空間演出デザインコース
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2018年08月21日
【空間演出デザインコース】真夏の刺激・公開特別講義「領域を横断するデザイン」レポート
こんにちは。空間演出デザインコースの上田です。
五山の送り火とともにお盆が終わった京都ですが、この原稿を執筆している週末は少し前までの猛暑が嘘だったかのように過ごしやすく、一気に秋の訪れを感じ始めました。
このまま遊ぶにも学ぶにも適した気候へと突入してくれることを願っています。
さて、今日はまだ暑かった8/11(土)に京都で開催されました空間演出デザインコース主催の公開特別講義などをご紹介します。
ちょうど当日は、空間演出デザインII-1「デジタル表現基礎」のスクーリング初日でした。空間演出デザインコースでも二次元、三次元の様々な表現力のひとつとして、パソコンを使った表現についても学びます。
写真を加工する「Photoshop」、プレゼンテーションや企画書作成、様々なデザインワークにと万能な「Illustrator」というデザインの業界で最もスタンダードなソフトウェアの基礎を身に付ける科目です。
土日の2日間でソフトを起動する本当の入り口から、それぞれのソフトウェアの基本操作を学び、最終的には写真と文字を組み合わせた印刷物の作成までをみっちりと学習します。

このように皆さん自身のパソコンを持参しての受講になります。本格的な使用は初めての方が多く、不慣れで時に操作に迷いながらも、なんとか翌日の完成まで漕ぎ着けました。
もちろんこの2日間で達人になれるわけではありません。自宅に帰ってから復習したり、コースサイトにアップされているコースオリジナルの映像教材を見ながら、とにかく使い続けることが肝要です。今年の年賀状はぜひこれらのソフトで今までの最高傑作を作ってもらいたいと思います。
初日の授業が終わった後、18:00から特別講義が始まりました。
今回は本学通学部の空間演出デザイン学科准教授の酒井洋輔先生をお招きし、「領域を横断するデザイン」というテーマで、幅広いご自身の活動や仕事をご紹介いただきました。
酒井先生は「専門領域がない」と自身を語りますが、その言葉に納得するほど幅広く様々な領域でデザインやアートディレクションを手がけておられます。

