入学選考料 | 20,000円 |
---|---|
入学金 | 30,000円 |
保険料 | 140円 |
授業料 | 327,000円 × 4年間 = 1,308,000円 |
卒業までの合計金額の目安(4年間) |
入学選考料 | 20,000円 |
---|---|
入学金 | 30,000円 |
保険料 | 140円 |
授業料 | 327,000円 × 2年間 = 654,000円 |
卒業までの合計金額の目安(2年間) |
美術科
CERAMICS ARTS
陶芸の地・京都で、さまざまな技法を総合的、かつ専門的に習得。
器からインテリア、オブジェまで、日常の生活に潤いを与える陶芸作品の創造をめざします。
ろくろ、石膏型、手びねり、タタラなどの成形技法、上絵などの加飾技法を習得し、表現力を身につけます。
技術を習得するだけでなく、土をこね、窯へ入れ、焼きあがりを見ることで、土や火の発する「声」を体感。そこで磨いた感性を、器から大型のオブジェまで、幅広い作品にしあげます。また、窯による焼成の違いもキャンパス内で学べます。
初心者でも取り組める基礎造形にはじまり、窯焚きや釉薬の専門的知識まで幅広く習得。また、技術だけでなくものづくりの考え方までを学び、本物の焼き物の世界に深くふれることができます。
電気窯・ガス窯など、タイプが違う窯での焼成を、キャンパス内で学習できます。
入学選考料 | 20,000円 |
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入学金 | 30,000円 |
保険料 | 140円 |
授業料 | 327,000円 × 4年間 = 1,308,000円 |
卒業までの合計金額の目安(4年間) |
入学選考料 | 20,000円 |
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入学金 | 30,000円 |
保険料 | 140円 |
授業料 | 327,000円 × 2年間 = 654,000円 |
卒業までの合計金額の目安(2年間) |
大学、短期大学、専門学校等をすでに卒業している方は、京都芸術大学通信教育部(大学)陶芸コースに3年次編入学ができるため、最短2年間で専門分野の基礎を身に付けられます。大学入学から大学院修了まで、最短4年間で学ぶことができます。
また、通信教育部卒業生は大学院入学時に入学金10万円が免除されます。
書類審査
(大学等の卒業証明書など)
最短2年
3年次編入学の出願資格に
該当しない方は最短4年(1年次入学)
通信教育部
陶芸コース
書類審査
(指定提出物など)
最短2年
大学院
美術・工芸領域 工芸デザイン分野
ギャラリーまで確保していたグループ展が、コロナの影響で延期に。「来年まで開催が延びたぶん、いっぱい制作することに。いまは掻き落としの花器に取り組んでいます」。
窯から出てくる直前まで、それは「悩みのタネ」だった。もともと初心者だった土岡さんを一年間、悩ませつづけた卒業制作。本コースに来るまでは、そんな創作の苦しみどころか、土にふれた経験すらなかった。自宅で制作中に土が割れて途方にくれ、メールで先生に救いを求めたテキスト科目。人生初のろくろに振りまわされ、最後の最後でなんとか仕上げたスクーリング。未経験ゆえの苦労は数えきれないが、少しずつ、手の中の土が思うようになっていくことに、かつてない気持ちの高まりを感じた。「とにかく毎日、土にふれない日はありませんでした。ふれるのが安らぎでもあったし」。けれど卒業制作だけは、そんな安らぎさえも吹き飛んでしまう、苦悩の連続だったという。
「いま振り返ると、背伸びしすぎていたんでしょうね」。大好きな小説をテーマにしたものの、実体験とはかけ離れた世界を、どうしても上手くかたちにできない。「ちょうど私生活でも心配ごとがあって、家族にきつく当たってしまい、そんな自分にも嫌気がさして」。中間発表が迫るなか、夜中まで思い詰めて、ふと気づいた。「私にはタネがある」。ずっと好きで集めていた植物の種子、何度かモチーフにしていたのに、あまりにも身近で忘れていたのだ。「いまのトゲトゲした自分や、その殻を破りたいという想いを、ありのまま表現してみよう」。新しいテーマに力を得て、醜い殻に包まれた美しい実を、丹精込めてつくりあげていった土岡さん。焼成で窯から出てきたその姿を見て、考えが180度変わってしまった。「トゲを立てたその殻さえ、懸命に私の成長を守る、愛おしいものとして感じられたんです」。そんな想いを映すように、彩色を変え、名前を変えた作品は、自己最高の評価をもらえた。「一年かけて取り組んだからこそ、ここまで突き詰めることができました」。卒業制作「希望のタネ」は、これからも、土岡さんの中で育ちつづける。
学友たちと立ち上げた「土詩」という陶芸グループで、卒業後にグループ展を開催。「自身の活動としては、地元の山土や灰をつかった陶土・釉薬にこだわり、今後もオブジェや器などの作品をつくりつづけたいです」。
「自分の手のあとがかたちになる、その感覚がいいなと」。本コースの体験授業で初めて真剣に陶土にふれ、入学を決めた井上さん。元々ものづくりが好きで開発職に就いたものの、年齢とともに立場が変わり、現場からは遠ざかっていた。「どうせなら理論も含めて本格的に教わろう」と陶芸教室よりも大学を選び、手びねり、タタラ、型、ろくろといった基本技法を一から学ぶことに。「もちろん窯などないので、課題はすべて大学に送って焼いてもらいました」。焼成された作品を初めて受け取ったときは、「こんなに縮むんだ」とびっくり。また、先生の鋭い添削指導にも驚かされたという。
