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グラフィックデザインコース

2023年12月09日

【グラフィックデザインコース】UIデザインで重要なナンバー8

こんにちは、グラフィックデザイン/情報デザインコース業務担当の清水将之です。

普段はSaaS(Software as a Service)と呼ばれるWebサービスのUIUXデザイナーとして働いています。そのため、時折、学生の方からUXやUIデザインについての質問を受けることがあります。

そこで今回は、ウェブやアプリのUIデザインを効率的にレイアウトできる8ポイントグリッドシステムを紹介しようと思います。このシステムは、8の倍数を使ってデザインレイアウトを定義する方法です。 

そもそもなぜ「8」なのか?




上の図はディスプレイの主な規格の画面アスペクト比です。

ここに出てくる数字の多くが8の倍数になっています。例えば、フルHD規格にあたる「HD 1080」を見てみると、アスペクト比は1920×1080です。この数字を8で割ると240×135になり、8の倍数だということがわかります。8の倍数を使うことで大半のスクリーンサイズにオブジェクトをフィットさせることができるのです。

最小単位を8にすると端数が出ない 


次に最小単位を8にした場合と、10にした場合を比較してみたいと思います。



一見、10の方が使い勝手が良さそうに思いますが、上の図のように端数が出てしまうことがわかります。UIデザインにおいて、この端数がでることはすこし厄介で、端数がでるとディスプレイで表示した際に、オブジェクトのエッジが滲んだようになってしまい、キレイにレイアウトできないのです。8の倍数でオブジェクトや余白、コンテンツ幅を設定してくと端数が出ないので、レイアウトがキレイに収まります。さらに、8の半分の4や中間の12を追加しても整数となり、細かいディテールへの対応もできるので大変便利な数字です。

規則性を持たせる


Dribbble                       https://dribbble.com/shots/15267254-UI-Components



8の倍数でUIを設計することは、画面レイアウトの秩序を維持しやすくなるだけでなく規則性を持たせることで、コーディングする際の実装コストが大幅に下がります。自分だけでデザインから実装までやっているのであれば問題ないのですが、エンジニアと協業するような場合、実装コストを下げることは大変重要な要素になります。 

モジュラースケーリング 


実際に余白などをより柔軟に定義する際には、8を基準にして様々なスケーリングを加えて、値を絞り込んだりします。8の倍数のままだと選択肢が多すぎるためです。マージンやパディングなどの余白だけでなく、文字サイズも様々なスケーリングで定義できます。

注意としては、文字サイズを定義する場合は8を基準にするのではなく、ベースのテキストサイズに対してモジュラースケーリングすることが一般的です。多くのブラウザで基準(ベース)にしているサイズは16pxになります。

■通常の8の倍数の場合

8px, 16px, 24px, 32px, 40px, 48px, 56px, 64px, 72px, 80px, 88px…

だいぶ選択肢が多い気がしますね。

■8を基準にフィボナッチ数列を使ってスケーリングした場合

8px, 16px, 24px, 40px, 64px, 104px, 168px, 272px, 440px, 712px …

■公差8の等差数列を用いてスケーリングした場合

8px, 16px, 24px, 32px, 40px, 72px, 112px, 184px, 296px, 480px, 776px

だいぶメリハリがついて来たのではないでしょうか。

さらに、大きなサイズに加えて、小さいサイズのバリエーションを両立させるために、調和整数に8を掛け合わせたスケーリングを適用した例が以下です。

■8を基準に調和整数を用いてモジュラースケーリングした場合

12px, 13px, 14px, 16px, 18px, 21px, 26px, 32px, 43px, 64px, 128px



見出しやタイトルなどには大きな文字サイズを用いることで強調を与えられる一方で、本文や補足テキストで必要となる小さな文字サイズのバリエーションも備えていて適度な読みやすさも保つことができます。

このように、モジュラースケーリングさせてサイズを定義することは、UIデザインにおいては重要な要素です。文字サイズを決めるのに便利なジェネレーターがありますので、様々な値を適用して自分にあったスケーリングを見つけてみてください。

 



 

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