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通信制大学院

2023年11月01日

【通信制大学院】今、工芸デザインを学ぶということ ―松井利夫先生を迎えて―

通信制大学院工芸デザイン分野では、月1回のペースで進めているZoom授業「美術・工芸演習(工芸デザイン)」の6回目を10月7日(土)に開講しました。

「演習」は、2年目の「研究」に向けて各自の研究・制作を深めていく科目です



大学院生28人、教員はいつものメンバー、伊達伸明先生、野村春花先生、八幡。今日はさらに松井利夫先生にも加わっていただきました。

さて今日は、各自の「研究・制作計画書」を持ち寄って発表する日です。入学時にも計画書は書いていますが、それから半年を経て各自の気持ちも少しずつ変化してきました。ブラッシュアップした「研究・制作計画書」、1人2~3分のプレゼンを聞きました。




以下は、そのあとの松井先生からのコメントです。
全員のプレゼンでお腹いっぱいになりました。

多様な内容を含んでいたことが面白いし、工芸にはそれだけの可能性があることが見えました。普段は自宅でコツコツ1人で埋没して研究制作していて、1ヶ月に1度は時間を共にして全員がお互いの進捗を共有するというこのゼミの状況がなんかいいなあと思いました。できれば対面する機会をもう少し増やせればいですね。

いずれにしても遠隔と対面を組み合わせたこのハイブリット型は可能性ありますね。

さらに、たくさんのキーワードが出ました。
「工芸は産地があるから面白い。素材や生活があるから面白い」

「工芸には1人で完結する制作ではなく、複数人でつくる共同社会制作的な側面もある」

「自我から他我(松井先生の造語)へと変化してきている」

「テーマそのものは新しくなくても、置く場所によって新しいものに変わる」

「大きな歴史のなかで、工芸を何に繋げていこうとするかを考えなくてはならない」

「全員が迷っていることが大事。一期生はみんな何かわからんコースに入ってきた勇気ある人たち。混沌と勇気の中から何かが生まれる。夢想の中に創造の原点がある」

「自分はどの時代に自分の土壌があるかを知らなければならない。僕は13世紀が土壌。その上にものづくりをしているから、現代美術にはなり得ない変なものができてくる。タコツボとかね」

「工芸の歴史は勉強しよう、面白いから」

「今、工芸が重要視されている。工芸第2世代も現れている」

「そもそも民藝はカウンターカルチャーだったことを思えば、今の民藝は、古い民藝と戦わなくてはいけない」

このあと、松井先生の今開催されている展覧会の紹介の時間があり、次回の提出「修士論文の章立て」に向けてのミニ講義をし、再び松井先生に向けての質問タイムとなりました。

野村先生からは、自身の修士論文の章立てと執筆時に大切にしたことの紹介がありました。



最後に再び松井先生から
今日、こうして工芸について話していることでますます工芸には可能性があると思った。これまでの工芸の授業よりおもしろいよね。生活のことだからこそ、いつからでも誰でも始められる。芸事じゃない。硬くなった頭でもOK

ということで、本日も4時間の授業がまたたく間に終わりをむかえたという充実した時間でした。

八幡はるみ

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▼京都芸術大学大学院(通信教育)webサイト 工芸デザイン分野ページ




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