「本当に、対象物をよく見ましたか?」。たまたま身近にあった筍を題材にした課題で、先生に痛いところを突かれ、人生で最も真剣に筍を観察。すると、思わぬ造形の法則や美しさが見えてきて、一気に惹きつけられた。「以来、ずっと筍だけをモチーフに」。藝術学舎での木彫など、土以外の素材による制作も大いに役立ったという。「振り返ると、大学で経験したすべてが、卒業制作のためのトライアルだった気がします」。キャンパス内の土を焼成する授業で開発者魂に火が付き、「土からつくりたい」と一念発起。地元の土や灰を用いて試行錯誤をくり返し、陶土も釉薬もオリジナルの作品を完成させた。「無謀な挑戦にも助言をくださり、温かく見守ってくださった先生方に感謝しています」。スクーリングでは、多彩な学友たちと「芸術とは」といった話を真剣に議論するのも楽しみだったという井上さん。「卒業してわかったのは、制約のある課題より、何をしても自由な方が制作は難しい、ということ」。だが、難しさは喜びでもある。「ここからが、芸術」。大学とは、そのための手法を身につける場所。そこでさまざまな養分を吸収した井上さんの土は、まさにこれから、天にのびあがろうとしている。
現在は、在学中お世話になった方に贈る、日常の食器や花器を制作中。「以前はあまり考えなかった、使う人の気持ちを思いつつ、自分らしさを出したいです」。
「何しに行くんだ」と冷やかす周囲に「俺が行きたいんだ、好きにさせてくれ」と言い返し、北海道から入学した川本さん。本学を開設時から知り、趣味の陶芸を学び直したい、と思いつづけていた。「入学して、これこそ大学でやれることだと感じました」。石膏、たたらなどの多様な技法に、焼成や釉薬の本格的な探求。「何よりも、先生が苦心して培った自らの手技を、惜しげもなく見せてもらえる」。貴重なスクーリングだからこそ大切にしたいと、いつも教室に一番乗りする川本さんだったが、途中には苦悩もあった。
「自分の入院や家族の事情で学びが途切れ、一時はあきらめようかと思ったんです」。その胸中をふと先生に語ると、「いったん制作の手を止めることで、見えなかったものが見え、できなかったことができることもある」と自らの体験を語ってくれた。「嬉しかったですね。こんな一介の学生も、先生は作り手仲間として接してくれる」。作り手として向き合うからこそ、深い考えを求められ、ときに厳しく評価される。「ただ漫然と作ってきた気持ちをリセットされました」。そして卒業制作、川本さんが生みだしたのは、115㎏もの土を使った氷塊。「北海道の冬の厳しさを表現しました」。冬は5月まで土が凍って制作できない。天候が荒れるたび飛行機は止まる。巨大な氷塊は、北海道と京都の遠さ。辺境の地で抱いてきた、都への反発。しかしよく見ると、その内側にはトンネルが。「来るたびに、大学が、京都が好きになってきたんです。遠くても、想いがあればつながりあえる。全国に大切な友だちができました」。長年、公務員として四角四面な業務をこなしてきた川本さん、本学で初めて、自由に発想し、つくる喜びを学んだという。「自分が教わったことを少しでも周りに伝えたい」と、自宅をギャラリーとして開放。地元に作陶の輪を広げている。「こんなおかしな作品を見て、自分も好きなことやっていいんだ、と思ってくれたら幸いです」と破顔一笑。北海の厳しさを知る氷塊は、大海原の自由のすばらしさも知っている。
同級生の立ちあげた学習会で、授業とは別に備前や益子へ。先生が紹介や参加をしてくださることも。そんな学友や先生とのつながりが、卒業しても終わらないのがうれしいです。
島崎さんと陶芸との出会いは、本コース入学より少し前のこと。「何かものづくりがしたいと思っているうちに時が過ぎて。このままではいけない、と仕事のかたわら陶芸教室へ」。最初は楽しかった。けれど何年か経つうち、もの足りなさを感じてきた。そして、もっと幅広い表現を学びたいという想いから、本学への入学を決めた。
「人生初のレポートは、びっしり添削が書き込まれて返ってきました。そこから少しずつ要領を学んでいったんです」。幅広いテキスト科目で見識を広げつつ、スクーリングで多彩な制作を満喫。「増穂に黒田村。とくに学外スクーリングは、思い出してもわくわくするような経験でした」。
なるべく会社を休まないよう、授業初日はいつも、早朝の新幹線で京都入り。「おかげで、同じ新幹線にのる学友とすっかり仲良くなりました」。多くの仲間がいる大学。そこには、個性あふれる先生もずらりといた。「ときに厳しい指摘や問いかけが、ぐっと胸にささることも。でも、問われたからこそ、自分のこだわりを見いだせました」。
どうしてこの色にしたのか。この形にしたのか。ひとつひとつの問いに答えられる強い想いを、まず自分の中に持たなくてはいけない。「こだわりとは、自分が何に心を惹かれ、どう表したいのかを突きつめること。それを形にするのが作品づくりなんですね」。制作や講評を通して、先生や学友たち、そして自分自身の想いを見つめた島崎さん。卒業制作のテーマに選んだのは、人の心の内と外だった。
「1年かかって作品に仕上げたものの、もっと表現を深めたくて。卒業後のいまも別の形で取り組んでいます」。陶芸工房「たびびとの木」で新しい刺激を受けつつ、学友との個展をめざして今日も制作。「大学で多くの友だちができました。陶芸は、その中でもさらに特別な友だちです。ずっと私の支えになってくれる」。本気でぶつかるからこそ、悩まされるし、喜びもくれる。島崎さんがふと知り合った陶芸は、本コースの学びを経て、一生をわかちあう心の友になっていた。