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空間演出デザインコース

2024年08月07日

【空間演出デザインコース】模型の基礎を学ぶ!「モデル·メイキング」

こんにちは。

空間演出デザインコース(空デ)研究室の森明子です。

 

突然ですが・・・

ある授業の教室に現れた、この空き地だらけのスペース。

一体何でしょう。 

道路に囲まれた敷地。よく見ると、人物の模型もありますね。



こちらは、空デの1年次スクーリング科目「モデル・メイキング」の教室です。

 

「モデル・メイキング」は、模型制作の基礎を学ぶ授業。

2日間のスクーリングの中で、任意の敷地に自分でテーマを決めて建物を設計し、50分の1のスケールで建築模型を制作します。

そして、受講生たち全員で、空デザみんなが暮らす『KUDE TOWN』をつくるというのが課題です。

 

京都芸術大学通信教育課程では、このように週末に実際に大学へ通って、リアルタイムで受講してただく「スクーリング」という科目があります。

(多くの科目がZoomによる遠隔授業も行われていて、ご自宅でも受講可能です。)

週末芸大に興味を持ってくださっている皆さん、そして、実際に入学された皆さんも、「スクーリング」の授業を楽しみにされている方が多いと聞きます。

では、実際に京都キャンパスで開講された「モデル·メイキング」のスクーリングの様子をのぞいてみましょう。

実際に手を動かして考える


KUDE TOWN』に、自由な発想で建物をつくる。

さて、どのようなテーマ、どのような外観、どのような間取りにするか···

事前課題の時点である程度の構想を考えてもらっているので、まずはそのイメージをもとに模型を作り始めます。

ただ、図面通りのパーツを、最初から接着していくわけではありません。

 

仮留めして形状や寸法を確認したり、簡単な材料で立体に起こしてみて、いろいろな角度からその空間を検討したり。

立体にしてみると、屋根の形はどうか、窓はどこに開けたらよいか、階段はどの位置にあれば無理がないかなど、具体的に空間が見えてくるのです。 

建物の形や窓の開け方など、何バージョンかの模型を試しているようですね。



これは「エスキス」と呼ばれる段階になりますが、こうやって実物を見比べながら検討したり、何度も作り変えたりできることが、模型による空間構想の醍醐味とも言えます。

 

製図や模型制作に使う道具たち。スクーリングに必要なものは各自で持参します。



1年次のスクーリング科目なので、実は、模型制作は初めてという方がほとんど。

模型の材料には主にスチレンボードを使用しますが、そういった素材やいろいろな道具類も、空デに入学して初めて目にする方が少なくありません。

この授業では、スチレンボードの切り方や接着の仕方、そして、模型制作に必要な道具の使い方なども、先生からレクチャーを受けることができます。

細かい作業もあるので、説明時には、先生の手元がスクリーンに映し出されます。


50分の1スケールでの模型表現


今回の授業では、2mmや5mmなど厚みの異なるスチレンボードを使い分けています。

例えば、50分の1の模型の世界では、1mmの差が5cmの差ということになります。テーブルを作るとしても、厚みが5cmの天板なのか、10cmの天板なのかでは、実際ではだいぶ違いますよね。

また、模型の表現では、伝えたいことを分かりやすく表せるように、部分的に色をつけたり、木材などの違う素材を使用したりすることもあります。

身の回りの思わぬ素材が模型材料として使えることもあるので、より50分の1の世界を自然に表現できるように、材料になりそうなものを探しておくと面白そうですね。 

かすみ草は、ほどよい大きさに切ると、庭木などの表現に使えます。



個別制作に入っても、適宜、先生と面談する時間があります。

それぞれが考えているテーマに合わせて、より良くするためのヒントをもらったり、制作技法のアドバイスをもらったりしながら、自分のデザインする空間とじっくり向き合う2日間になります。

試行錯誤の痕跡が見える机上。がんばれ!でも刃物を使うので、怪我だけは注意!



2日目にもなると、みなさん黙々と作業に集中。時間との勝負です。



だんだんと仕上がってきましたね。丁寧さも求められる作業です。


KUDE TOWN 』ついに完成!


さぁ、2日目の授業も終盤になり、受講生の作品が続々と並び始めました。

いよいよ合評の時間です。

自分の作品への講評をもらえたり、他の受講生たちの作品を見たりします。



先生から直接コメントをもらうのはちょっと緊張するかもしれませんが、この時間こそ、スクーリングの最大の学び。

自分の作品だけでなく、他の受講生の作品やそれについての講評からも、たくさんの気づきを得ることができますよ。

(作品への講評や鑑賞の仕方は、その時々の授業でさまざまな形態があります。)



今回は『KUDE TOWN』の中の一つの建物をつくるという設定でしたので、

自邸を制作した方もいれば、カフェやギャラリー、図書館、コンサートホールなど、この街にあったら良いなと思うものをテーマとして制作された方もおられました。

また、こうやって街の敷地に並べてみると実感できますが、

大きな道路にどう面しているか、どの方位にどの部屋を配置するか、お隣さんとの関係性は?といった周辺環境も、空間設計に大きく影響していくことが分かります。

実際の現場では、そのような敷地の周囲の状況や建築条件はとても大切な要素ですよね。

むしろ、それらを確認して初めて、デザインが始まるのではないでしょうか。

建物そのものの設計はもちろん、そこで生まれる活動や、人と人とのつながりをリアルに想像していくことも、模型制作を通して考える時間となりました。

このように、より実感を持てるデザインを学べる点が、この課題の興味深いところですね。

 

作品の写真撮影も忘れずに。



制作した作品は、受講生それぞれが持ち帰るので、

今回の『KUDE TOWN』は一期一会。

2日間を共にした学友たちとも、他のスクーリングでまた会える日まで、しばしのさよならです。

では、次回のスクーリング紹介もお楽しみに!

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