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歴史遺産コース

2018年08月14日

【歴史遺産コース】歴史遺産コース学習相談会と歴史遺産コース同窓会

歴史遺産コースの栗本です。

去る722日、歴史遺産コースでは学習相談会を大学のキャンパスを離れて東京、茅場町で実施しました。

学習相談会とは、普段の学習で、気になっていることや分からないこと、学習計画の進め方など、なんでも教員に直接聞いてみようという趣旨で開催している気楽な相談会です。

722日に東京、28日に京都でそれぞれ学習相談会を企画したのですが、残念ながら京都の学習相談会は台風の接近で延期となってしまいました。

今回は、東京での学習相談会とその後の築地ぶらぶら歩き、そして同日築地本願寺で開催された「瓜生歴史遺産の会」もご案内しようと思います。



当日は、午前10時の開始前から、照りつける日差しで街路がジリジリと焼けるような酷暑でしたが、遠方からわざわざ来場された方も含め、14人の参加で実施することができました。

学習相談会



各自で取り組む必要があるテキスト科目については、こうした機会に他の方の取り組みの例や、教員のアドバイスを受けることで、学習の方法がよくわかったという感想もいただきました。

また、具体的に論文研究や卒業研究を進めていくのに、事前にどの程度の準備が必要なのか、年間に他の科目と合わせてどのような学習計画を立てれば良いのかなど、シラバスの情報だけではイメージしにくい具体的な事柄を、参加してくれていた大学院生の経験談も交えてお話しいたしました。加えて、迷ったらどんどん教員相談を申し込んで個別相談ができることも案内したことで、安心しましたという声も聞きました。

学習相談会



 

さて学習相談会の後は、参加者有志で築地まで出かけ、石神先生のご案内で、場外市場の昭和40年代の地図を見ながら、その変化などを辿りつつぶらり歩きを実施しました。

築地場外市場



もともと多数の寺が立ち並んでいた築地。かつての寺院跡が新しいホテルに変わっていたり、いまだに残る古い寺院の建造物を見学したりと街歩きをし、波除稲荷神社に詣でました。

築地 圓正寺



築地 圓正寺の建築



波除稲荷神社



波除稲荷神社は、万治年間(16581661)の創建と伝えられ、築地一帯の埋め立てが行われていたこの時期に、波浪によって工事が難航を極めていたところ、海中に漂っていた稲荷明神の像を祀ったところ波浪がおさまり、工事が無事に完了したと言われます。

江戸時代には多数の獅子が練り歩くという祭礼が行われていたそうですが、今日も6月に「つきじ獅子祭」として「厄除け天井獅子」や「弁財天お歯黒獅子」の巡行が行われることがあり、伝統を伝えているということです。

赤と黒の一対の巨大な獅子頭が本殿前に安置されていました。

波除稲荷神社の獅子殿



波除稲荷神社のお歯黒獅子



こうして、お昼は三三五五、好きなお店に入って、築地の新鮮なネタを使った美味しいお寿司に、舌鼓を打ちました。

築地のお昼はお寿司



さて、引き続いて築地本願寺で行われた「瓜生歴史遺産の会」に会員の皆さんとともに出席しました。

「瓜生歴史遺産の会」は、在学生、卒業生、教職員など、京都造形芸術大学の歴史遺産コースでの学びに関わった方なら、誰でも入れるという広い意味での同窓会です。ですから会員は、卒業生だけでなく現在在学中の学生も、さらにはいろいろな事由で、学習を継続できずに大学を去った方にも開かれています。

本会は、昨年歴史遺産コース開設15周年を機に設立され、今年、東京で第2回総会が行われたのです。

築地本願寺



築地本願寺は、伊東忠太の設計で、昭和9年に建造されたインド、イスラムの建造物に影響を受けた、じつに個性的な建築として知られています。

瓜生歴史遺産の会の役員の方々の尽力で、このような素晴らしい文化遺産の一角での開催が実現し、歴史遺産コースらしい会合となりました。

瓜生歴史遺産の会



学長の講演



そして今回は、京都造形芸術大学 尾池和夫学長が、「日本列島の自然 季語の生まれた国」という演題で特別講演をしてくださったのです。

地球科学の立場から日本列島の成り立ちと変化に富んだ地形、そして四季のある気候について、詳しい映像資料を駆使してわかりやすくお教えいただくとともに、こうした日本列島にこそ発展した「俳句」を俳人として季語との関係に触れながら、豊かな知識と軽妙な語り口でお話しいただきました。

卒業生を大切にする大学を標榜されている学長は、以前から本会の設立趣意にご関心を持っておられたのですが、ご多忙のスケジュールをやりくりして、この酷暑の中、わざわざ築地での会にご登壇くださいましたこと、まことにありがたいことであったと思います。

会員による活動報告



学長の講演の後、総会、そして、会員の活動報告が行われました。ここでは、今年の5月に瓜生歴史遺産の会が実施しました「さかい待庵の魅力を中村先生(中村利則本学特任教授)に聞く」という学習会の報告(大学院生)と、「常総市水損文化財の修復に関わるボランティア活動」の報告(在学生)でしたが、いずれもたいへん内容の濃い発表で、文化遺産に直接関わって考え、行動する会員の姿が顕著に表れていました。

旧交を暖める同窓会というだけでなく、学びを続けること、学びで繋がること、そして自ら文化遺産に関わっていこうとする歴史遺産コースの仲間を私も嬉しく、誇らしく思いました。

この発表を聞かれていた学長が、隣に座っていた私に突然、「僕も会員になりたくなった」とおっしゃったことに、最初は、耳を疑いました。

そして実際このあと、尾池学長は会の役員に直接申し出られ、「瓜生歴史遺産の会」に入会されたのでした。

築地本願寺正面で、参加者集合写真



その後の懇親会では、卒業生、在学生の交流が和やかに行われ、会が終わって出てくる頃には、とっぷりと暮れていました。

月夜の築地本願寺



振り返ると、築地本願寺は、夏の月夜に一層エキゾチックな姿で浮かび上がっておりました。

 

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