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2023年09月15日

【洋画コース】1年次スクーリング報告 「洋画Ⅱ-1(静物油彩1)K1」 2023年7/29(土)~30(日) / 京都キャンパス  

こんにちは。気象庁のいう「最も暑い夏」も、すこし秋めいてきました。
1年次配当スクーリングも順調に進行し、本講座が鉛筆・木炭デッサンに続く初めての油彩学習となります。受講者数37名、2教室に跨る対面授業に、担当教員も2名体制で臨みました。

「静物油彩」といった表題から、赤いリンゴや黄色いバナナ、緑の植物、洒落た器やオブジェ等、卑近なモチーフ設定を連想されたとしたら、さにあらず、ここでのモチーフは白いモノが雑然と在るがまま、ここに造形の諸問題を考えようというものです。

白いモノにも豊かな色彩を見出すこと、かつ色出しに用いる絵の具は3原色とホワイトのみに限定したことで、デッサンの延長で明暗法に則って明度を定め、色相や彩度を加えたトーンのバルール(色価の的確さ)を理解しながら、確かで豊かな色だしを期待しました。

画面づくりもまた、主たる対象とその背景という関係に留まりません。奥行きのある空間に立体的量をもった様々な形態がどう在るのか、全体空間を把握したうえで、モノ同士や隙間空間との関係がつくる陰影変化の面白さ、また白くとも一様ではない固有色や質感の差異を見極めるなど、これら造形要素を用いて画面をつくることになります。むろん自由構成や平面化等の解釈は題意になく、観察再現に基づく立体的空間描出を求めました。

授業の実際を簡単に振り返っておきます。

【モチーフ】
*各教室に2山ずつ計4山設置、興味の中心を絞り込み構図を切り取る



【授業風景1日目】
*複数枚のスケッチを経て場所・構図を決定後、画面に形をとる(左)
*中間調の有色下地(事前課題で準備)を生かして全体のトーンバランスを把握する、明色と暗色2色(中間調は塗り残す)をのせることで明・中・暗、3段階の調子が得られる(右)
*油彩制作前に油彩材料・技法の講義・実演を行った、1日目の終わりに寸評会を開いた


【授業風景2日目】
*終日油彩制作、描画は1530まで、時間的に厳しくも一定の完成を目指した
*教員も忙しい、一筆入れることで理解を助けるのも対面授業ならでは(指導は富士先生)


【講評会】
*モチーフ撤収後、作品を一堂に会して1600より講評会、他作品に照らして自己点検と発表


【参考、成果物(抜粋)】
*時間的不足は否めなくも実質1日半の仕事量として概ね満足できる画面が形づくられた


1年次油彩のっけから自分らしい視点を求め、表現意識をもって観察描写に努めてもらいたいとしました。油彩初心の方には絵具遣いの実際問題も絡み、たいへんだったと思います。

現実的価値からみればガラクタに過ぎない対象にも造形要素たり得る魅力が見いだされたようで、各人各様の気づきをモチーフとして自らの画面づくりに腐心されていたようす、担当者としてうれしく思います。2日間おつかれさまでした。

(報告 水口裕務)

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