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2025年10月31日
【写真コース】データの管理のはじめの一歩
こんにちは。東京の外苑キャンパスで業務を担当しております寺田健人です。秋が深まり、撮影にも心地よい季節になりましたね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
今日は、作品制作に欠かせない「データ管理」についてお話ししたいと思います。
「デジタルフォト」の授業でも扱うテーマですが、実際に学生の皆さんと関わっていると、データの整理や保存の仕方で困っている人がとても多いと感じます。
せっかく撮った大切な写真が消えてしまうことのないように、「まず何から始めたらいいか」をまとめてみました。
SDカードに入れっぱなしは危険!
撮影したデータを、ずっとSDカードの中に入れたままにしていませんか?
SDカードはあくまで「撮影のための一時的な保存場所」であり、長期保存には向いていません。
高温多湿や静電気、抜き差しの繰り返しによって、突然読み込めなくなることがあります。実際に授業中でも「昨日まで見えていたのに、今日になったら認識されない」というケースがよくあります。
さらに、SDカードには「速度クラス」があり、これによって書き込み・読み込みの速さが大きく変わります。
特に動画や連写を行う場合は、高速タイプを選ぶことでエラーや遅延を防ぐことができます。
ただし、いくら高性能でも、撮影後の放置はNG。
データが溜まるとカードの動作も不安定になります。撮影が終わったら、なるべく早めにパソコンや外付けストレージに移し、定期的にフォーマットする習慣をつけましょう。
撮影用として最低でも2〜3枚持っておくと、現場でも安心です。
パソコンのデスクトップに逃しても安心ではない
「とりあえずデスクトップにフォルダを作ってまとめておく」——
この方法も、一時的には便利ですが、長期的にはおすすめできません。
パソコンの内部ストレージには限界があります。RAWデータや動画ファイルは想像以上に容量が大きく、気づかないうちにストレージを圧迫します。
容量がいっぱいになると、動作が重くなったり、PhotoshopやLightroomなどのAdobeソフトが「仮想メモリ不足」で動かなくなることも。
また、デスクトップに多くのデータを置いてしまうと、どれが最新版か分からなくなり、課題提出時に混乱することもあります。
デスクトップは「作業台」として使い、完成したデータは外付けドライブやクラウドに移すようにしましょう。
ファイル整理のコツとしては、
・日付+テーマでフォルダをつくる(例:「2025_11_portrait」)
・“元データ”“現像データ”“提出用”など、役割別のフォルダを分ける
といった簡単なルールを作るだけでも、後々の管理が格段に楽になります。
外付けストレージの基本:SSDとHDD
撮影データを長期的に保存するなら、外付けストレージ(SSDやHDD)が欠かせません。
それぞれの特徴を理解して、自分の作業スタイルに合うものを選びましょう。
SSD(ソリッドステートドライブ)
小型で軽く、衝撃に強く、転送速度も非常に速いのが特徴です。
撮影現場でのバックアップや、外出先で作業する際に最適。
私もSundisk製のポータブルSSDを使用していますが、手のひらサイズで持ち運びにとても便利です。
USB-C接続やThunderbolt対応のものなら、読み書き速度も格段に速くなります。
防滴・耐衝撃タイプを選ぶと安心です。
ただし、HDDよりも価格が高めで、突然の故障で全データが失われることもあります。
そのため、SSDは「作業用・一時保存用」として、重要なデータは後述するHDDへ移すのが理想です。
HDD(ハードディスクドライブ)
HDDは大容量で、コストパフォーマンスに優れています。
電源を接続して使用する据え置きタイプが主流で、安定した動作が可能です。
作品をアーカイブしたり、年度ごとに撮影データを整理する場所として適しています。
近年では「デュアルスロット」タイプも登場しており、同時に二重バックアップを取ることができます。
ただし、衝撃には弱いため、持ち運びには注意が必要です。
理想は、
・SSD:制作中・移動中の作業用
・HDD:長期保存・バックアップ用
という使い分けです。
それでも足りない?オンラインストレージという選択
データが増えて外付けストレージでも手に負えなくなってきたら、クラウド(オンラインストレージ)の活用も考えましょう。
代表的なサービスには以下のようなものがあります。
・Google Drive
・Dropbox
・OneDrive
・iCloud
オンラインストレージは、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスでき、機材トラブルや災害時のバックアップとしても有効です。
また、他者とのデータ共有もスムーズに行えるため、共同制作や授業での提出にも便利です。
ただし、無料プランには容量制限があるため、長期的に使う場合は有料プランを検討してもよいでしょう。
理想的なのは、
・SSDに一時保存
・HDDに最終保存
・クラウドにバックアップ
という三段階の保存体制です。
少し手間はかかりますが、大切な作品を守るためにはとても有効な方法です。
おわりに
データ管理は、撮影やレタッチのように“創造的な時間”ではありません。
けれど、これをおろそかにすると、どんなに良い写真も一瞬で失われてしまうことがあります。
実際、私自身も何度かヒヤッとした経験があります(冷や汗)。
データを守るということは、自分の作品や時間、そして努力を守ることでもあります。
少し手間でも、バックアップを取る、フォルダを整理する——
そうした小さな積み重ねが、後々の安心や制作の自由につながっていきます。
この文章を書きながら「そういえば自分のHDD、最近バックアップ取っていなかったな」と思い出しました。
自戒を込めて、今日帰ったらちゃんとやろうと思います。
みなさんも、ぜひこの機会に一度、データの整理を見直してみてください。
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