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空間演出デザインコース

2023年09月13日

【空間演出デザインコース】空間体験のデザインをするとは

秋のはじまりを前に


こんにちは。空間演出デザインコース研究室の片岡です。よろしくお願いします。

今年だけなのか、今年からなのか、汗のかき方が尋常じゃないなぁと感じる夏でした。もうすこし暑い日が続きそうですね。

開講時期を春夏秋冬と分けるならば、そろそろ秋になり、ちょうど半分が過ぎる頃になります。大学での学びへの疑問や不安の内容も変化して、より具体的であったり、または、よりモヤモヤとなる季節なのかもしれません。研究室では「秋のイベントweek」として、一緒に学びの進捗を確認しながら、入学した時の想いを確認しあうなど、モチベーションがあがるような企画を実施しています。

今回は3年次スクーリング科目として遠隔授業で開講された「空間体験のデザイン」の様子をご紹介いたします。

空間体験のデザインとは


ここでいう体験とは、実際の空間で過ごす時間の経過、一連の出来事も含めた体験を指します。

我々は空間演出デザインとして新しい空間を作ろうとしますが、一方的に新しい空間を作っても、そこに人びとのアクティビティが発生しない限りは、意味のないものになってしまいます。

この授業では、床や壁、天井で囲まれた容器としての空間を計画するのではなく、空間での人びとの過ごし方やアクティビティといった目に見えない出来事を具体的にイメージし、新たな空間体験の提供について構想します。

社会の人びとの求めるニーズを考察し、より多くの人びとの共感を呼び、賑わいを生み出す空間体験のデザインの提案を目指します。

テーマは「日本の食文化」


課題内容は、あなたが選んだ地域の食文化を、対象空間にてプロモーションすることとします。

事前課題として、対象としようとする食文化の調査、分析を行ないます。その食材の魅力、地域との関わり、歴史的な背景、経緯などを調査することで、推すべき魅力が何かを明確にします。
そして、その魅力を空間体験として提案するにはどのようなアイデアがありそうか。様々な空間体験の事例を調査してまとめ、講義に臨みます。
事前課題には、講師から視点や方向性、考察にあたっての注意点がコメントされ返却しています。

スクーリングでは


スクーリングのスタートです。講師から空間体験のデザインを進めていくうえでのコツを伝授。座学にてしばし講義を行います。そこでのいくつかの要望のひとつに「いちどお客さん脳で考えてみる」というのがありました。

これまでデザインの手法を学び、さまざまな視点を身につけました。今ここで、お客さん目線に戻ろうと言われると、もしかしたら戸惑いがあるかもしれません。しかしそれは「いいね!」と思う受け手の気持ちと発信者の想いのバランスを意識しようということ。同時に、デザイナーとしては、体験する人が「いいね!」と思うだろうことをブレずに伝え、共感してもらえるように仕掛けるということでもあります。

謙虚で柔軟なふるまいが必要なのだなぁと気づく瞬間でした。

作品紹介


最終成果物はPRプレスリリースです。企画の目的、情報を伝え興味を持ってもらえる資料とすること。「どこが新しくて、独自性があるのか」限られた紙面の中で、魅力を伝え、共感をえることを目指します。

スクーリング2日目の午後は、それぞれの最終成果物を使ってプレゼンしていただきます。参加者は、自分以外の作品の全てのプレゼンを受けるわけですが、学友のプレゼンを受け、お客さん目線で素直に「いいね!」と思えた空間体験のデザインは、さて、どの作品でしたでしょうか?

なんだろう?と興味をひくプレスリリースですね。



メニュー、空間で、食材の魅力を引きあげようと検討された様子が伝わります。



視覚に訴えたり、体験の仕組みも検討されています。



3年次の科目となると、これまでに学んできたデザインの視点で調査、分析、考察を行い、提案能力、プレゼン手法を総動員して、さらに時間内に最終成果物に辿り着くことを目指なければいけません。

それは楽な作業ではないと思います。ですが、みなさん、入学時には想像できなかったであろうデザインの工程を行えていました。個性的な視点があり、提案もそれぞれ。独自の想いを自由に表現されています。とても刺激的な成果内容でした。

空間演出デザインコース| 学科・コース紹介



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