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2024年05月09日
【建築デザインコース】建築初心者向けの読書案内

こんにちは。建築デザインコースの吉池です。
新学期が始まり、新しく勉強や仕事などにチャレンジする方も多いと思います。
今回は建築に興味を持ち始めた方や建築を学び始めた方向けに建築を楽しむための本の紹介をしたいと思います。
では早速、初めはみなさんにとって身近な住宅から建築について考えてみましょう。
・「日本の建築家の住宅ってどう住んでいるのだろう?」
『建築家のすまいぶり』/中村好文/2013.02./X-Knowledge
こちらの本は建築家中村好文さんの可愛らしく、わくわくするスケッチから、建築家の設計した住宅の住まい方をじっくりと読み込めるという良書です。住んでしばらくした後の住宅の様子も写真で多く載っているので、建築家のデザインが実際の暮らしの中でどのような効果を発揮するのかよくわかります。
・「建築家はどんな工夫をして住宅を設計するのだろう?」
『宮脇檀の住宅設計テキスト』/ 宮脇檀建築研究室/1993.07./ 丸善出版
建築家宮脇檀さんの手がけた様々な住宅の図面から、具体的にどのような設計の工夫を取り入れたのか、住宅のデザインにおけるレシピのような設計のポイントがまとまっています。どうしても普段は間取り図で建築を捉えてしまいがちですが、立体的、身体的な工夫を取り入れると空間は面白くなっていきます。宮脇檀さんの本はどれもわかりやすいので、ぜひ何冊か手にとってみてください。
・「海外にはどんな建築家の住宅があるのだろう?」
『世界で一番美しい名作住宅の解剖図鑑』/中山繁信、松下希和、伊藤茉莉子、齋藤玲香/2022.12./ X-Knowledge
ここまで日本の住宅を紹介したので、海外の名作住宅の解説本も紹介しようと思います。各国の気候や時代背景の中で世界の住宅建築デザインはどのように変化したのでしょうか?まずは豊富なイラストからどんな空間の住宅なのか想像しながらページをめくってみましょう。
・「東京の街にはどのような特徴があるのだろう?」
『アースダイバー』/中沢新一/2005.06./講談社
建築は土地と関係しないで建つことはありません。建築を建てる敷地はどのような歴史や文化を持つ土地なのか、必ず考える必要があります。この本では東京を舞台に土地(アース)に潜り込む(ダイビング)して、街の面白さを明らかにしていきます。
・「日本に昔から伝わる空間とはどのようなものだろう?」
『陰翳礼讃』/文:谷崎潤一郎 写真:大川裕弘/2018.01./ PIE International
文豪・谷崎潤一郎が1933に書いた文章に写真をつけたフォトブックです。日本的な空間は現在失われてきているのかもしれませんが、みなさんの感覚の中には確実に根付いているのではないでしょうか。暗さの中の質感など、現代でもデザインに取り入れたくなるヒントがたくさん詰まった本です。
・「世界の様々な風土に建築はどう応えてきたのだろう?」
『集落の教え100』/原広司/1998.03./ 彰国社
建築家原広司が世界中の集落を巡って、その特徴をまとめた本です。建築家の設計した建築だけでなく、その土地で自然にできた土着的な建築からも学ぶことがたくさんあります。このような建築家なしの建築では土地の風土や村のコミュニティのあり方がそのまま建築の形や使い方に反映されています。風土に対する建築の呼応の仕方について色々学びつつ、世界中を旅するような気持ちになれる本です。
・「世界中の窓によってどんなふるまいが生まれるのだろう?」
『Window Scape』/東京工業大学 塚本由晴研究室/2010.10./フィルムアート社
こちらの本は世界中の素敵な建築の窓を巡る本です。窓という建築の部位に着目し、光や風の取り入れ方、窓辺の使い方(座る、寝そべる、売るなど)を収集しています。窓は建築の一部ですが、そのデザインを工夫することでゆったりしたり、集まったりなど人のふるまいを作り出すことができます。
・「建築家はどんなことを考えて設計しているのだろう?」
『負ける建築』/隈研吾/2019.11./岩波書店
ここまで絵の多い本を紹介したので、読みやすい文章メインの本も紹介します。世界的な建築家隈研吾の設計論です。わからない作品や単語は調べながら読み進めると建築の言葉や歴史に段々慣れていくことができます。
・「建築家はどのように新しい美術館をつくっていくのだろう?」
『美術館をめぐる対話』/西沢立衛/2010.10./集英社新書
金沢21世紀美術館を設計したSANAAの西沢立衛さんが様々な建築家・アーティストなどと美術館のあり方や意義について対談している新書です。青森県立美術館を設計した青木淳さんとの対談もあります。美術館が好きな方はぜひこの本から建築家の考えていることについて学び始めてみてください。
ここまで建築初心者の方にも読みやすい本を紹介してみました。この他にも古い本で良い本も多いので、図書館なども活用し、気になる本を手に取ってみることをお勧めします!
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