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洋画コース

2025年10月08日

【洋画コース】私の表現とモチーフ

こんにちは。洋画コースの一居孝明です。今日は、私の作品とモチーフや表現についての考え方を少しご紹介させていただきたいと思います。

さて、皆さんは睡眠時に見る夢はカラーですか?それともモノクロームですか?私はこれまでカラーの夢を見たことが一度もないのです。私が見る夢はいつも、色が無く登場してくる物の形や場面も曖昧で常に混沌とした世界に見えています。そして、私にとって、この言葉では言い表せないような夢の世界は、正に現実の混沌とした現代社会の様子を見ているように感じます。このような世界をまるで映画のワンシーンを見るような映像的な表現をしたいと常に考えています。

(gold story Ⅲ)2023、202cmx306cm、アクリル・油彩



私はモチーフに対する拘りが有ります。作りたての完成品より、時間の経過と共に劣化し偶然に生まれてくる傷や歪み、そして錆などの表情や形に強い興味を持っています。

ここでの作品に登場しているものたちも、一見、意味のわからない瓦礫の集合に見えるかもしれませんが、私の拘りと記憶の中から生まれてきたものたちが、ひとつの空間を演出してくれています。私が見つめている現在を・・・

(gold story Ⅳ)2024、202cmx306cm、アクリル・油彩



現在という時は、次の瞬間には既に現在ではなくなっているという事実を感じます。ここに在ると感じる瞬間を表そうと思った時、ふと立ち止まり振り返ると、少し前の瞬間の現在が、まるでスクリーンに映し出されるような気がしました。そのスクリーンが薄い層のように重なり合い、少し前の現在とここに在る現在が、虚と実のように交差する瞬間を描こうとしています。

(restore)2023、40cmx100cm、アクリル・油彩



(gold story)2024、60cmx72cm、アクリル・油彩



最後に、今、このブログを見ている方や入学を考えている方々と実際にお目にかかって、もっと表現についてお話しできればと思っていますが、描画材用や表現の仕方など、もう少し詳しく知りたい方は、<はじめて学ぶ芸術の教科書>洋画・表現の可能性、洋画・基礎と展開をご覧になると良いと思います。

 



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