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2023年12月26日
【ランドスケープデザインコース】都市広場をデザインする
こんにちは。業務担当非常勤の片木です。今日は「都市広場」のスクーリングの様子についてご紹介します。
本コースでは、様々なカリキュラムにより、ランドスケープデザインの基礎から応用力、計画・構想を学び実社会に直結した提案力を身に着けることができます。
本スクーリングを履修する学生は、これから卒業制作に取り組もうとする学生たち。学びの集大成となる卒業制作では、設計対象地の選定、どんな課題に対してデザインするか?といった設計条件全てを、自身の力で組み立てなければなりません。本スクーリングは、指定された課題地を自分なりに読み解き、供用後に管理を行うマネジメント体制も含めた広場デザインの在り方について、実務者である山田匡先生のご指導のもと学んでいく授業となります。
街区公園クラス(3,000㎡)の都市広場をデザインする本課題。上流は北白川エリアから続く白川が一級河川である鴨川へ、祇園四条付近で合流するエリア、祇園の繁華街が隣接する京都らしさが感じられる対象地となっています。
昨今の公園行政は、公共施設の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、効率よく賑わいを創出する「PPP/PFI制度」といった制度が主流となっており、本課題でも官民連携をイメージした都市広場の創出を図るテーマとなっています。
学生は、課題の中で、ご自身の空間イメージと重なるパートナー企業を想定しながら、デザインを進めていきます。
ひとことで都市広場と聞いて、皆さんはどのようなものをイメージしますか?広々とした空間におしゃれなベンチと雰囲気の良い樹木が配置されている。そんな都市広場をイメージするかもしれません。しかし、空間デザインの軸足となる「誰のために?何のために?」を一言で言えるような強いテーマとストーリーがないと、長く愛される公共空間には出来ません。そのためのコンセプトワークからデザインが始まります。
空間スケール、造園材料は同じであっても、対象地の立地はそこだけのものであって、同じではありません。対象地周辺の繋がり、を意識することが重要です。本スクーリングでは、対象地に隣接する「鴨川」の存在を深く知るため、京都と水の文化を研究される鈴木康久先生の講義を受けて頂きました。
鈴木先生から、鴨川は「京都市の鴨川に非ず」というコメント。京都にとって鴨川は無くてはならない存在どころか、鴨川という存在は京都市というより日本を代表する河川ではなかろうか?と印象的で、心を引き寄せる面白いお話がスタートしました。川のそばに集落が生まれ、人の暮らしに深い繋がりがある、そんな対象地の地域性を深堀りできるレクチャーでした。
次に、実務者である山田先生が手掛けられた設計案件を題材にランドスケープデザインの設計手法を学んでいきます。対象地それぞれに、作る人も違えば使う人も違う。丁寧なヒアリングと地域の読み解きからその場所に求められる空間をデザインする。対象地付近にある山がきれいに見える視点場を大切に、空間づくりをされているのが印象的でした。
卒業制作のリハーサル段階ともなれば、学生のプレゼンテーションスキルが上がり、平面図の精度も高まってきます。
先生の図面レクチャーが始まりました。空間を表現し、伝えるためのツールとして平面図があるが、平面図のみでは伝わらないもの、例えば“高さの関係”は平面図だけでは伝えられない。そうした適材適所に断面線を切り、立面・断面図を作成する必要がある。広葉樹ならこう、既存の針葉樹ならこのくらいといったように、先生が描く線を手の動きを見ながら、図面作成テクニックを学んでいきます。実社会ではAutoCADといったソフトでの表現が主流となりますが、手書きによる表現力を習得しなければPCで描くことはできません。
学生は、事前課題にて作成したラフな平面図をもとに、1日目のスクーリング時間内に、レクチャー受講、講師の個別指導(エスキスチェック)、ブラッシュアップを経て、2日目にA3用紙2枚に必要図面とコンセプトダイヤグラムを表現して、プレゼンテーション・講評に臨みます。
プレゼンテーションは短い時間ながら、広場の世界観をご自身の想いに重ねて発表されていました。設計者である学生さんのパーソナリティが作品ににじみ出ています。山田先生の講評だけでなく、学生間で質問を投げ合い、活発なコミュニケーションが図れることも、対面によるスクーリングの特徴です。
現在では、オンラインによるハイブリット授業も運営していますので、京都、東京のキャンパスへの通学が叶わない学生でも、「都市広場」の受講が可能です。
ご自身のランドスケープに対する興味や想いをデザインによって表現してみませんか。
オンライン入学説明会開催中(1月~3月毎月/コース別)
ランドスケープデザインコース| 学科・コース紹介
本コースでは、様々なカリキュラムにより、ランドスケープデザインの基礎から応用力、計画・構想を学び実社会に直結した提案力を身に着けることができます。
本スクーリングを履修する学生は、これから卒業制作に取り組もうとする学生たち。学びの集大成となる卒業制作では、設計対象地の選定、どんな課題に対してデザインするか?といった設計条件全てを、自身の力で組み立てなければなりません。本スクーリングは、指定された課題地を自分なりに読み解き、供用後に管理を行うマネジメント体制も含めた広場デザインの在り方について、実務者である山田匡先生のご指導のもと学んでいく授業となります。
街区公園クラス(3,000㎡)の都市広場をデザインする本課題。上流は北白川エリアから続く白川が一級河川である鴨川へ、祇園四条付近で合流するエリア、祇園の繁華街が隣接する京都らしさが感じられる対象地となっています。
昨今の公園行政は、公共施設の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、効率よく賑わいを創出する「PPP/PFI制度」といった制度が主流となっており、本課題でも官民連携をイメージした都市広場の創出を図るテーマとなっています。
学生は、課題の中で、ご自身の空間イメージと重なるパートナー企業を想定しながら、デザインを進めていきます。
誰のために、何のために?
