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染織コース

2018年06月08日

【染織コース】授業風景「染織II-1 染色実験」

こんにちは。染織コースの久田です。新入生の皆さんが受講するスクーリングの中から「染色実験」をご紹介します。

写真1.乾燥中の布【乾燥中の布】
綺麗ですね。天然染料も素晴らしい発色なのですがこの授業では合成染料(化学染料)の基本的な染め方を実習します。木綿、羊毛、絹など、繊維の種類によって使う染料を選ぶ必要があります。それぞれの染料の基本的な使い方を実験形式で勉強するのがこのスクーリングです。写真は授業で染めた布を乾かしているところです。

写真2,精練【精練】
授業ではまず布の前処理(染める前の布の準備)から実習します。天然の繊維には染料が染まりつくのを邪魔する物質がついています。木綿なら油分やろう、タンパク質やペクチンなどです。これらを染色の前に取り除く工程が精練(せいれん)です。精練後の溶液は濁ってうっすら茶色になります。

写真3.漂白【漂白】
精練すると木綿布はいくらか白っぽくなりますが自然の生成色は残ります。この色を取り除く工程が漂白です。塩素漂白と酸素漂白の実験を行います。

写真4.浸染【直接染料の浸染】
精練と漂白実験の次はいよいよ染料で繊維を染めます。まずは木綿の布と糸を染料液に浸して染める実験です。浸して染めるので浸染(しんぜん)という方法です。布でも糸でも全体を同じ色に染めるのに適した方法です。

写真5.刷毛染め【刷毛染め】
次は刷毛染めです。木綿の布に伸子(しんし・布をピンと張るための道具)をかけ、刷毛で染めていきます。ドキドキしますね。濃淡を染めるのですが淡い方の色は刷毛跡が残りやすく、手早く染める必要があります。

写真6.アルカリで定着【反応染料のアルカリ定着】
同じ木綿でも反応染料は染め方が違います。刷毛染めをして布が完全に乾いてからアルカリの液体を塗って反応させます。手につくと手荒れするのでゴム手袋をしています。私の友人に学生時代、素手でアルカリを塗った人がいます。手にアルカリがしみて痛かったそうです。皆さんはゴム手袋を忘れないでくださいね。

写真7.教室の様子【教室の様子】
教室は普段講義に使っている部屋です。加熱が必要な工程は電熱器を使っています。そのほかアイロンや電気ポットも使うので電気の使用量が多く、特別に電気工事をしてもらっています。

写真8.持ち帰り用のサンプル【持ち帰り用のサンプル】
授業で実験した糸や布は全員で切り分けて持ち帰ります。持ち帰ってから自分のサンプル帳を作るのです。持ち帰る際に紛れてわからなくならないように分類シートに貼り付けます。

授業では小さく切り分けた布や、小さい綛(糸を染めやすい形に巻いたもの)を染めています。正しい手順を知り、今後の作品制作を安全かつ確実に行えるようになるのが目標です。実際の作品になると糸量や布がもっと大きくなりますので、スクーリングで技法の習得をしながら糸や布の染め方も実践形式で学びます。サンプル帳は授業後もどんどん増やしていって活用してください。

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