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書画コース

2023年10月31日

【書画コース】「アーカイブ」のすすめ−汗かけ、恥かけ、日記かけ

みなさん、こんにちは。書画研究室の松岡です。金木犀の甘い香りとともにすっかり寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

少し課題に慣れてきて自分の学習のペースを掴んだ方、新たな課題に向き合う方、自分の表現に疑問や悩みを感じている方、卒業制作に向けて脳をフル回転させて制作に打ち込む方など様々かと存じます。

こうして、ブログを書いている私も3月の展覧会に向けて悪戦苦闘する日々でございます…。ともに自分を信じ、進んで行きましょう!! 

さて、今回は「アーカイブ」を取り上げます。近年よく耳にする言葉ですが、その意味とオススメする理由を私の制作記録を交えながらご紹介致します。制作に不安や悩みがある方、よりステップアップしたい方など、みなさまの一助になれば幸いです。 

 

―「アーカイブ」の意味

「アーカイブ」とは、複数のファイルを一つにまとめること・まとめたファイルのことを意味します。美術館・博物館などで、作品情報や資料をデジタル化して保管している「デジタル・アーカイブ」をご存じの方も多いのではないでしょうか。 

ここでの「アーカイブ」は、自身の制作過程を記録し保管することを意味しています。 

 

―自身の制作の変遷をアーカイブする

制作に取り組む中で発見をメモに残したり、ふり返りをされている方が多いのではないでしょうか。ですが、残念なことに人間は翌日には70%ほど忘れてしまうそうです。 

そんな時、重要になるのが自分の制作を記録すること(アーカイブ)です。 

表題の言葉は、私が影響を受けた彫刻家の中ハシ克シゲさんが制作の心構えを表した言葉です。私はこの言葉を聞いたとき、記録の重要性にハッとさせらたことを鮮明に思い出します。

まず、解説したいと思います。「汗かけ」=制作に一生懸命打ち込みなさい

「恥かけ」=恥ずかしいと感じるのは、今までにないことをしているからで、恐れてはいけない

「日記かけ」=制作の気づきや課題を正確に記録し、自分の言葉で振り返りなさい 

課題をこなしているだけではだめ、自己分析を徹底することでチャレンジできると気付かされたのを思い出します。その日に意識したこと、発見、結果に基づく分析と評価を記録し積み重ねていくことで、制作の課題や思考のパターンなどを見つけることができるようになってきます。

自己分析が進んでいけば、自分が表現する理由〈主題〉を自覚することができます。私は制作過程をアーカイブし、定期的に振り返り分析することで、多角的に制作を捉え、やるべき課題を見つけやすくなりました。 

それでは、実際に私の制作記録の一部をご紹介致します。誰かにお見せすることを想定していないものになりますので、お目汚しがございますがご容赦くださいませ。 

 

−とにかく自分に正直に書いてみる

 



こちらは私が初めて豚革に描いたときの記録です。初めての素材への不安と気付きを記録しています。はじめはうまくいかず、拙い表現で挫けそうになることしばしば。ですが、止まらないトキメキといける予感を感じたのを覚えています。

 

−複数の「自分」で評価してみる

 

次に制作を始めて3日後のひとり講評を実施し、設定した観点別に評価していきました。このときは制作の感動など情緒的な要素は入れないように意識し、設定した課題へのアプローチや結果、素材の特性と表現方法の検討など得られた事実に即して評価し、記録しています。

私は「良さをとことん見つける自分」「すべての評価に疑問を言う自分」「他の人の評価をまとめる自分」など視点の異なる複数の自分を設定し、意見を書き出していきました。他の方法としては、項目ごとに色分けした付箋に意見を書き出していく、書きにくい方は携帯電話のボイスメモを活用するなど、やりやすい方法で行うと良いでしょう。 

 

−悩みにこそ可能性がある

 



そして、時にはうまく行かず不安や悩みを素直に書き出してください。自分のための記録ですから、苦しみも吐き出してOKです。書いてみるとスッキリします。私のオススメは書いた次の日に読み返し、色違いのペンで昨日の自分への励ましのコメントを書くことです。これが他の誰の言葉よりも背中を押してくれます。

自分で自分を信じ、愛さなくてはなりません。このように記録を積み重ねていくことで、自分を発見することができます。

 今回の書画コースBLOGでは、アーカイブの方法をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。ご紹介したものはごく一部であり、一例です。今回の例を参考にご自身にあった方法を見つけていただければ幸いです。 

言葉では饒舌で美しいが、作品の質がともなっていなければ、違和感を生んでしまいます。 

作者が制作の中で紡ぎ出した言葉と作品であれば、少し拙くとも説得力が生まれます。やはり手を動かし、創る中で得られる発見は何よりも大切です。そこに創る喜びと救いがあると信じています。他人の拍手を求めるのではなく、自分自身で拍手を贈れるようにしましょう。 

ご興味ある方はぜひ試してみてください。それでは次回のブログをお楽しみに。                               寒い夜はホットココアで乾杯!

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