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建築デザインコース

2025年11月05日

【建築デザインコース】ビニールハウスの休憩所に学ぶ



こんにちは、建築デザインコースの池田です。
長い長い夏が終わり、ようやく秋らしくなってきましたね。秋といえば「芸術の秋」。そして、「食欲の秋」でもあります。というわけで、先日、家族で芋掘りに出かけました。

今回はそこで出会った素敵な建築を紹介します。
畑の一角に設けられた休憩所は、農業用のビニールハウスを転用したもの。外から見ると簡素な構造ですが、近づいてみると、防水シートの裾が少し巻き上げられ、内と外の関係が丁寧に調整されていました。
外を歩く人の視線は遮られ、中で畳に座る人からは、外の風景がほどよく眺められます。光は薄いシートを通してやわらかく、風が心地よく通り抜ける空間でした。シンプルな素材の組み合わせの中に、人が安心して過ごせる工夫がありました。

裾を巻き上げた防水シートが、内と外をゆるやかにつないでいる。



内部では焼き芋が販売されていて、甘い香りが漂っています。親子連れが思い思いに腰を下ろし、会話を楽しみながら過ごしていました。特別なデザインではありませんが、自然と人が集まり、穏やかな時間が流れる、建築の原点のようなものを感じました。

たまたまかもしれませんが、このビニールハウスには、内外の関係をうまく調整する知恵が働いていました。建築家の設計による作品ではないけれど、人の感覚に寄り添ったその工夫には、どこか無名の知性のようなものが宿っている気がします。
建築を学ぶと、特別な建物だけでなく、日常の中にも居心地の理由を見つけられるようになります。暮らしの中に潜むデザインの視点に気づくこと。それが、建築を学ぶ楽しさだと思います。

 

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