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建築デザインコース

2018年06月04日

【建築デザインコース】環境をかたちにする

みなさん、こんにちは!通信教育部、建築デザインコースです。
5月26日(土)と27日(日)、京都瓜生山キャンパスでは2年次スクーリング科目である、環境デザイン[建築]III-2環境1「環境をかたちにする_住宅編」の授業が行なわれました。

1年次、課題を通して、建築の基礎的な技術と考え方を身につけた学生の皆さんは、環境に配慮した住宅設計を数多く手掛けられている豊田 保之先生の指導の下、アトリエ兼住宅の設計に取り組みました。

01オーナーである芸術家の設定は、アンディーゴールドワーシー。屋外の自然の中に、自然素材を用いた作品で有名です。日本に一人住まいの100平米程度の住宅がほしいという設定です。

敷地は
上富良野(北海道):寒冷地
熊谷(埼玉県):猛暑
高田(新潟県):豪雪地帯
石垣島(沖縄県):台風、猛暑
室戸岬(高知県):暴風地域
屋久島(鹿児島県):多雨地域
軽井沢(長野県):湿潤気候
京都市(京都府):盆地
といった環境的特色の強い場所から一つを選択します。

02環境について知り、その地域の伝統的な住宅の形式を研究しながら、その住宅が、なぜそのような形になったのかを知ることから始まります。今回設計する住宅も、その場所の環境を考慮して、屋根形状、壁や床といった構造形式、外壁や内装の在り方に反映し、住宅の形に落とし込むという課題です。伝統的な方法を継承しても真摯に住宅を設計しても良いですし、学生らしく新しい斬新なアイデアを盛り込んでも構いません。

光や風のスタディに関する説明や各地域の建築作品の実例紹介の講義があり、事前課題のエスキースチェックのあと、2日間で住宅を完成させます。コンセプトやアイデアを実現させるための建築的な図式を決め、実際の建築として落とし込み、図面を作成しなければなりません。1日目に建築がまとまれば、2日目には図面作成とプレゼンテーションに取り組みます。図面の色付けやハッチといったプレゼンテーション、パースや模型の作成をするために、皆さん時間を惜しんで作業します。

032日目の4講時には作品を完成させ、5講時は講評会です。まずは4-5人のグループになり、グループの中で順番にそれぞれの作品を説明、質疑、そして講評を行いました。

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06グループの中で自分の気に入った作品に付箋をはって、より票を得た案は、全体で改めて発表となりました。

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08この作品は、軽井沢の家。アトリエ部分を吹抜けにして、南面からの光を十分に取り込んでいます。卓越風である東北の風を取り込みやすい平面計画をしており、屋根勾配が蓄熱された熱の流れを2階部分の住宅部分に引き込むように勾配を作っています。


09北海道富良野の住宅。高緯度の地域で日照が少ないため、水平方向の光を取り込めるように、雪の結晶をモチーフにして平面を地平線に向けて広がるようなかたちをした住宅。雪に反射した光も取り込みます。


10屋久島の住宅。屋久杉の間伐材を用いてできた120角の集成材の柱を2重に回して作られた壁によって支えられた住宅。120角の柱を半分ずつずらして配置し、木の収縮にも対応しています。断熱性のある壁型の涼しい住宅の提案です。


11室戸岬の住宅。風の強い地域の風を、広く開けた開口部から住宅の中で循環させ、地中を通して年中安定した気温を内部空間にとりこみます。パッシブデザインで、風の通り道から住宅の形が決定しています。

様々な環境のもとで、異なる設計者によって提案される住宅に、ひとつの正解はなく、学生さん一人一人の住宅が、それぞれの魅力をもった作品になりました。すべての作品を紹介したいくらいですが、ここでは以上にしておきます。

2年次の課題でしたが、すこしずつ建築のエッセンスが分かってきた学生さんの今後の成長が楽しみです!

これを読まれた皆さんも、ある地域の中での住宅の在り方について想像をめぐらし、環境をかたちにするとはどういうことか考えてみて下さい。

 

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