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洋画コース

2025年04月17日

【洋画コース】絵を描きつづけるためのコツ、があるとしたら

こんにちは、洋画コース教員の由井武人です。
今回は、2025年3月10日~16日まで開催された京都芸術大学通信教育部の卒業制作展のレポートを兼ねて、制作をつづけていくためのコツについて少し書きたいと思います。
卒業制作展では洋画コースの特徴でもある幅広い表現が一堂に並びました。

筆の躍動感とスピード感、色彩の対比と調和が気持ちいい作品です。



色の響き合いを意識しながらじっくりと時間をかけて画面が構築されています。



水の透明感や明るい光の雰囲気が動きのある構図で表現されています。



実際にさわってめくりながら鑑賞できる作品もありました。タイトルはスーパーマーケットX。筆使いが生き生きしています。



テーマやモチーフは作者それぞれで、それぞれの実感が伝わってきます。



ここで全てを紹介することは出来ないので、大学院の修了制作も含めてぜひこちらのアーカイブをご覧ください。
https://www.kyoto-art.ac.jp/t/graduationworks/



どれも時間をかけて熟考しながら描かれた力作です。
では、なぜこれらの作品を最後まで描き切ることが出来たのでしょうか?
絵の制作を続けていくためのコツとは何でしょうか?

それは “人に絵を観せる” ことではないかと思います。
卒業制作では1年にわたって制作過程も含めて教員や学友に絵を見せ続けます。恥ずかしさや落胆や悔しさも含めて、コツコツと描き続けて、コツコツと見せ続けたことが作品の密度と完成度につながったと思います。
最近ハッとした大学院の奥田先生の言葉です。
「描くだけでは自己満足にもならないんですよ。人に観せる満足感が得られてこそ自己満足なんです。」

ここで言う自己満足とはネガティブな意味ではなく、まずは続けていくためにも自己が満足することが大事だということだと思います。
人に自分の絵を観せることはとても勇気がいることですが、大学や大学院、公募展や団体、個展やグループ展など、形式はどんな形でもいいので、同じように絵を描く仲間との繋がりをつくり、世の中や他者に向けて作品を観せる場や機会を持ち続けていってください。
観せることを続けていくことが、描くことを続けていく何よりのコツではないかと思います。

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