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洋画コース

2026年09月09日

【洋画コース】新着任のご挨拶と作品紹介

皆さん、はじめまして。今年度より洋画コースの非常勤講師に着任しました、稲垣美侑(いながきみゆき)と申します。2021年に東京藝術大学の美術専攻油画にて博士号取得後、近年は国内外の展覧会に参加しながら、油絵を中心に、人や自然が共生する環境や絵画というイメージの生成される場について考えながら制作を続けています。

《Pond Songs》272×220mm,Oil on cotton,2025



振り返ってみると、高校半ばまで美術の世界とはほぼ無縁の環境で過ごしてきた私にとって、”美術大学”とその後の道は、まったくの未知なる世界でした。対象を観察し、描く力を養うということは、単に再現的な描画力を身につけるということだけでなく、対象を多角的に理解し異なる言語に置き換えることー、すなわち新しいモノの見方を手に入れるという驚きのプロセスが潜在しているように思います。美大に長く籍を置き、同時代の多様な価値観や表現に触れながら友人や恩師らと過ごせた日々は、絵画という媒体をより深く学び、思考するかけがえのない時間となりました。

個展《Root/Shoot》SOM GALLERY, 2024



現在の制作は、「世界はどのような姿をしていたか」という問いをもとに、身近な環境への観察から始まります。場所に内包される諸要素(季節、天候、色彩、光、水、動植物の気配、暮らしの痕跡など)に目を向けると、見慣れたはずの対象にも多層的な時間や関係が存在していることに気づかされます。そうした過程をもとに、画面のなかでは色、質、形、空間といった絵画的要素を繰り返し組み替えながら、イメージそのものを探っていきます。また近年は、絵画をひとつの「場所」や「環境」として捉え、展示空間も含め作品化する可能性を模索しています。

《Garden Plot》910×1165mm,Oil on cotton,2025



絵を描くことは、対象を繰り返し観察し、自分なりに理解しながら、世界との関係を深めていく行為でもあると思います。皆さんと一緒に「見ること」「描くこと」に向き合いながら、絵画の面白さに触れていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

企画展《パラランドスケープ“風景”をめぐる想像力の現在》展示室:稲垣美侑“View from the island”
,三重県立美術館,2019 / Photo:尾﨑芳弘/DARUMA



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