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2023年10月16日
【通信制大学院】よりプラクティカルに!(文芸領域 小説創作ゼミ)
私は「文芸演習(小説創作ゼミ2)」と、「文芸特論Ⅱ」を担当しております。ひとまず、前期(9月末まで)の取り組みの一端をご紹介しましょう。
辻井南青紀先生と共同で主宰する小説創作ゼミ2では、前期末に、60枚程度の短編を提出する課題を出しました。教える我々としても、果たして完成作が何本届くのか、おおいに不安視していましたが、予想は良い意味で裏切られました。ゼミ生23名、全員が締め切り厳守で提出なさいました。
驚いたのは主に2点――ひとつ目は、クオリティーの高さ。ほとんどの方が、「人生で初めて小説を書いて完成させた」とおっしゃるにもかかわらず、です。ふたつ目は、バラエティーの豊かさです。「小説創作ゼミ2」はエンターテインメント作品と看板を掲げていますが、蓋を開けてみれば、純文、歴史・時代小説、青春小説、SF、ホラー、お仕事小説からノンフィクションまで、まさに百花繚乱でした。これも、「学生ファースト」という基本方針のおかげかと、いくらか自負しています。開講時に「研究計画書」を提出していただいて教員と共有し、初期のアイデアを活かしつつ、いつまでに何をすればいいのか、相談しながら作品を完成まで導いていきます。オンラインではありますが、個人面談や、気軽にご訪問いただける「オフィスアワー」のようなツールを使いつつ、ほぼ作家と編集者のやりとりが再現できているように思いました。生徒の皆さんにとっては、他の生徒さんに自作を読んでもらい、数多くのコメントがつく仕組みもおおいに励みになったようです。
講義内容も、創作に直接リンクしています。「短編小説の書き方」といった座学もありますが、辻井先生考案の「ワークシート」製作、長編小説『悪人』の精読と討議等、ライブ(生)での作業を中心にプログラムされています。次の「特論Ⅱ」も同様で、キーワードは「よりプラクティカル(実践的)に!」です。
「文芸特論Ⅱ」では、『黒牢城』米澤穂信と『容疑者xの献身』東野圭吾を題材に、「読書メモ」を作成していただきました。「小説を書くために読むスキル」の習得が目標で、[人称][時間軸][構成]の3点を中心に、プロの作家の技術を具体的に解析していきます。
「特論Ⅱ」では、歴史小説やミステリーをこれまで食わず嫌いで読まずにきたが、意外に楽しく読めた、といった感想が多く寄せられました。読む精度が上がれば、それにつれて、書く精度も上がります。「読書メモ」の製作で、作家のテクニックを盗み、他者の創作物を評価する眼力を養うきっかけができたように見受けます。
初年度の経験を経た来年度は、さらにいっそうプログラムの充実に取り組みたい、と考えています。
松岡弘城
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2023年11月29日(水)19:00~20:30
文芸領域 小説創作ゼミ特別講義
「物語創作ジャンルの近未来 ~書き手が育つ「場」の実現にむけて~」
担当(小説創作ゼミ教員):池田雄一先生、藤野可織先生、松岡弘城先生
2023年12月12日(火)19:00~20:30
文芸領域 入学説明会
担当:辻井 南青紀先生
↓説明会の参加申し込みは文芸領域ページ内「説明会情報」から!