ひとことで都市広場と聞いて、皆さんはどのようなものをイメージしますか?広々とした空間におしゃれなベンチと雰囲気の良い樹木が配置されている。そんな都市広場をイメージするかもしれません。しかし、空間デザインの軸足となる「誰のために?何のために?」を一言で言えるような強いテーマとストーリーがないと、長く愛される公共空間には出来ません。そのためのコンセプトワークからデザインが始まります。
地域性って何?
空間スケール、造園材料は同じであっても、対象地の立地はそこだけのものであって、同じではありません。対象地周辺の繋がり、を意識することが重要です。本スクーリングでは、対象地に隣接する「鴨川」の存在を深く知るため、京都と水の文化を研究される鈴木康久先生の講義を受けて頂きました。
鈴木先生から、鴨川は「京都市の鴨川に非ず」というコメント。京都にとって鴨川は無くてはならない存在どころか、鴨川という存在は京都市というより日本を代表する河川ではなかろうか?と印象的で、心を引き寄せる面白いお話がスタートしました。川のそばに集落が生まれ、人の暮らしに深い繋がりがある、そんな対象地の地域性を深堀りできるレクチャーでした。
公共空間をデザインするということ
次に、実務者である山田先生が手掛けられた設計案件を題材にランドスケープデザインの設計手法を学んでいきます。対象地それぞれに、作る人も違えば使う人も違う。丁寧なヒアリングと地域の読み解きからその場所に求められる空間をデザインする。対象地付近にある山がきれいに見える視点場を大切に、空間づくりをされているのが印象的でした。
ドローイングテクニック
卒業制作のリハーサル段階ともなれば、学生のプレゼンテーションスキルが上がり、平面図の精度も高まってきます。
先生の図面レクチャーが始まりました。空間を表現し、伝えるためのツールとして平面図があるが、平面図のみでは伝わらないもの、例えば“高さの関係”は平面図だけでは伝えられない。そうした適材適所に断面線を切り、立面・断面図を作成する必要がある。広葉樹ならこう、既存の針葉樹ならこのくらいといったように、先生が描く線を手の動きを見ながら、図面作成テクニックを学んでいきます。実社会ではAutoCADといったソフトでの表現が主流となりますが、手書きによる表現力を習得しなければPCで描くことはできません。
事前課題~エスキス~ブラッシュアップ~プレゼンテーション・講評
学生は、事前課題にて作成したラフな平面図をもとに、1日目のスクーリング時間内に、レクチャー受講、講師の個別指導(エスキスチェック)、ブラッシュアップを経て、2日目にA3用紙2枚に必要図面とコンセプトダイヤグラムを表現して、プレゼンテーション・講評に臨みます。
プレゼンテーションは短い時間ながら、広場の世界観をご自身の想いに重ねて発表されていました。設計者である学生さんのパーソナリティが作品ににじみ出ています。山田先生の講評だけでなく、学生間で質問を投げ合い、活発なコミュニケーションが図れることも、対面によるスクーリングの特徴です。
現在では、オンラインによるハイブリット授業も運営していますので、京都、東京のキャンパスへの通学が叶わない学生でも、「都市広場」の受講が可能です。
ご自身のランドスケープに対する興味や想いをデザインによって表現してみませんか。
オンライン入学説明会開催中(1月~3月毎月/コース別)
ランドスケープデザインコース| 学科・コース紹介
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