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食文化デザインコース

2026年06月25日

【食文化デザインコース】食の現場で役立つ芸術大学の学びとは

フロリス・ファン・ダイク「チーズのある静物画(1615年頃)」(筆者撮影)



こんにちは。オランダの静物画が大好きな食文化デザインコースの教員 中山晴奈です。

さて、芸術大学の知識は食の仕事のどんなところに役立ちますか、とよく質問されます。
普段からフードディレクションやスタイリングなどの仕事に携わっていますが、一言でいえば芸術の学びはすべて食とつながっていると言ってもいいのでは… と思っています。

食と言ってもその範囲は広いですが、今回は食の仕事に広く役立ちそうな学びを、弊学通信教育部の共通科目※からいくつかピックアップしてみます。

※コース・学科を超えて学ぶ、一般教養から芸術の基礎まで、幅広く学べる京都芸術大学の共通カリキュラム。



◼︎デッサン (野菜か果物を一つ描く)
あらゆるクリエイティブな仕事の根幹となるデッサン力。デッサンは絵を描く訓練でなく、「見る力」の訓練です。見ることは、外界の情報を得るための窓口で、感性や思考にも大きく影響を与える大切な行為です。観察力の向上なくして料理も上手くなりませんし、写真表現や映像表現にも欠かすことができません。

◼︎色彩表現基礎
日常の生活の中で色彩を意識し、私たちをとりまく色彩環境に鋭敏に応答していくための力を身につける講義です。色彩の知識が役立つ現場の多様さを知り、アート&デザインの視点が役立つ仕事の幅の広さも理解が深まります。

◼︎色彩と形
身のまわりの素材をもとに、「かたち」と「色」のありかた、また面白さを探ります。日常の暮らしの中で面白さを見つけることで、食の仕事の観点も深まります。

◼︎メディア論への階段
マルチメディア時代を歴史・社会的視野をもって捉え、メディア・リテラシーの意識と考え方を学びます。私たちの生活全体がメディアによって成り立っていて、それらとどう向き合うか基礎を理解することで、食表現として欠かせないSNSへの理解も深まり、写真や映像表現も広がるはずです。

◼︎民俗学への階段
民俗学の成り立ちから、学問的な特徴、研究手法などを学ぶ科目です。日本の行事や地域を学ぶ上で民俗学の視点や手法は必須です。食の仕事は文化や歴史背景を調査することも多いですから、食に興味を持つ方は民俗学も楽しい!と思える方が多いようです。

◼︎伝統芸術基礎(茶の湯)
茶の湯は、精神的な要素が根幹となって、一面には審美的造形的な世界を持ち、一面には手前作法から茶事の喜びという美味求心の世界までが有機的に統合される世界です。いわゆる「和」の文化を深めようとすると避けて通れません。建築・庭園・工芸と多方面への理解も深まります。

◼︎基礎デッサン4 (植物:草花を描く)
植物が持つ繊細でありながらも、力強い生命感あふれるかたちの複雑さ、美しさを感じながら描きます。観察が深まれば深まるほどに見ているままの植物のかたちが、見た証として画面に現れることを体感します。食材や器を見る力が養われます。

 

いかがでしょう。一部だけのご紹介でしたが、ちょっとわくわくしませんか?

ここまでご紹介した科目はコースを超えた芸術大学としての共通科目でしたが、さらに食文化デザインコースでは専門科目として、より食に近い科学や民俗学、デザインを学ぶこともできます。
たまに共通科目は食と関係がないから学ぶモチベーションが上がらないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、扉を開くと芋づる式に学習の面白さがつながっていくのもリベラルアーツとしての共通科目の楽しいところ。そんなわけで、受講に際しては自分に合った科目を見つけること、学生を楽しんで、初めてのことにも挑戦する気持ちがポイントです。

日々の梅仕事を写真家と記録し、筆者が展示発表した様子。(写真作品:川瀬一絵)



食文化デザインコースを卒業すると芸術学の学士が与えられます。美術と食は直接の関係がないように考えられることが多いですが、このように共通科目だけでも暮らしへの解像度が高くなります。

卒業制作では、学習の集大成として、自身の考えを社会に発表もしますが、これが大変ながらも今後の自分自身の羅針盤となる経験になります。自身の日常や仕事を一歩深めるにはいろいろな方法がありますが、取り組む人それぞれに答えがあり、一つではないということを体感できます。これも、芸術大学の良さですね。

芸術大学の学びは、仕事に役立つだけでなく、生きる上での豊かさを身につけることができると私自身が学びました。
ご興味のある方、ぜひあなたの好きを深めに、学びの世界に飛び込んでみてください。

興味を持たれた方は、ぜひ以下のリンクから詳細をご覧ください。

 

食文化デザインコース|学科・コース紹介

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