PHOTO

PHOTO

写真コース

  • HOME
  • 写真コース 記事一覧
  • 【写真コース】在学生卒業生の活躍2024年度-2 ニコンサロン個展、「折々のことば(朝日新聞)掲載」など

2025年03月15日

【写真コース】在学生卒業生の活躍2024年度-2 ニコンサロン個展、「折々のことば(朝日新聞)掲載」など

みなさんこんにちは。写真コースの勝又公仁彦です。今年度も終わりが近づいてきました。京都はもとより関東でも降雪のニュースがあり、3月とはいえまだまだ冬を感じるエリアも多いと思いますが、沖縄在住の学生からは花咲く桜の写真が送られてきましたし、外苑キャンパスの周辺では梅の花も咲き始めています。そんな中、写真コースの在学生卒業生たちの活躍を以前の私の投稿から引き続いてお送りいたします。

2023年度卒業生の小玉真由美さんは、卒業制作を発展させた作品で、卒業後まもなくニコンサロンの審査を通過され、2024年の12月から2025年の1月にかけて個展「母型」を開催されました。

https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/2024/20241224_ns.html



■作家(小玉さん)による作品ステートメント
ある日、ふと思い立って本を被写体にしてみた。

モノトーンであることも相まって抽象化された写真からは、本来の意味が徐々に失われ、代わりに別のなにかが浮かび上がってくるようだった。私は、読書とは別の方法で本自体が孕む豊かさを表現できることに気づいた。これらの作品はその過程を記録したものである。

よく見知った、馴染み深いものを手繰るときであっても、写真は、未成の概念を一瞬にして描きだすことがある。それは新たな空間や想像力の母型として機能するのだ。あたかも光と影が共鳴し、互いを生み出すかのように。

私は、被写体が何かというよりも写真となった被写体がどのように知覚されるかに関心を持っており、そこに自由を見ている。

ニコンサロン(東京) 展示風景(撮影:芳田賢明)



ニコンサロン(東京) 展示風景(撮影:芳田賢明)



ニコンサロン(東京) 展示風景(撮影:芳田賢明)



白と黒、両方の壁面の色を使っているようです。(撮影:芳田賢明)



展覧会に合わせて、写真集も発表されました。
https://asteriskbooks.jp/ja/shop/bokei/





写真集の発刊を記念し、東京のMONO GRAPHYにて4月に展示を行うそうです。こちらの展示では、写真集のイメージを展示作品でも表現したいと考え、ダブルトーン(墨版・グレー版)をアクリルにそれぞれ印刷し、額の中に前後に配置した2枚を配し、展示する予定だそうです。ニコンサロンとはまた違った展示をお楽しみいただけるとのことです。

MONO GRAPHY
https://www.monography.shop/

2025年410日~4月27日(開廊は、毎週木・金・土・日)
103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町17-5-2F

こちらもぜひご覧ください。

なお、ニコンサロンの個展の会期中の1227日には同じく2023年度卒業生の芳田賢明さんとトークイベント「写真になった本」が開催されました。

会場は定員で満席 



登壇者:小玉真由美 ゲスト:芳田 賢明(イメージングディレクター/フォトグラファー、株式会社DNPメディア・アート所属、日本写真芸術専門学校 非常勤講師)

小玉さん(左)と芳田さん(右)



その芳田さんも様々に活躍されています。芳田さんはデザイン系の高校を卒業後、2002年に大日本印刷(DNP)に入社。以降、DNPグループにて写真制作に従事しています。お仕事では商業写真を中心にご担当されていましたが、芸術の分野にも関わることが増え、2020年に写真コースに入学し2024年に卒業されました。

2019年7月には印刷学会出版部から『誰も教えてくれなかった デジタル時代の写真づくり』https://www.japanprinter.co.jp/book/978-4-87085-234-1/

という本を出版されています。こちらは写真制作についてフォトグラファーからよくされる質問について答えた書籍で、主にプロに向けて、「入門書の次に必要な本」として企画されたものだそうです。



芳田さんは、2021年から東京・市谷のDNPプラザを拠点に、DNPの技術とアーティストの表現を掛け合わせ、新たな価値を創出する「表現工房」という取り組みをプロデュース。本年度までに複数回にわたり、企画展やトークイベントを開催してきました。「写真コースで学んでいた際に動き始めたプロジェクトだったため、学んだことが即仕事に生きることが多かった。仕事と学びの相乗効果が生まれ、血肉になった」とのことです。

