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2025年09月04日
【和の伝統文化コース】スクーリングでの宝塚歌劇『阿修羅城の瞳』『エスペラント!』観劇
みなさん、こんにちは。和の伝統文化コース教員の葛西周です。本コース開設科目「伝統文化実践I-1(鑑賞と批評)」では、座学で得た知識を舞台体験と接続することを目的に、スクーリングに観劇を採り入れています。今年度は日比谷にある東京宝塚劇場に足を運び、星組公演『阿修羅城の瞳』『エスペラント!』を鑑賞しました。
この科目では、芸能の歴史や形式を学んだ上で、生の舞台をどのような角度から観察・考察しうるか思案し、各自が自分なりの着眼点を見つけることを目指しています。ただ楽しむだけではなく、舞台上の多様な要素(演技・音楽・衣装・照明・舞台装置・客席とのインタラクションなど)から論点を絞り、言葉で表現する練習をします。
今回は昨年度に引き続き、宝塚歌劇を観劇対象としました。その理由は、宝塚歌劇が日本の古典芸能、とりわけ歌舞伎や日本舞踊の流れを汲みつつ、西洋由来の音楽や踊りを積極的に取り入れたことで、独自の表現様式を築き上げてきた点にあります。近代以降の日本における舞台芸能の変遷について理解する上で、宝塚歌劇は最適な存在のひとつと言えます。
第一部のミュージカル『阿修羅城の瞳』は、歌舞伎の要素を組み込んだ劇団☆新感線の新作時代劇シリーズ「いのうえ歌舞伎」の代表作を宝塚歌劇版として再構成したもので、古典芸能に親しんできた方、現代劇やミュージカルを好んで観る方のいずれにとっても新鮮に鑑賞・考察できる作品です。さらに第二部の『エスペラント!』では、多彩な要素が盛り込まれた少女歌劇ならではの華やかなレビューも味わえるという点から、本公演を選択しました。
学生のみなさんからは、舞台装置や照明、音楽などが一体となり、歌舞伎や現代演劇の要素を取り込みながらも女性のみによるミュージカルというスタイルへと換骨奪胎されている点に注目が集まりました。事後レポートでは、女性が男性を演じることによって成立する独自の表現や、原作とのキャラクター造形の比較検討、トップスターを中心とした演出構造など、多角的な観点からの分析が見られました。特にレビューを初めて体験した学生が多く、この形式は全体を貫く明確な物語を持たないため、表現の抽象性に対する戸惑いも見られましたが、同時に音楽や踊りから意味を解釈しようとするさまざまなアプローチが引き出されました。こうした試みはいずれも、鑑賞体験を自らの言葉で捉え直そうとするものであり、芸能を自分なりの着眼点から探究する力を育む本科目のねらいに適った成果となっています。
本コースでは、伝統芸能はもちろん、それらと連続する近現代の舞台芸能にも目を向けながら、芸能について好き嫌いを超えてどのように分析し、言語化できるのかを学んでいきます。未知の芸能に触れること、そして既知の芸能と出会い直すことが、学びの出発点となります。観劇経験の有無を問わず、新鮮な驚きや戸惑いから思考を深められるよう授業を設計していますので、これまで接点のなかった多様な芸能を思い切って体験してみませんか。
和の伝統文化コース|学科・コース紹介
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この科目では、芸能の歴史や形式を学んだ上で、生の舞台をどのような角度から観察・考察しうるか思案し、各自が自分なりの着眼点を見つけることを目指しています。ただ楽しむだけではなく、舞台上の多様な要素(演技・音楽・衣装・照明・舞台装置・客席とのインタラクションなど)から論点を絞り、言葉で表現する練習をします。今回は昨年度に引き続き、宝塚歌劇を観劇対象としました。その理由は、宝塚歌劇が日本の古典芸能、とりわけ歌舞伎や日本舞踊の流れを汲みつつ、西洋由来の音楽や踊りを積極的に取り入れたことで、独自の表現様式を築き上げてきた点にあります。近代以降の日本における舞台芸能の変遷について理解する上で、宝塚歌劇は最適な存在のひとつと言えます。
第一部のミュージカル『阿修羅城の瞳』は、歌舞伎の要素を組み込んだ劇団☆新感線の新作時代劇シリーズ「いのうえ歌舞伎」の代表作を宝塚歌劇版として再構成したもので、古典芸能に親しんできた方、現代劇やミュージカルを好んで観る方のいずれにとっても新鮮に鑑賞・考察できる作品です。さらに第二部の『エスペラント!』では、多彩な要素が盛り込まれた少女歌劇ならではの華やかなレビューも味わえるという点から、本公演を選択しました。
学生のみなさんからは、舞台装置や照明、音楽などが一体となり、歌舞伎や現代演劇の要素を取り込みながらも女性のみによるミュージカルというスタイルへと換骨奪胎されている点に注目が集まりました。事後レポートでは、女性が男性を演じることによって成立する独自の表現や、原作とのキャラクター造形の比較検討、トップスターを中心とした演出構造など、多角的な観点からの分析が見られました。特にレビューを初めて体験した学生が多く、この形式は全体を貫く明確な物語を持たないため、表現の抽象性に対する戸惑いも見られましたが、同時に音楽や踊りから意味を解釈しようとするさまざまなアプローチが引き出されました。こうした試みはいずれも、鑑賞体験を自らの言葉で捉え直そうとするものであり、芸能を自分なりの着眼点から探究する力を育む本科目のねらいに適った成果となっています。
本コースでは、伝統芸能はもちろん、それらと連続する近現代の舞台芸能にも目を向けながら、芸能について好き嫌いを超えてどのように分析し、言語化できるのかを学んでいきます。未知の芸能に触れること、そして既知の芸能と出会い直すことが、学びの出発点となります。観劇経験の有無を問わず、新鮮な驚きや戸惑いから思考を深められるよう授業を設計していますので、これまで接点のなかった多様な芸能を思い切って体験してみませんか。
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