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2026年01月08日
【建築デザインコース】建築を見る、街を見る
今回のブログでは、9月に香港に行ってきたのでその時のことを紹介したいと思います。
学生の頃から「旅をして建築をたくさん見ろ」とよく先生から言われたもので、それから建築を見ることを目的に色々なところへ出かけるようになりました。
それは仕事をするようになっても変わらず、積極的に機会をつくるようにしています。
そして、今回は香港に長く滞在中の友人を頼って、初めて香港へ行きました。

密集してそびえ建つ香港のビル郡(筆者撮影)
建築としては、まず香港を象徴するノーマン・フォスターの代表作である香港上海銀行があります。香港が世界有数の金融都市である力強さを感じさせるハイテク建築です。また周辺にもスターアーキテクトによる銀行が多く建っており、日本とは異なりこれからも成長し続ける街であることが伺えます。

香港上海銀行 / ノーマンフォスター(筆者撮影)

左の建物はThe Henderson / ザハ・ハディド・アーキテクツ、右の建物は中国銀行タワー / I.M.ペイ(筆者撮影)
さらに近年の建築として、ヘルツォーク&ドムーロンの大館(Tai Kwun)とM+も必見です。
大館は刑務所や裁判所などイギリス統治下に建てられた歴史的建造物郡をアートギャラリーやカフェなどにコンバージョンした施設です。古い建物を丁寧に残しながら新しいボリュームやファサードが挿入されており、ブラブラ歩くだけでもシークエンスを楽しめる建築です。

大館(Tai Kwun) / ヘルツォーク&ドムーロン(筆者撮影)
またM+は衝撃的でした。ファサードが丸々巨大なLEDディスプレイになっている建築で、明快な構成とあり余る余白が非常に潔く心地の良い空間でした。周辺は開発途中で今後さらに文化エリアとして発展する予定のようですが、建築があまりに自律的で、もはや今後が発展しようとも荒廃しようとも、存在し続けられる強度を感じました。また照明デザインも面白く、香港の市場で見られる典型的なランプシェードの形をモチーフにしたガラスシェードになっています。都市に向けた巨大広告は、香港の景色を象徴する企業のサインのように、一方で空間を照らす照明は香港の人々の生活に密接な市場の照明のように、近未来的で土着的、両義的な香港性がそれぞれに拡張して現されているのだと感じました。

M+ / ヘルツォーク&ドムーロン(筆者撮影)

左:市場でよく見られる赤いランプシェード、右:M+の照明(筆者撮影)
そして建築ではないものについても少し触れたいと思います。
こちらは、「家政婦の日曜ハック」です。(勝手に名づけました。)
何かと言うと、彼女たちは平日は富裕層宅で住み込みで働く家政婦(主にフィリピン出身の方が多いのだとか)で、オフの日曜だけ街のいたるところで家政婦達同志で集まってたむろする、そのことを指します。各々に「ちょうどよい場所」を見つけて長時間を過ごします。ショッピングモールのフードコートでおしゃべりをする人たちもいますが、屋外が圧倒的に多いようでした。お金をかけずに過ごすという理由が大きいのかもしれないですが、ずっと家の中で働く反動から外で過ごしたいという側面もあるように思います。あるいは母国での過ごし方に近かったりするのかとも想像します。とにかく彼女たちは場所の見つけ方が上手く、都市の中にリビングをつくるような行為に、何か建築的な学びがあるように思えました。そしてなにより、この慣習が香港社会に受け入れられている(ように見える)ことが面白く、それは香港が貿易・金融で栄え、他のアジア諸国に比べ、より外に開かれた都市だからこそ成しえているのだと感じ、非常に面白い経験ができました。

左:家政婦たちがたむろする日曜の街の一角、右:平日の同エリア(筆者撮影)

家政婦たちがテントを張りくつろぐ高架下(筆者撮影)
建築そのものを見るだけでなく、街の様子、文化、食事、、あらゆることに発見があり、それらの気づきからまた新しい建築がつくられていくと思うので、皆さんも是非色々なところへ出かけて、多角的な視点で観察してみてください。
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