一例としまして、2024年9月30日から11月22日まで開催された、表現工房vol.11「紙の光 光のしるし」は、出展写真家に石田真澄氏、熊谷聖司氏、野口里佳氏、濱田祐史氏、山元彩香氏を迎え、紙の専門商社 竹尾との共催にて、竹尾の多彩なファインペーパーにデジタル印刷を行うことで作品集を制作し、展示と販売を行いました。印刷技術を用いることによる、通常の印画紙や写真用紙にとどまらない、プリント表現の可能性を提示したそうです。
https://dnp-plaza.jp/CGI/event/reservation/detail.cgi?seq=0001324

また『コマーシャル・フォト』2025年3月号(玄光社)では日向坂46の金村美玖さん(日本大学芸術学部写真学科在学中)の連載「Create My Book -自分らしいポートフォリオブックを作る」Vol.6にて、アドバイザーとして登場されています。
https://www.genkosha.co.jp/book/b10131777.html

講師やモデレーターとしましては、日本写真芸術専門学校の非常勤講師として1年生の必修科目の「画像処理I」をご担当され、デジタル画像の基礎知識、RAW現像、レタッチ、インクジェットプリントなどについての授業を担当されています。学生たちからは技術面はもとより、表現や内容についての質問を受けることも多く、写真コースでの学びが非常に役立っているそうです。
https://npi.ac.jp/

また、写真教室「PHaT PHOTO SCHOOL」では「【データ現像・プリント技術】集中講座!」と題し、社会人向けにRAW現像やインクジェットプリントのレベルをさらに高めたい方へのワークショップを5回講座で開催されました。
https://printws2024.peatix.com/

「PHaT PHOTO SCHOOL」



この3月に武蔵野美術大学 美術館・図書館から刊行される大辻清司アーカイブ所蔵フィルム目録シリーズ『大辻清司アーカイブ フィルムコレクション』の最新刊にて、付録プリントの制作に参画し、寄稿もされているそうです。
https://otsujikiyoji.musabi.ac.jp/

大辻清司アーカイブ フィルムコレクション8『変貌する山河:梓川電源開発』
武蔵野美術大学 美術館・図書館、2025年3月刊行



2021年度卒業生の三澤円香さんは2024年の12月に大阪のHILL TOP GALLERY / LABで個展を開催されました。



三澤さんは卒業後に屋久島に拠点を移され、そちらで撮影した写真作品を中心に展示されました。



屋久島での生活で拾い集めた流木や水晶、小石などをあわせて、インスタレーションを交えた展示構成をされています。



会期中の1221日には当ギャラリーを主宰し今年度から非常勤講師になられた美術家/写真家の澄毅先生とのトークも行われました。

 

HILL TOP GALLERY / LABでは9月に2022年度卒業生の難波智子さんと、もうお一方との3人展も開催されておりました。

難波さんの展示風景



また202531日から16日には、同じく2022年度卒業生の池田真由美さんの出品する3人展「 Voyageurs et lumière」も開催されています。
HILL TOP GALLERY
https://www.instagram.com/hill.top.gallery/

2019年度卒業生の山本美里さんはこちらでも何回かご紹介いたしましたが、今年度も様々に活躍の範囲を広げています。事項別に箇条書きでご紹介します。

BOOKS KUBRICK(福岡)での展示風景



【展示】
2024年 4月 BOOKS KUBRICK(福岡)お話し会
6月 曲線(仙台)トークイベント

7月 神奈川県立子ども病院

8月 マルジナリア書店(東京)トークイベント
10月  本と喫茶サッフォー(つくば)
11月  の祭/関霧ヶ丘芸術祭(岐阜)トークイベント
12月  雑貨と本gururi(東京)お話し会、

恵文社(京都)



静岡県立子ども病院



2025年2月 おむすびカフェにこり(愛知)
佐賀県庁(佐賀)

【寄稿】
2024年9月号  WAM(独立行政法人福祉医療機構)
2025年1月号 みんなの願い(全国障害者問題研究会)
2025年3月号 世界(岩波書店)

【講演】
2024年8月 京都府看護協会

【新聞掲載】
西日本新聞  2024.4.9
withnews 2024.4.12
https://withnews.jp/article/f0240412001qq000000000000000W02q10101qq000026790A

ふぇみん婦人新聞 2024.4.15
西日本新聞 福祉欄 2024.5.9
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1209120/

