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グラフィックデザインコース

2024年04月24日

【グラフィックデザインコース】とある卒業生の転職物語−大学でデザインを学ぶということ−

こんにちは!業務担当非常勤講師の畠山です。

 2024年度が始まりました。今年度入学された学生のみなさま、ご入学おめでとうございます。授業や各コミュニティでお会いできることが楽しみです!

 みなさんさまざまな思いでご入学されたことと思います。大学でデザインを学ぶということは、どういうことなのでしょうか?また、その学びの先にどんな可能性が拓けるでしょうか。もちろんみなさんそれぞれに目的やその答えがあると思います。僕も本学に2011年に入学し、20173月に卒業しています。今回は僭越ながら僕が本校を卒業後、その学びを活かしてどのように人生を変えたか、実体験を交えながら少しだけお話しさせていただければと思います。
入学検討中の方も、是非参考にしていただければと思います。

 在学中はデザインの仕事をしていたわけではなく、国家公務員として国土交通省に勤めていました。卒業して1年後に広告会社へ転職したのですが、実は卒業自体がきっかけではありません。情報デザインの学びによる思考の変化、そして卒業制作が僕を引っ張ってくれたことにあるのです。

なぜ転職を決めたのか?

 もともと転職がしたくて入学したところはあったのですが、デザインを学んでいくなかで視野が広がり、自分の職場を見つめ直していくと、転職だけが自分の選択じゃないなと思い直していました。自分の新しいチカラで、この職場や国民のみなさまとのコミュニケーションを豊かにできるのではと考えたのです。しかし、卒業の半年後、卒業制作が実際に仙台空港のイベントで採用されたことが決定打となりました。卒業制作《エアトレカ》の仙台空港バージョンは用意した500セットが開始2時間で配布終了となり、作品の目的であった航空行政と住民の新しいコミュニケーションが実現したことにあります。たくさんの親子が航空の話をしてくれて、あまりにそれが楽しく、うれしかったんです。6年間の学びの集大成が、こうして社会に役立つこと。そして自分にとってこの喜びこそが、今後の人生で優先すべきことなのでは?と考えました。当時、公務員に所属したままではそういった新しい仕事を創り出す活動に制限があったため、転職を決めました。それも6年間、転職や今の職場に対して何度も向き合ってきた上での決断だったので、迷いも後悔もありませんでした。



2017年仙台空港祭 空の日にて、卒業制作「エアトレカ」を配布



 

卒業制作という武器

 転職にあたり、当然ポートフォリオを作るわけですが、当時どこの企業さんも注目していただいたのはこの卒業制作でした。一つの社会問題に向けて、人に伝わる、人を動かす装置であったこと。そしてそれを一度でも実現させたところを見ていただいたようです。ただデザインの知識を得ることや、かっこよく作れるようになることではなく、それらを駆使して、どのようにコミュニケーションを実現するのか?この視点に気づけたことで、大学での学びを深めることができました。卒業制作は、自身の向き合い方ひとつで大きく変わるものだと思っています。卒業後の道標となるポテンシャルがあるので、ぜひ、全力で取り組んで欲しいです。

(昨年度の卒業制作に関しては、このブログのバックナンバーにも紹介されているので、ぜひご覧ください!)

大学でのデザインの学び

 大学でデザインを学ぶということは、単なるスキル向上やデザイナーとしてのテクニックのみを学ぶことではありません。ここに気づくかどうかで、学びの幅は大きく変わると考えています。僕が大学での学びで得たものは何か?それは「自己実現に向けた自身の編集力の向上」です。かっこつけて言えば、自分の未来を切り拓くチカラです。とはいえ、僕自身まだまだ未熟者で精進せねばなりません。この春、本学の大学院に入学しました。今後は自分の専門性を高め、自己実現に留まらず社会を変えたいと願うようになったためです。本学は学部だけでなく大学院もどんどん充実してきているので、更なる進学を視野に入れながら学習することもできますね。

 ここまで、卒業制作や転職に関してお話させていただきました。最後に一つ、大切だと思うポイントをお話しします。それは、「やりたいことに正直になる!」ことです。

 それは、あなたにとって本当に楽しいこと、やりたいことなのか?特別なことじゃなくてもいいんです。日頃好きでやっていることや、気になっていること、人、物、場所…課題でしばしば求められる独自の視点もこういったところからヒントを得ることがあります。そしてそれがやがて自分の人生を変えるかもしれません。

それでは、またお会いしましょう!

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