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空間演出デザインコース

2026年08月26日

【空間演出デザインコース】商品の魅力を引き出すパッケージ「デザインマネジメント」

こんにちは。
空間演出デザインコース(空デ)研究室の森明子です。

今年の夏も、記録的な猛暑となっていますね。
外を少し歩くだけでも体力が奪われるような日々ですが、みなさんはこの夏、どんな「マネジメント」をしていますか?

いやいや、マネジメントなんて難しい仕事はしていないよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、猛暑を乗り切るためのこまめな水分補給やエアコンの調節、自身の体調管理だって、立派なマネジメントです。

さらには、仕事を円滑に進めるためのタスク管理、休日のスケジュール調整、日々の献立の決定や買い物のやりくりまで──。
私たちは毎日、ごく自然に何かをマネジメントして生きているのです。

さて、デザインの世界においても、限られた条件や環境の中で最大の成果を出す、という戦略的な視点は欠かせません。
今回は、そんなデザインにおけるマネジメントの手法を学ぶ、スクーリング科目「デザインマネジメント」の様子を紹介します。

なお、スクーリング科目は、基本的に土日2日間のリアルタイム受講(科目によって京都・東京・遠隔の開講あり)が必須となりますが、今回の「デザインマネジメント」は遠隔授業でしたので、オンラインならではの良さもお伝えできればと思います。

戦略的なデザインとは


お店などで商品と出会う時、多くの場合、商品の本体よりも「パッケージ」が最初に目に入るかと思います。

かっこいいパッケージ、かわいいパッケージ、おしゃれなパッケージ。
売り場の中でもきっと目立つことでしょう。
ただ、そんな外箱を作れば正解!という話ではありません。

一般的にデザインというと、「見た目を美しく装飾すること」と思われがちです。
しかし、良い商品には、その商品にしかない特徴や、他とは違う価値があるものです。
そして、商品の顔となるパッケージには、その商品の本当の魅力が伝わるようなデザインが求められているのです。

そのヒントが「ブランディング」にあります。

ブランディングの本質は、あれもこれもと欲張るのではなく、独自の強みを一点に見極め、それを一貫した見せ方(デザイン)で伝えていくところにあります。

その商品の良いところ、他の商品とは違うところを整理すると、その独自の強みが見えてきます。



やみくもにパッケージを考えるのではなく、何を伝えるのか、どんな方向性にするのかをしっかり決めてから、戦略的にデザインに落とし込んでいくわけですね。

この「デザインマネジメント」の授業では、そんなブランディングの方法論を学んでから、学生たちそれぞれが商品パッケージのデザインにチャレンジしていきました。

デザインの方向性を見極めて


学生たちは、出身地や思い入れのある地域で既に販売されている「お土産物」について、事前に調べてから授業に参加しました。
お土産物としてごく一般的な洋菓子、和菓子から、ジュース、カレー、海産物、味噌、こんにゃく、お酒など、学生たちが選んだ事例は多岐に渡ります。
遠隔授業ということもあり、全国各地の名産品やお土産について知ることができるのも、今回の授業の面白いところでした。

そして、自分の選んだ商品のパッケージには改善すべき点がある、と設定し、再度ブランディングの方向性を見直す「リ・ブランディング」を行うのが、今回の課題になります。

まず、徹底的に時間をかけて行うのはリサーチです。
対象とする商品の現状、競合商品や社会的なトレンドについて調査・分析します。
そして、その商品ならではのポジションを見極め、他の商品との差別化を図ることができるようなポイントを見つけます。

このフェーズを丁寧に行うことで、ブランドの核となるデザインコンセプト、つまり一貫したデザインの方向性が見えてくるのです。

このような図表を使ったり、イメージに近い画像を集めたりしながら、コンセプトを検討していきます。


それぞれの「リ・ブランディング」


デザインの方向性が決まれば、具体的な解決策として新たなパッケージデザインを立案します。
とは言え、2日間のスクーリングではパッケージの実物を制作するのは難しいため、この授業での最終的な作品は「企画書」になります。
紙媒体になると、どうしても大人数での共有が難しい「企画書」ですが、オンライン上で画面共有をすると、細かい文字や、図、写真なども、ハッキリ見えるのが良いですね。

調査・分析した内容から見出したコンセプト、そして具体的なデザインまで、一貫して提案する「企画書」に仕上げます。パッケージのイメージも伝わるよう、ビジュアルで工夫して表現していますね。



今回の課題の対象は、学生によって、全く違う商品になります。
なので、教員も学生一人一人に、それぞれのプロジェクトに即したアドバイスをします。

自分の選んだ商品の場合は、どのようなブランディングの可能性があるのか、ケーススタディとして、具体的に実践的に学ぶことができるのは、この授業での大きな収穫ですね。

 

さて、今回は「デザインマネジメント」の授業の様子についてお話ししてきましたが、少し専門的な内容もあったかと思います。
実は、この科目は空間演出デザインコースの学習の中でも3年次の配当になるので、かなりチャレンジングな課題内容でした。

今回のような実践的な科目までに、1年次・2年次の基礎的な科目で経験を積みますので、これから初めてデザインを学ぶ方も安心してくださいね。

「ブランディング」について気になってきた方のために、授業でも参考文献として指定している書籍を紹介しておきます。

右から、西澤明洋『ブランディングデザインの教科書』(2020)、『ブランドをデザインする!』(2011)、どちらも株式会社パイインターナショナルより。



世の中には、このように考えられた、あらゆるデザインが存在しています。
身近な商品のパッケージを観察して、デザインに込められた想いを考えてみるのも楽しいかもしれませんね。

 

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