約10年ほど制作を続けています。作品のテーマは学生の頃からほとんど変わっていません。自然の中で体感する、自身の身体感覚に触れてくるものをモチーフとして、有機的かつ抽象的なイメージを作り続けています。

学生時代に、自身の興味の対象を、さまざまな表現を試す中で見つけていきました。今現在も変わらずその行為が続いています。様々な素材との出会いがあり、試行錯誤の結果、表現方法は少しずつ増えてきていますので、今日はその一部を、少しではありますが、ご紹介できればと思います。どうぞお付き合いください。

F100号 「終わらない庭」



こちらは2015年制作のものです。綿布に木炭、鉛筆、コンテ、ジェッソを使って描いています。

綿布の薄いベージュ色を活かすことを意識しています。綿布に絵具が染み込んでいくので、真っ白な色を出すには何度も絵具を重ねる必要があります。やり直しの効かない描き方なので、取り組み甲斐がありました。

F50号 「four seasons garden 021」2021年



窓越しに見える景色を表現した作品です。キャンバスにアクリル絵具、パラフィンワックスを使っています。

▼別の作品の画像ですが、蝋を使う事で、このように少しマットな半透明の層ができます。



学生時代に蜜蝋という素材に出会い、以来、随分とお世話になっています。

次の作品は、また雰囲気が変わります。

F30号 「view/眺め020」2021年



こちらは少し硬質な印象の作品ですね。

キャンバスにモデリングペーストやジェルメディウムで下地をつくり、ラッカースプレーで色を付けています。スプレー中は防護マスク必須です。下地の質感を変える事で、色々な表情が出てきます。

F3号 「sou007」2022年



空気の重なり、光の層を表したく描いたものです。アクリル絵具とジェルメディウムを薄く何層にも重ねています。

パール系の絵具を使っているので観る角度によって表情が変化する作品です。

SSM 「view/窓012」2022年



やわらかな雨の様子を描いた作品です。アクリル絵具とメディウム、ジェッソを使用しています。ジェッソを細く垂らし、マットな質感のメディウムを重ねて窓ガラスのような表情を作っています。重ねるメディウムの厚みによっても作品の見え方が大きく変わります。

以上、それぞれに異なる見え方をする作品をご紹介させていただきました。制作は試行錯誤の連続ですが、いろんな表現を楽しんでいます。

これから入学される方も、ご自身の制作を進めている方も、いろいろな材料と出会いながら、絵を描く事を楽しんでいただけると嬉しいです。

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