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2026年09月01日
【書画コース】伍葉展インタビュー



こんにちは、書画研究室の川端不條です。
今回のブログでは、親しくさせていただいている日本篆刻家協会の先輩方の展覧会を紹介します。以前より楽しみにしていた展覧会ですが、ちょうどブログの担当時期と重なっていたため、あらかじめご了承をいただき、今回のテーマとしてご紹介することにしました。
まずは「伍葉」の発足についてご紹介します。
結成して10余年になりますが、印材の原産地である中国浙江省青田県を訪ねたことを契機として始まりました。
「伍」は古代中国の最小戦闘単位、転じて仲間を意味し、「葉」は青田石の別名である葉蠟石から「伍葉展」と名付けられました。
当初は五名でスタートし、現在は三名で活動していますが、三者三様、それぞれに個性があり、斬新な表現の作品も多く、また題材に対する強い思いが感じられます。「必ず足を運びたくなる展覧会」として、毎回楽しみにしているファンも多い展覧会です。
以前は神戸・元町「みなせ画廊」で毎年冬に開催されていましたが、今回は尼信会館にて特別展が開催されています。会期も1カ月と長く、ブログ公開後もまだ間に合うと思いますので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
以下、作家と作品について一部をご紹介しますが、ぜひ直接会場へ出かけ、実際の作品をご覧になり、作家の皆さんとお話しいただく楽しみも残しておきたいと思います。
〇北田成磊


仏像印《慈光》
逆光を利用した作品、直接見ないとわからない良さがある
北田氏は、最近の中国の現代篆刻のメインストリームである陶印を主に制作しています。
氏はここ10年来何度か尼信会館を観覧することがあり、今回展示するにあたって多く展示方法を推敲する必要があったとのこと。
上記作は窓ガラスの“逆光”を利用した作品で、透明度の高い薄い裏打ち紙のみを使用して簡易的な表装で展示しています。陶印の印影には白い版画用絵具を使用し、裏から差し込む光が当たると何層にも色が透けて見えるように工夫しています。
また、展示するまで狙い通りに行くか不安な面もありながら、結果的に天候や時間の変化によって刻々と作品のさまが変わり、(展覧会の会期が長いため)何度来ていただいても楽しんで見てもらえる作品になっています。
ガラス張りのケースなど、全く経験のない博物館設備での展示であったため、今までにない発想の作品につながったのとのことでした。

《蘭亭陶板》(一部)
自然にできた破片の風合いを得るために実際の縄文土器の破片から型を取り作成。陶印に印泥を付けた際の赤が美しく感じ、着色するという発想に至ったとのこと。
〇稲垣華扇


《上下求索》《断壁颓垣》
稲垣氏は以前バーで個展をした際、バーの雰囲気、照明に合った西洋的な作品を作った経験を元に今回の作品を制作したとのこと。
上記画像は磚に倣った作品で、使用材料は段ボール、ガーゼ、モデリングペースト、刷毛、スポンジ等を駆使し、石の風合いを出しました。(砂を混ぜたらもっと深みが出たかもとのこと)
他、磚を篆刻作品の額に見立てたり、風化してできた傷の部分を文字に見せる(人工的ではなくあくまで自然の風合いになるよう目指した)、落款印の部分はシーリングワックスを使用し封泥の雰囲気を出すなどの工夫が施されています。
また今回の展覧会はガラスケースの奥行や、360度見られる立体作品を魅せるのが難しかったとのこと。初めての試みだったが今回一番気に入っている作品とのことでした。

ハニカム段ボールを使用した篆書作品。カッターで切ると深みが出る。また安価で創作に使用しやすいメリットがある
〇石留之然
石留氏は三重在住の方で、普段より中国の現代作家に影響を受けた斬新な印風や書風の作品を作られています。最近は日本の詩や言葉を題材にすることが多く、今回は出身地に関係のある作品を制作したとのことでした。今回は交通機関や天候の兼ね合いでお会いすることができませんでしたが、メールにてインタビューをさせていただいています。

《芭蕉句 「是生滅法生姜梅漬」》
芭蕉と似春との言葉遊びの作品。似春の前句に対して、これを芭蕉が付句で返している。
以下、氏のインタビューより
「自身の出身である伊賀に縁のある人物を題材にしたく芭蕉の句を選び、また仏教用語がテーマな為、墨跡(禅僧の書風)のように墨で滲んで読めなくなるくらいの書を目指しました。もう一つの目的は、自分の書作の幅を広げるためであり、当初の想定は須田剋太のような強い堂々とした線で表現したいと考えていました。表装はあえて仰々しく、一文字は紅生姜をイメージしました。」とのこと
氏は展覧会をする際は今回に限らず、見ている人の目に留まるような作品を作ること、また見ていて面白い、感情が伝わってくる作品を作りたいと思っており、今回大きな会場を埋めることを心配していたが一度経験することで心が楽になったとのことでした。


《游之至楽帖》
以前より書き溜めていた書作品を折帖にまとめて発表
折帖と墨は尊敬している篆刻の先輩からいただいたもので必ずこれを使いたかったとのこと。
両作品の共通項として「真剣に遊ぶ」ということを特に大事にしているとのことで、その言葉通り作品より氏が楽しんで制作したであろう想いがひしひしと伝わってきます。
先ほども申し上げたように事前にいろいろ聞いていましたが多く語りすぎると展覧会の楽しみがなくなってしまうのでひとまず簡素的にまとめました。(先生方、拙いまとめ方で申し訳ございませんがこれで何卒ご容赦ください)。
私は普段はインタビューなどせず展覧会はスッと見て帰るのですが、改めてインタビューしてみるととても勉強になる部分が多く、わたくし自身今後の作品制作において大きく参考になりました。また特に展示の見せ方、作品に対してどのように工夫するかなど、制作の裏側を知ることで芸術作品に対しての理解がより一層深まりました。
以上今回のインタビュー記事如何でしたか?
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また他の記事も、まだまだ面白いもの沢山ありますので一読いただけると幸いです。次回のブログもお楽しみに!
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