

日本画コース
- 日本画コース 記事一覧
- 【日本画コース】箔を使った実験 硫黄を使って銀箔を焼く方法
2026年04月16日
【日本画コース】箔を使った実験 硫黄を使って銀箔を焼く方法
こんにちは。日本画コースの岸本です。
今月のブログでは銀箔を焼く方法をご紹介します。
銀箔を焼く作業では有毒ガスが発生します。部屋の換気を徹底し、決して密閉された空間で作業をすることのないようにお願いします。
銀箔は硫黄との化学変化によって表面を硫化させることができます。その変化の具合によってやや青みがけたり真っ黒にしたりすることもできます。
使用する硫黄は下の写真のようなものです。
主に液体タイプのものと粉末タイプのもので変化させる方が多い印象です。
私自身も箔を硫化させることはたまにしますが粉末状のもので作業することが多いです。
写真に写っている粉末タイプの硫黄(右側)は農業用のものです。
液状のものを使用するのは今回初めて使ってみましたが、2種類用意してみたのでそれぞれご紹介します。
また、今回ご紹介する種類の硫黄は基本的には画材屋さんには置いてありません。
インターネットで取り寄せることが可能なので是非調べてみてください。

初めに箔を貼ったパネルを用意します。箔は繊細な画材なので、硫化させる作業の際に破れてしまうことが無いよう、貼って一晩以上たってから次の作業をするようにしましょう。また、通常の箔はりの作業の後は表面保護のためにどドーサを塗るように授業などでも説明があったことかと思われますが、硫化させる際はドーサ液は塗らないようにします。
まずは粉末タイプの作業方法です。硫黄を大きな紙の上にひろげるか、封筒の中に入れます。ある程度広い面積がとれるよう紙全体にまぶすように広げるのがポイントです。
大きな紙に広げる際は二つ折りにして画面の上におきます。作業中に紙から洩れてしまわないように注意しましょう。
今回のブログでは大きめの封筒を用意しました。封筒であれば横から洩れる心配はないですね。

硫黄が封筒の中に入ったら、反応させたい箇所に載せて熱したアイロンを押し付けます。
アイロンの温度や押し付け加減によって硫化の具合が変わります。
変化の具合が次の3枚の写真です。
やや低い温度で何度か様子を見ながら硫化の面積をひろげてゆきました。青みを残しつつ茶色く焼くことができました。
こちらはかなり時間をかけてじっくり焼いてみました。部分的にはほぼ真黒になっていますが、さらに時間をかけて広げてゆけば画面全体を真っ黒にすることもできると思います。
こちらはあえて失敗の例を作ってみました。アイロンを全く動かさずに5分ぐらい置いてみたところ、アイロンの形がくっきりそのまま残ってしまいました。
ただし、全面を真っ黒にするのであればこの調子で黒を塗り広げていけばアイロンの形も消すことができるかもしれません。
液状タイプの硫黄は下の写真のように筆を使って描くことができます。
原液のまま使うとすぐに真っ黒になってしまうので水で希釈して使うのがおすすめです。
硫化後は画面を水などで洗い流してあげないと任意の変化具合で留めることができなくなります。洗い流すときは、箔ごとはがれてしまわないように、使い古した刷毛などで何度かやさしく拭きとるようにしましょう。
注意点として、水で流れた硫黄が付着した箇所が硫化すると任意の箇所以外も変わってしまいます。
水を流した程度では箔が取れないよう、強固に張り付けておくことも大切です。


こちらのように硫黄液に紙や布を浸して乾燥させた「硫黄シート」というものを自作して使用される作家さんもおられるようです。今回は山本雄教先生にお借りしています。紙の端の黄色い部分は硫黄成分だそうです。
この硫黄シートは粉末タイプで紹介したときと同じように、あて布をした上からアイロンをかけて使用します。
最後に、ドーサでドローイングしたパネルに粉末の硫黄で変色させてみました。
先ほど液状タイプの硫黄で「描いた箇所だけ色を変化させる方法」をご紹介しましたが、こちらは逆に「描いた箇所以外の色を変化させる方法」です。上の写真のような具合です。
手順自体は簡単で、色を変化させたくない場所をドーサ液で描いて予め描いておくだけです。
粉末の硫黄は時間をかければ画面に撒くだけでも箔の色を変化させることができます。上の写真でおおよそ5時間程度放置した状態です。
粉末の硫黄を画面にまぶす際は、篩などを使うと便利でした。調理用のものを100均で購入してきました。

一晩以上経過するとかなり硫化が進んでいました。アイロンで変色させるよりも柔らかい変化の印象です。
篩を使ってまぶすと視認できる粉の範囲よりも広く撒かれており、巻いたつもりのない場所もじんわりと変色していました。変色にグラデーションを作りたい時などに便利かもしれません。
さて、今回のブログはここまでです。冒頭でも記載した通り私自身も箔を焼く作業はあまりいろんな方法で試したことがあるわけではないので実験結果としてもおもしろいことができました。
皆さんも様々な方法を試してみてください。
それでは次回のブログもよろしくお願いします。
日本画コース | 学科・コース紹介

