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日本画コース

2026年03月09日

【日本画コース】人物写生の番外編〜人体のプロポーションについて〜

こんにちは。日本画コースの岸本祥太です。
普段のブログではスクーリングの様子を中心に紹介しておりますが、今回は先月も開講された人物写生、人物制作の番外編として人体の描き方をワンポイントアドバイス的にご紹介します。

描き方といっても必ずこうでないといけないといったセオリーがあるわけではないですし、この記事で書かれている内容は授業で紹介されたものでもありません。あくまで岸本が絵を描く際の考え方の一つをブログに掲載していると思ってご覧いただけますと幸いです。
今後何回かに分けて体のパーツを少しづつ掲載するかもしれませんが、初めの一回として全身を描く際のバランスや気をつけるポイントなどを紹介したいと思います。

授業などで時間をかけて人物写生に取り組む場合は、骨格や筋肉の構造をすこし理解しておくだけでかなり役立ちます。ポーズによっては手や足などが部分的に隠れて見えない場合がありますが、そのような場合は頭の中で想像して繋げるしかありません。人体の構造を理解していれば見えない部分は頭の中で補完して繋げることができます。ゆったりした服を着た人を描く場合などにも同じことが言えると思います。

ただ、日本画の制作では敢えて平面的に描いたり、造形的に省略したりと頭の中のイメージを優先して描写されることが多いです。これは近代以前の昔の絵を見てもそうですね。大きくデフォルメされた人の絵をみて外国の人は大層驚かれたとききます。
昔の人に敢えてデフォルメして描こうという気持ちがあったかどうかはわかりませんが、現代で日本画を描く私たちにとっては画面に説得力を持たせる方法として、知って理解した上で形を崩すことは有用な手段だと思います。

ブログのために大学の備品の骨格標本を借りてきました。全身のバランスは頭蓋骨の大きさを基準に測ると見えてきやすくなります。
解説書などを読むと7頭身で考える方法、8頭身で考える方法など色んな区切り方がありますが、借りてきた骨格標本がほぼ7頭身なので、このブログでは7頭身と考えて観察することにします。下の写真の通りです。

上から数えて2番目に頭が入る部分は胸の位置、3番目はおへその位置が目安になります。
もちろん個人によって差はありますが、大まかな比率を頭に入れておくことで描いている途中で絵に違和感があっても調整する目安になります。

次に腕の長さについて説明します。腕は肩から肘の部分である上腕と、肘から手首までの前腕、さらにそこから先の「手」にわけられます。上腕には上腕骨、前腕は尺骨と橈骨で構成されていて、腕全体では、あげる、さげる、肘を曲げる、伸ばす、外側と内側に捻るなどすることができます。さまざまな動作を行う分、それらそれぞれに役割を持った筋肉が存在して複雑に作用しているのですが全てを紹介することは、このブログでは割愛します。
知ろうと思えば覚えることはかなりたくさんあるのですが、描く際は、肩から肘までの長さと肘から手首までの長さがおおよそ1:0.8くらいとシンプルに考えなおすとわかりやすいです。ただ、腕や足、全身においても比率によって考えすぎるのもあまり良いことではありません。目の前のモデルさんをしっかり観察する。枚数をこなして感覚を身につけるのが結局は何より大切です。



それを踏まえて脚の比率についてですが、脚の比率についてはどこまでをどう区分するかがかなり人によって意見がわかれる印象です。
ですが、私個人的には骨盤の恥骨のあたりから膝のお皿までと、そこから下までをそれぞれ1:1ぐらいと目安にして描くことがおおいです。
膝の位置が定まっていないと太ももか脛の部分のどちらかだけが不自然に長くなってしまうということもあります。
また、脚を描く上で一つ重要なポイントとして踝の位置には要注意です。内側の踝の方が外側の踝よりも高い位置にあるので、描く際には位置関係をよく観察してみてください。



最後にもう一つだけ私が大事にしていることをご紹介して今回のブログはおしまいにします。
腕を描く際に気をつけるポイントなのですが、体に腕がついているというイメージが先行し、上腕骨から先だけを腕だと意識しすぎると不自然な絵になりがちです。腕をあげたりさげたりする際は肩甲骨や鎖骨も動きます。そして鎖骨は胸の中心にある胸骨ともつながっています。腕の動きは体の中心にまで繋げて考えると全身を一つのかたまりとして捉えられ、生きた人間らしく描くことできるようになります。
ご自身でお風呂場の鏡などで確認していただけるとわかりやすいと思うのですが、気をつけの姿勢から腕を外側に大きく広げた時、少しづつ肩甲骨の角度が開いていくのがご理解いただけると思います。そしてそのままバンザイの姿勢のように真上まで手を上げていくと、鎖骨の位置も最初の気をつけの状態と比べてかなり上向きになっているのがおわかりいただけますでしょうか?

ちなみに、肩甲骨というと体の後ろ側の背中についているという印象が強いと思いますが、上の写真の通り、よ〜く見てみると体の前面の方に突き出ている部分もあるのがわかります。ここも肩甲骨の一部で「烏口突起」といいます。この部分から体の前面に付いている筋肉もあります。肩甲骨だからといって人体の後ろ側にだけ役割を持っているわけではないのですね。ご存知でしたでしょうか?

次回までにまとまるかどうかはわかりませんが、また機会があればこの続きのことも紹介したいと思います。

それでは来月のブログもよろしくおねがいします。

 

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