▼京都芸術大学大学院(通信教育)webサイト 文芸領域ページ
文芸領域では入学後、以下いずれかのゼミに分かれて研究・制作を進めます。
小説、エッセイ、コラム、取材記事など、広義の文芸創作について、実践的に学びます。
企画、構成、取材、ライティングから編集レイアウトまで、有効な情報発信とメディアのつくり方を実践的に学びます。
文芸演習(小説創作ゼミ)
<科目概要>
「文芸領域」における物語創作の専門的な学びに際して、これらを習得し自らのものとするため、通年での持続的指導と創作・制作活動を通じて、幅広い土台作り/基礎固めを行う。また、物語創作の専門的な学びを、より確かなものとしてゆく。まずはショートショートなどの短い物語から始め、ひとつの物語を最初から最後まで書く「成功体験」を得たうえで、徐々に長いストーリーを書けるようにチャレンジする。
辻井南青紀先生と共同で主宰する小説創作ゼミ2では、前期末に、60枚程度の短編を提出する課題を出しました。教える我々としても、果たして完成作が何本届くのか、おおいに不安視していましたが、予想は良い意味で裏切られました。ゼミ生23名、全員が締め切り厳守で提出なさいました。
驚いたのは主に2点――ひとつ目は、クオリティーの高さ。ほとんどの方が、「人生で初めて小説を書いて完成させた」とおっしゃるにもかかわらず、です。ふたつ目は、バラエティーの豊かさです。「小説創作ゼミ2」はエンターテインメント作品と看板を掲げていますが、蓋を開けてみれば、純文、歴史・時代小説、青春小説、SF、ホラー、お仕事小説からノンフィクションまで、まさに百花繚乱でした。これも、「学生ファースト」という基本方針のおかげかと、いくらか自負しています。開講時に「研究計画書」を提出していただいて教員と共有し、初期のアイデアを活かしつつ、いつまでに何をすればいいのか、相談しながら作品を完成まで導いていきます。オンラインではありますが、個人面談や、気軽にご訪問いただける「オフィスアワー」のようなツールを使いつつ、ほぼ作家と編集者のやりとりが再現できているように思いました。生徒の皆さんにとっては、他の生徒さんに自作を読んでもらい、数多くのコメントがつく仕組みもおおいに励みになったようです。
講義内容も、創作に直接リンクしています。「短編小説の書き方」といった座学もありますが、辻井先生考案の「ワークシート」製作、長編小説『悪人』の精読と討議等、ライブ(生)での作業を中心にプログラムされています。次の「特論Ⅱ」も同様で、キーワードは「よりプラクティカル(実践的)に!」です。
文芸特論Ⅱ
<科目概要>
「教科書が読めない子どもたち」という、教育専門家の新井紀子氏によるビジネス書がベストセラーになりましたが、小説についても事情は同じ。子どもに限らず、ほとんどの人が小説を読みこなせていません。当講座では、「読書メモ」の製作を入口に、「小説を書くために読むスキル」の習得を目標にします。
キーワードは、「リバースエンジニアリング」――[人称][時間軸][構成]の三点を中心に、プロの作家たちがなぜ、こういう形式を選んだのか、徹底的に解説します。読む⇒書く⇒読む⇒書く……を延々と繰り返していくことでしか、創作の道は開けません。読む精度が上がれば、それにつれて、書く精度も上がります。備忘録とも、感想文とも機能がまったく異なる「読書メモ」の製作で、作家のテクニックを盗み、他者の創作物を評価する眼力を養っていただきたいと考えます。
「文芸特論Ⅱ」では、『黒牢城』米澤穂信と『容疑者xの献身』東野圭吾を題材に、「読書メモ」を作成していただきました。「小説を書くために読むスキル」の習得が目標で、[人称][時間軸][構成]の3点を中心に、プロの作家の技術を具体的に解析していきます。
「読書メモ」とは?
タイトル・著者・刊行年月・帯に書かれている内容といった書籍の基本情報から、章立て、人称・視点、登場人物、ストーリーのポイントまで、小説を解析するための文芸領域オリジナルのワークシート。
「特論Ⅱ」では、歴史小説やミステリーをこれまで食わず嫌いで読まずにきたが、意外に楽しく読めた、といった感想が多く寄せられました。読む精度が上がれば、それにつれて、書く精度も上がります。「読書メモ」の製作で、作家のテクニックを盗み、他者の創作物を評価する眼力を養うきっかけができたように見受けます。
初年度の経験を経た来年度は、さらにいっそうプログラムの充実に取り組みたい、と考えています。
松岡弘城
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説明会情報
2023年11月29日(水)19:00~20:30
文芸領域 小説創作ゼミ特別講義
「物語創作ジャンルの近未来 ~書き手が育つ「場」の実現にむけて~」
担当(小説創作ゼミ教員):池田雄一先生、藤野可織先生、松岡弘城先生
2023年12月12日(火)19:00~20:30
文芸領域 入学説明会
担当:辻井 南青紀先生
↓説明会の参加申し込みは文芸領域ページ内「説明会情報」から!
▼京都芸術大学大学院(通信教育)webサイト 文芸領域ページ
文芸領域では入学後、以下いずれかのゼミに分かれて研究・制作を進めます。
●小説創作ゼミ
小説、エッセイ、コラム、取材記事など、広義の文芸創作について、実践的に学びます。
●クリティカル・ライティングゼミ
企画、構成、取材、ライティングから編集レイアウトまで、有効な情報発信とメディアのつくり方を実践的に学びます。
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通信制大学院文芸領域の教員による大学院での学びを紹介するブログをお届けします。文芸領域では入学後、以下いずれかのゼミに分かれて研究・制作を進めます。 小説創作ゼ…