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和の伝統文化コース

2025年05月12日

【和の伝統文化コース】ティーム・ティーチングで支える卒業研究の歩み

こんにちは。和の伝統文化コース教員の葛西周です。新年度が始まり、早くも1ヵ月が経ちました。本学科では、卒業研究(卒業論文)の最初の面接指導の時期を迎えています。論文提出までに2回の個別面接を設けており、事前に提出された草稿に対して、教員がそれぞれの専門性を活かしてフィードバックをおこないます。読むべき史料や文献、必要なフィールドワークや聞き取り調査などを確認しながら、12月の最終提出に向けて研究計画を見直していく大切なプロセスです。

本学科では、1名の学生に対して2名の教員で指導に当たるティーム・ティーチング形式を採用しており、研究テーマや対象、時代、地域、手法などに応じて最適な教員を組み合わせています。そもそも人文学とは、どのような研究対象であっても、人間の営みに対して想像力を働かせて読み解こうとする姿勢が求められる学問です。研究したいのが江戸の庶民の暮らしであれ、和歌に表れる恋愛観であれ、茶菓子の意匠であれ、他者の生き方や考え方を想像することがその根幹を成します。異なる知見やアプローチに精通した教員が連携するティーム・ティーチングは、多様な視点を想定する力や、研究を多角的に掘り下げる力を身につける上でも有効です。本コースでは面接指導以外にも、オフィスアワーや学習相談会、質問フォームなど、随時相談を受けられる体制を整えています。

和の伝統文化コースにおける卒業研究の内容は、実に多岐にわたります。毎年3月には、コースのイベントとして卒業研究発表会を催しており、学生同士が互いの研究成果を共有する貴重な機会となっています。どの発表も独自の着眼点を示し、学生一人ひとりが多彩な切り口から伝統文化を考察してきたことが伝わってきます。

写真は昨年度の発表会のもので、「江戸時代に中山道を通った旅人たちは何を食べていたのか」という問いを出発点に、当時の旅行案内や紀行文、献立記録、宿場を描いた浮世絵など、広範な史料を丹念に調査した成果が発表されている様子です。

同じく3月には、瓜生山キャンパスおよびオンラインで卒業・修了制作展も開かれます。WEB卒業・修了制作展につきましてはアーカイブをご覧いただけますので、本コースでこれまでにどのような研究が取り組まれてきたのか、ぜひご確認ください。
https://www.kyoto-art.ac.jp/t/graduationworks/2024/

本コースでは、日本の伝統文化をさまざまな視点から柔軟に学ぶことができます。入学説明会では、「こういうことに興味がありますが、研究できますか?」という質問をよくいただきますが、大切なのは研究対象の選び方より、それに対してどのような問題意識を持って、どう向き合っていくか、という点です。私たち教員は、学生のみなさんがちょっとした疑問を研究の形に展開していけるよう伴走します。伝統文化に対するご自身の関心を、ぜひ本コースで深めてみてください。

 

和の伝統文化コース|学科・コース紹介

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