中日新聞「あの人に迫る」2024.7.19
https://www.chunichi.co.jp/article/929816

中日新聞 知多版 2025.2.2 /2025.2.11
佐賀新聞 2025.2.19
朝日新聞 佐賀 2025.2.20
西日本新聞 佐賀 2025.2.21
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a108f6875ead6d8afda7037e0030c7dc0b9076d

朝日新聞 折々のことば 2025.3.20
https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=76

【雑誌掲載】
暮しの手帖 20244.5月号 武田砂鉄連載「今日拾った言葉たち」
女性自身 8/13号 「シリーズ人間」
週刊エコノミスト 12/3号「情熱人」
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20241203/se1/00m/020/015000c

ビッグイシュー日本版 2025年3月1日発売498号
https://www.bigissue.jp/backnumber/498/

曲線(仙台)での展示風景



と、このように多くの展示とそれに伴うトークイベントやお話会、寄稿や新聞・雑誌掲載と幅広く活躍されており、今後も目が離せません。

小玉さん、芳田さんと同じ2023年度卒業生の積有里さんは卒業制作から継続してフォトコラージュにて繊細かつパワフルな作品を制作されています。2024年126日から8日にかけて開催された「紀陽銀行 Presents UNKNOWN ASIA 2024」において、橋本 大和 賞と内海 美保 賞の二つのReviewer Prize を受賞されました。
https://unknownasia.net

2025年326日から30日にかけては、東京代官山のSPACE Kにて個展「[eyes]  」を開催されます。
https://space-k.info

8月2,3日にはアートフェア「Independent Tokyo 2025 」 に出品の予定です。https://www.tagboat.com/artevent/independenttokyo2025/

こちらも、ぜひご覧ください。

 

同じく2023年度卒業生の渡壁万理子さんも2025年2月25日から3月10日にかけてニコンサロンにて個展『ゆく川の流れ~曾祖母~』を開催されました。こちらも卒業制作を発展させた作品です。https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/2025/20250225_ns.html



■作家(渡壁さん)による作品ステートメント
私は幼い頃、祖母に亡き曾祖母が使っていた道具や持ち物を見せてもらいながら、曾祖母のエピソードを聞いた。モノはもういない人のことを思い出させる。

曾祖母「とく」は、1879年(明治12年)49日、京都府天田郡下夜久野村(現 京都府福知山市夜久野町)で生まれた。1901年(明治34年)、兵庫県朝来郡枚田村(現 兵庫県朝来市和田山町)の農家に嫁いだ。1919年(大正8年)、夫が病死。1950年(昭和25年)123日、71歳で亡くなった。

最近、久しぶりに曾祖母が使っていた道具や持ち物を出してみた。曾祖母が自身の髪の毛でつくった髢(かもじ)に触れてみた。私の髪質にそっくりで、自分の髪に触れているようで不思議な感覚だった。髢(かもじ)は、昭和初期頃まで流行した女性の髪型をつくる際に使われた。私と似ている髪質をもつ曾祖母はどんな人だったのだろうか。どんな時代を生き、どんな生活をし、どんな生涯を送ったのだろうか。

私は幼少期に曾祖母について聞いた記憶を手がかりに曾祖母像を追った。

ニコンサロン(東京) 展示風景



ニコンサロン(東京) 展示風景



ニコンサロン(東京) 展示風景



冒頭の小玉さんと同じ会場でありながら、壁面の構成や照明、額装などの違いにより、全く異なる展示空間になっています。



いかがでしたでしょうか。まだまだここに紹介することができない多くの卒業生、在校生が、個展やグループ展や出版活動にて作品を発表したり、展覧会のキュレーションやコンペの審査員に指名されたり、ギャラリーの運営と企画をしたり、イベントへの登壇やワークショップの開催などをしています。今後もそんな卒業生、在校生の活躍をお届けしていきます。

直近では今年度の卒業制作修了作品展が京都の瓜生山キャンパスにて39日から16日まで開催されました。
2024年度 京都芸術大学 通信教育課程 WEB卒業・修了制作展」はこちら
https://www.kyoto-art.ac.jp/t/graduationworks/



また、現在新年度の学生募集中です。入学説明会の申し込みはこちら
https://www.kyoto-art.ac.jp/t/briefing/



他にも活躍する先輩多数。写真コースの卒業生インタビューは以下に
https://www.kyoto-art.ac.jp/t/course/photo/



写真コースブログでも学生や教員の活動の情報を発信しています。https://tsuushinsyashin.blogspot.com

学生卒業生も投稿している公開のFacebook グループはこちら。
https://www.facebook.com/groups/376701939181733/

 

 

この記事をシェアする