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グラフィックデザインコース

2025年07月14日

【グラフィックデザインコース】発見!「隠れフォント職人」そもそもデザインって?

みなさん、はじめまして!
今年度よりグラフィックデザインコースの業務担当非常勤を務めることになりました、茶畑(ちゃばた)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今回はブログ初投稿ということで、まずは自己紹介をさせていただきます。
私は本学 通信教育部グラフィックデザインコースの卒業生で、2020年度に3年次編入し、2023年度に卒業しました。卒業制作では、ニホンミツバチの認知向上をテーマに、「ぶんぶん ー 日本蜜蜂の新聞」を制作しました。

名古屋出身で、東京の専門学校に入学したことをきっかけに上京し、8年間東京で暮らしました。
その後、妹が本学(通学部・総合造形コース)に入学したのを機に京都へ移住し、4年間、一乗寺ラーメン街道のど真ん中に住んでいました!
専門学校では特殊メイクを専攻し、卒業後は汐留系のテレビ局でテレビグラフィックデザインの仕事に従事。
現在は名古屋を拠点に、フリーランスでデザインの仕事をしています。
このたびご縁をいただき、今年度よりみなさんの学びをサポートする立場として関わらせていただくことになりました。どうぞこれからよろしくお願いいたします!

さて、今回の話題は、地元・名古屋の駅で見つけた「隠れフォント職人」についてです。
地下鉄を降りて出口に向かう途中、何気なく目に入った案内表示に、ふと違和感を覚えました。
近づいてよく見ると、なんとそれはガムテープを切り貼りして作られた文字だったのです!
ベースには黄色と白のガムテープが使われ、文字部分は黒のガムテープで切り出されています。角の丸みやドットの形に至るまで丁寧に作られており、その手間のかかり方からも、制作者のこだわりが伝わってきます。

「こんな案内表示を、手で作る人がいるんだ!」と感動し、やや興奮ぎみにストーリーズに投稿したところ、「それ、修悦体(しゅうえつたい)じゃないですか!」と反応が。
調べてみると、「修悦体」はJR駅の警備員だった佐藤修悦さんが、乗客の誘導のためにガムテープを使って即席で作った文字がはじまりなのだそうです。
「新宿駅で乗客の誘導をしていた時に、『こちらです!』と大声で叫ぶよりも、目立つ文字にして描いておいた方が早く伝わるんじゃないかと思って。それで、足元に転がっていたガムテープを無意識に手にして、案内板を描き始めたんです。」
(出典:ジモコロ記事より)https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/yoshino10

本学の学びの中では、「そもそもデザインとは何か?」を考える時間が多くあります。
デザインとは、ただ“かっこいいもの”をつくることではなく、課題解決の手段のひとつです。
そのためにまず必要なのは、よく観察すること。困りごとの本質はどこにあるのか? どうすればそれを解決できるのか?
それを見極めたうえで、魅力的な表現が加わると、デザインはより力強いものになります。
まさに今回の「修悦体」は、そんなデザインの力を象徴しているように感じました。
乗客の動きを観察し声で誘導するよりも、視覚で伝える方が早いという気づきと、それを身近なもので形にしてしまう表現力。
これはまさしく、「暮らしの中のデザイン」と言えるのではないでしょうか?
実際、名古屋市営地下鉄の伏見駅でも複数の修悦体風案内表示を見つけました。
どうやら、駅員さんのなかに佐藤さんに影響を受けた“フォント職人”がいるようです。

デザインは、なにも特別なものじゃありません。
私たちの身の回りの中に、すでにたくさん存在しています。
そんな身近な気づきから、いっしょに「デザインって何だろう?」を学んでみませんか?
※2025年7月現在、残念ながら名古屋市営地下鉄「伏見駅」の修悦体案内表示は撤去されており、現在は見ることができなくなっていました。
またどこかで修悦体の案内表示に出会えることを楽しみにしています。
もしどこかで発見されましたら、ぜひシェアしてくださいね。



 

 

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