大学パンフレット資料請求はこちらから
今月のブログでは銀箔を焼く方法をご紹介します。
銀箔を焼く作業では有毒ガスが発生します。部屋の換気を徹底し、決して密閉された空間で作業をすることのないようにお願いします。
銀箔は硫黄との化学変化によって表面を硫化させることができます。その変化の具合によってやや青みがけたり真っ黒にしたりすることもできます。
使用する硫黄は下の写真のようなものです。
主に液体タイプのものと粉末タイプのもので変化させる方が多い印象です。
私自身も箔を硫化させることはたまにしますが粉末状のもので作業することが多いです。
写真に写っている粉末タイプの硫黄(右側)は農業用のものです。
液状のものを使用するのは今回初めて使ってみましたが、2種類用意してみたのでそれぞれご紹介します。
また、今回ご紹介する種類の硫黄は基本的には画材屋さんには置いてありません。
インターネットで取り寄せることが可能なので是非調べてみてください。

初めに箔を貼ったパネルを用意します。箔は繊細な画材なので、硫化させる作業の際に破れてしまうことが無いよう、貼って一晩以上たってから次の作業をするようにしましょう。また、通常の箔はりの作業の後は表面保護のためにどドーサを塗るように授業などでも説明があったことかと思われますが、硫化させる際はドーサ液は塗らないようにします。まずは粉末タイプの作業方法です。硫黄を大きな紙の上にひろげるか、封筒の中に入れます。ある程度広い面積がとれるよう紙全体にまぶすように広げるのがポイントです。
大きな紙に広げる際は二つ折りにして画面の上におきます。作業中に紙から洩れてしまわないように注意しましょう。
今回のブログでは大きめの封筒を用意しました。封筒であれば横から洩れる心配はないですね。

硫黄が封筒の中に入ったら、反応させたい箇所に載せて熱したアイロンを押し付けます。アイロンの温度や押し付け加減によって硫化の具合が変わります。
変化の具合が次の3枚の写真です。
やや低い温度で何度か様子を見ながら硫化の面積をひろげてゆきました。青みを残しつつ茶色く焼くことができました。
こちらはかなり時間をかけてじっくり焼いてみました。部分的にはほぼ真黒になっていますが、さらに時間をかけて広げてゆけば画面全体を真っ黒にすることもできると思います。
こちらはあえて失敗の例を作ってみました。アイロンを全く動かさずに5分ぐらい置いてみたところ、アイロンの形がくっきりそのまま残ってしまいました。ただし、全面を真っ黒にするのであればこの調子で黒を塗り広げていけばアイロンの形も消すことができるかもしれません。
液状タイプの硫黄は下の写真のように筆を使って描くことができます。
原液のまま使うとすぐに真っ黒になってしまうので水で希釈して使うのがおすすめです。
硫化後は画面を水などで洗い流してあげないと任意の変化具合で留めることができなくなります。洗い流すときは、箔ごとはがれてしまわないように、使い古した刷毛などで何度かやさしく拭きとるようにしましょう。
注意点として、水で流れた硫黄が付着した箇所が硫化すると任意の箇所以外も変わってしまいます。
水を流した程度では箔が取れないよう、強固に張り付けておくことも大切です。


こちらのように硫黄液に紙や布を浸して乾燥させた「硫黄シート」というものを自作して使用される作家さんもおられるようです。今回は山本雄教先生にお借りしています。紙の端の黄色い部分は硫黄成分だそうです。この硫黄シートは粉末タイプで紹介したときと同じように、あて布をした上からアイロンをかけて使用します。
最後に、ドーサでドローイングしたパネルに粉末の硫黄で変色させてみました。先ほど液状タイプの硫黄で「描いた箇所だけ色を変化させる方法」をご紹介しましたが、こちらは逆に「描いた箇所以外の色を変化させる方法」です。上の写真のような具合です。
手順自体は簡単で、色を変化させたくない場所をドーサ液で描いて予め描いておくだけです。
粉末の硫黄は時間をかければ画面に撒くだけでも箔の色を変化させることができます。上の写真でおおよそ5時間程度放置した状態です。
粉末の硫黄を画面にまぶす際は、篩などを使うと便利でした。調理用のものを100均で購入してきました。
一晩以上経過するとかなり硫化が進んでいました。アイロンで変色させるよりも柔らかい変化の印象です。篩を使ってまぶすと視認できる粉の範囲よりも広く撒かれており、巻いたつもりのない場所もじんわりと変色していました。変色にグラデーションを作りたい時などに便利かもしれません。
さて、今回のブログはここまでです。冒頭でも記載した通り私自身も箔を焼く作業はあまりいろんな方法で試したことがあるわけではないので実験結果としてもおもしろいことができました。
皆さんも様々な方法を試してみてください。
それでは次回のブログもよろしくお願いします。
日本画コース | 学科・コース紹介

大学パンフレット資料請求はこちらから
おすすめ記事
-

日本画コース
2026年03月09日
【日本画コース】人物写生の番外編〜人体のプロポーションについて〜
こんにちは。日本画コースの岸本祥太です。 普段のブログではスクーリングの様子を中心に紹介しておりますが、今回は先月も開講された人物写生、人物制作の番外編として人…
-

日本画コース
2026年02月06日
【日本画コース】1月スクーリング マチエール作りと完成報告
こんにちは。日本画コース業務担当の岸本です。 今月は剥製制作と人物制作の授業が開講されました。それぞれご紹介します。 【日本画IV-2剥製制作】は年末頃に開講さ…
-

日本画コース
2026年01月06日
【日本画コース】12月スクーリング 剥製写生と人物制作
新年明けましておめでとうございます。日本画コース業務担当の岸本です。 このブログを書いている頃はまだ2025年の年末なのですが、個人的にはやらないといけないこと…






















