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2025年12月14日
【グラフィックデザインコース】論文とデザインの共通点とは?大学で学ぶ「変える力」
こんにちは。グラフィックデザインコース業務担当非常勤の畠山です。
12月に入り、今年も残りわずかとなりました。 入学を検討されている方、あるいは在学生の皆さんも、それぞれの課題や目標に向かってラストスパートをかけている時期ではないでしょうか。
今回は、私が現在、大学院で研究している「コミュニケーションデザイン」という領域の話を交えながら、「なぜ大学でデザインを学ぶのか?」について、今年出会った本と共にお話ししたいと思います。
私は今、大学院で、単なる色や形のデザインだけでなく、「人の行動や関係性をどうデザインするか」というコミュニケーションデザインを研究しています。 「論文」を書く機会も多いのですが、最近、非常に参考になった本があります。
阿部幸大 著『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(2024年/光文社)です。
この本の中で、論文とは「ある主張(アーギュメント)を提示し、その主張が正しいことを論証する文章である」と定義されています。 そして、論文には必ずこの「アーギュメント(主張)」がなくてはならないと書かれています。これを読んだとき、私は「これは論文だけでなく、デザインも同じではないか」と、自分の中で点と点が線でつながるような感覚を覚えました。デザインの現場では「デザイナーの個人的な主張(エゴ)はいらない」と言われることがあります。しかし、ここで言う「主張(アーギュメント)」とは、自分勝手な意見のことではありません。 今の現状や課題に対して、「こうすれば解決できるのではないか?」「未来はこうあるべきではないか?」という「提案」のことだと捉えると、両者の本質は共通しているように思えます。
・論文:言葉で「主張(テーゼ)」を立て、論証して相手を説得する。
・デザイン:ビジュアルや体験で「提案(コンセプト)」を形にし、人の心を動かして解決に導く。
つまり、私たちがデザインを学ぶ際、「コンセプト」や「メッセージ」を大切にするのは、それが論文における「アーギュメント」と同じように、モノゴトを変えるための核になるからなのです。
さらに、この本では「人文学におけるアカデミックな価値」について、非常に興味深いことが書かれています。 自然科学が「新しい知識を発見して、知の領域を外へ広げる」ことだとすれば、人文学の機能のひとつは「『常識』を刷新すること」、つまり私たちの中心にある当たり前をひっくり返すことにあると述べられています。
まさにこれこそ、私たちが大学でデザインを学ぶ醍醐味ではないでしょうか。
「普通はこうだよね」と思われている社会の常識や、日常の不便さに対して、「本当にそうでなければならないのか?」と問いを立てる。 そして、デザインの力で新しい視点(提案)を提示し、「当たり前(常識)」を塗り替えていく。
大学でデザインを学ぶということは、単にソフトの操作や見た目の美しさを習得するだけではありません。 この「社会の常識に対して問いを立て、変化をもたらす力(=変える力)」を養う場所なのだと、この本を通じて改めて確信しました。
グラフィックデザインコースに興味を持ってくださっている皆さんも、もしかしたら「自分にデザインなんてできるかな?」と不安に思われているかもしれません。
でも、大切なのは「上手か下手か」の前に、「伝えたい提案(コンセプト)」があるかどうか、そして「常識を疑ってみる視点」があるかどうかではないでしょうか。
この大学は、そんな皆さんの「提案」や「問い」を受け止め、形にするための技術と思考を一緒に学べる場所です。
寒さが本格的になってきましたが、それぞれの熱い気持ちでデザインを楽しんでいきましょう!

グラフィックデザインコース|学科・コース紹介
大学パンフレット資料請求はこちらから
12月に入り、今年も残りわずかとなりました。 入学を検討されている方、あるいは在学生の皆さんも、それぞれの課題や目標に向かってラストスパートをかけている時期ではないでしょうか。
今回は、私が現在、大学院で研究している「コミュニケーションデザイン」という領域の話を交えながら、「なぜ大学でデザインを学ぶのか?」について、今年出会った本と共にお話ししたいと思います。
■ 論文とデザインの共通点
私は今、大学院で、単なる色や形のデザインだけでなく、「人の行動や関係性をどうデザインするか」というコミュニケーションデザインを研究しています。 「論文」を書く機会も多いのですが、最近、非常に参考になった本があります。
阿部幸大 著『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(2024年/光文社)です。
この本の中で、論文とは「ある主張(アーギュメント)を提示し、その主張が正しいことを論証する文章である」と定義されています。 そして、論文には必ずこの「アーギュメント(主張)」がなくてはならないと書かれています。これを読んだとき、私は「これは論文だけでなく、デザインも同じではないか」と、自分の中で点と点が線でつながるような感覚を覚えました。デザインの現場では「デザイナーの個人的な主張(エゴ)はいらない」と言われることがあります。しかし、ここで言う「主張(アーギュメント)」とは、自分勝手な意見のことではありません。 今の現状や課題に対して、「こうすれば解決できるのではないか?」「未来はこうあるべきではないか?」という「提案」のことだと捉えると、両者の本質は共通しているように思えます。
・論文:言葉で「主張(テーゼ)」を立て、論証して相手を説得する。
・デザイン:ビジュアルや体験で「提案(コンセプト)」を形にし、人の心を動かして解決に導く。
つまり、私たちがデザインを学ぶ際、「コンセプト」や「メッセージ」を大切にするのは、それが論文における「アーギュメント」と同じように、モノゴトを変えるための核になるからなのです。
■ 「常識」を刷新する面白さ
さらに、この本では「人文学におけるアカデミックな価値」について、非常に興味深いことが書かれています。 自然科学が「新しい知識を発見して、知の領域を外へ広げる」ことだとすれば、人文学の機能のひとつは「『常識』を刷新すること」、つまり私たちの中心にある当たり前をひっくり返すことにあると述べられています。
まさにこれこそ、私たちが大学でデザインを学ぶ醍醐味ではないでしょうか。
「普通はこうだよね」と思われている社会の常識や、日常の不便さに対して、「本当にそうでなければならないのか?」と問いを立てる。 そして、デザインの力で新しい視点(提案)を提示し、「当たり前(常識)」を塗り替えていく。
大学でデザインを学ぶということは、単にソフトの操作や見た目の美しさを習得するだけではありません。 この「社会の常識に対して問いを立て、変化をもたらす力(=変える力)」を養う場所なのだと、この本を通じて改めて確信しました。
■ 自分の「提案」を形にしよう
グラフィックデザインコースに興味を持ってくださっている皆さんも、もしかしたら「自分にデザインなんてできるかな?」と不安に思われているかもしれません。
でも、大切なのは「上手か下手か」の前に、「伝えたい提案(コンセプト)」があるかどうか、そして「常識を疑ってみる視点」があるかどうかではないでしょうか。
この大学は、そんな皆さんの「提案」や「問い」を受け止め、形にするための技術と思考を一緒に学べる場所です。
寒さが本格的になってきましたが、それぞれの熱い気持ちでデザインを楽しんでいきましょう!

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