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陶芸コース

2024年09月19日

【陶芸コース】スタジオってどんな場所?

こんにちは。陶芸コース業務担当非常勤講師の戸矢万葉(とや まは)です。
今年も下半期から2ヶ月が過ぎようとしており、暑さが少しだけ穏やかになったような気がします。

今回のブログでは、制作現場をお届けします。
自分が制作しやすい環境をいかにつくるかで、アイデア段階から出来上がるもの自体が影響を受けるほど作家にとっては大事な場所です。私は大学でも制作に入る前段階として、環境整備をして制作に取り組んでいました。それは、陶芸コースで学んでいく上でも、必要なことだと思います。
(冒頭にある写真は、棚の上にお気に入りの珈琲道具セットやドイツの小さなガラスコップ、インドネシアで購入したコーヒカップなどが並んでいます。) 

大学生のときから、壁にはアイデアノートやドローイングを貼るほかに、お気に入りの展覧会のフライヤーや好きな作家の印刷物をたくさん貼って、モチベーションをあげたりしていました。今のスタジオもその当時と変わりませんが、窓辺には本やいろんな国の小さなオブジェや古い道具が並んでいます。

またスタジオをつくる時に参考にしたのは、大学教授のスタジオや作家の先輩方、Casa BRUTUSという雑誌のインテリアや住居特集などを参考にしていました。

こちらは、つい最近ゲットした小さめの引き出し付き土練作業台。大学やレジデンス施設(国内外にある滞在制作ができる施設)にあるものは、私のスタジオには大きすぎて、ミニマムなものを3年ほど探していました。天板のサイズも1m程度で使いやすいです。陶芸コースの遠隔授業では、このくらいのスペースがあると十分に制作できます。キッチンやリビングなどのテーブルを使い、受講されている方も多いです。隣にある緑の椅子は、昔、小学校の保健室で使われていたものを3脚譲り受けました。天板にクッション性があるだけではなく、クルクルと回るのです!
長時間の仕事で、腰を痛めることもあるのですが、この椅子のおかげで集中できます。
陶芸コースの対面授業でもみなさん、腰を痛めないように大学にある丸椅子に合うクッションを持ってこられている方をよく見かけます。

スタジオ環境のひとつでもある道具は、自作のもの(写真右側は木箱から切り出しました)から海外で購入したものまで、さまざまなものを作品によって使い分けています。写真の下にあるものは韓国で、上にあるものは何度も訪れた中国・景徳鎮で購入したものです。

道具と原料が入っている棚も同じく昔の小学校で使われていた理科室の薬品棚を再利用しています。蚤の市などを利用して、「これはスタジオや制作に使えそうだ!」というものを発見してはせっせとスタジオに運んでいます。みなさんも制作を進めていく中で、陶芸ショップ以外の場所や想像力をフル活用すると、使える道具やスタジオ整備に役立つものが転がっているかもしれませんね。

こちらは大きな作品の制作や窯場へ作品を運ぶときに使うお気に入りの機械ハンドリフター君です。なんと!350kgまで持ち上げられる優れものです。油圧式で、高さが130cmまでテーブル部分が持ち上がるのです。重たい作品や大きな作品を窯に詰めるとき、天蓋が開くタイプの窯の高さまでテーブル部分を合わせることができます。これがあると一人でも窯詰めができ、大変便利で重宝しています….

私の学生時代のスタジオには、もっと大きなものがあげられる機械があったのですが、今いるスタジオにはリフトの脚が長すぎて、「これはスタジオに入らないぞ…」と思い至り、先輩から教えてもらったものです。

みなさんも入学から卒業、またはその後にスタジオをつくられる方もいると思います。自分の好きなものや悩んで買ったもの、自作でコツコツとつくったものに囲まれ制作をすると、とても幸せな気持ちになります。スタジオコンセプトを持つことも大事かなと感じています。そして、スタジオはまさに、作家の脳内(脳みそ?)ともいえる場所です。

私のスタジオは嬉しいことに、国内外の作家の友人たちが遊びにきては何かをつくり置いていくので、目も楽しい場所です。(しかし、段々狭くなる現実もあります…)

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

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