最初は、今年(2018年)の1〜3月に開催された「青森トリエンナーレ2017」から始まりました。(ちなみに酒井先生はこの日も午前中まで青森出張で帰路の途中で直接講義にお越しいただきました。)
青森トリエンナーレ2017公式WEBサイト
青森の真冬に開催するという掟破りな芸術祭の背景からご自身が手がけた企画やデザインをご紹介いただきました。その視点や発想にいきなり皆さん感心した様子でした。中でも、青森の「素顔」を捉えた公式ガイドブックは、会期が終わった今も青森の方に購入されているなど、青森の魅力や価値を引き出して地元の方をも魅了することができているのが素晴らしいですね。
この視点や発想は酒井先生の仕事に触れるにあたりとても重要そうです。
酒井先生が主宰するCHIMASKIでは貴金属でできた「いわゆるジュエリー」ではない、新たな価値を社会に問いかける実験的なジュエリーのデザイン・製作も行っています。
このてんとう虫のジュエリーのあまりの可愛さに歓声が上がりました。
さらにアートディレクターとして、京都出身の有名なバンド「くるり」の楽曲『Remember Me』のプロモーションビデオを手がけられていました。ここでも1枚の紙に鉛筆と消しゴムでひたすら更新されていく、しかもその絵も決して上手とは言えない独特な世界観が観る人を惹きつけていました。
さて、酒井先生らしい独特のテンポでマイペースに進むトークで時間を気にしながらも、終盤に紹介されたのは「HANAO SHOES」。月星シューズのスニーカーと伝統工芸のコラボレーションによる作品は、一昨年に大学の春秋座で行われた「都おどり」でデビューして評判を呼び、今では全国ならぬ世界まで進出しようという勢いで、あのフランシス・コッポラ父娘も実際に履いて持ち帰ってくれたそうです。この「HANAO SHOES」の誕生秘話や進化の様子に思い切りの大切さを学んだような気がしましたね。こちらを企画・販売する酒井先生率いるWhole Love Kyotoでは、他にもユニークな「CHOCHIN CAP」など、様々な京都発の新しい提案に日々取り組んでいます。
この伝統工芸という視点では「KYOTO T5」という大きな動きが始まっています。これは京都造形芸術大学の新しい取り組み「京都伝統文化イノベーションセンター(Kyoto Traditional Culture Inovation Center)」の略称で、その名の通り、少し遠い世界に思いがちな京都の伝統工芸の素顔を紹介し、伝統と我々の新しい関係性を創出していく試みで、酒井先生はそのセンター長として活動を牽引されています。京都の芸術大学ならではの取り組みですね。
以上のほか、RCA(Royal College of Art)との交流など、酒井先生の気になる情報を紹介いただいた後、いくつか質問を受け、正直に回答いただき、特別講義は終了しました。
空間演出デザインコースの公開特別講義では過去最多となる計64名の方に受講いただき大盛況でした。
これからの酒井先生の取り組みになんだかわくわくしてくる90分間でした。
酒井先生には今後、空間演出デザインコースのスクーリングもご担当いただく予定です。お楽しみに!
さて、今週末8/25(土)は通信教育部「真夏の芸術祭」の千秋楽です。
瓜生山懇親会や公募展はもちろんですが、この日限定で開催される「アートマルシェ」では空間演出デザインコースの在校生や卒業生総勢約20名が雑貨や作品を販売します。年々出品レベルが上がっているとの噂です。どうぞ、どなたでもお越しください!
以上、空間演出デザインコースからのお知らせでした。またお会いしましょう。
空間演出デザインコース | 学科・コース紹介
五山の送り火とともにお盆が終わった京都ですが、この原稿を執筆している週末は少し前までの猛暑が嘘だったかのように過ごしやすく、一気に秋の訪れを感じ始めました。
このまま遊ぶにも学ぶにも適した気候へと突入してくれることを願っています。
さて、今日はまだ暑かった8/11(土)に京都で開催されました空間演出デザインコース主催の公開特別講義などをご紹介します。
ちょうど当日は、空間演出デザインII-1「デジタル表現基礎」のスクーリング初日でした。空間演出デザインコースでも二次元、三次元の様々な表現力のひとつとして、パソコンを使った表現についても学びます。
写真を加工する「Photoshop」、プレゼンテーションや企画書作成、様々なデザインワークにと万能な「Illustrator」というデザインの業界で最もスタンダードなソフトウェアの基礎を身に付ける科目です。
土日の2日間でソフトを起動する本当の入り口から、それぞれのソフトウェアの基本操作を学び、最終的には写真と文字を組み合わせた印刷物の作成までをみっちりと学習します。

このように皆さん自身のパソコンを持参しての受講になります。本格的な使用は初めての方が多く、不慣れで時に操作に迷いながらも、なんとか翌日の完成まで漕ぎ着けました。
もちろんこの2日間で達人になれるわけではありません。自宅に帰ってから復習したり、コースサイトにアップされているコースオリジナルの映像教材を見ながら、とにかく使い続けることが肝要です。今年の年賀状はぜひこれらのソフトで今までの最高傑作を作ってもらいたいと思います。
初日の授業が終わった後、18:00から特別講義が始まりました。
今回は本学通学部の空間演出デザイン学科准教授の酒井洋輔先生をお招きし、「領域を横断するデザイン」というテーマで、幅広いご自身の活動や仕事をご紹介いただきました。
酒井先生は「専門領域がない」と自身を語りますが、その言葉に納得するほど幅広く様々な領域でデザインやアートディレクションを手がけておられます。

最初は、今年(2018年)の1〜3月に開催された「青森トリエンナーレ2017」から始まりました。(ちなみに酒井先生はこの日も午前中まで青森出張で帰路の途中で直接講義にお越しいただきました。)
青森トリエンナーレ2017公式WEBサイト
青森の真冬に開催するという掟破りな芸術祭の背景からご自身が手がけた企画やデザインをご紹介いただきました。その視点や発想にいきなり皆さん感心した様子でした。中でも、青森の「素顔」を捉えた公式ガイドブックは、会期が終わった今も青森の方に購入されているなど、青森の魅力や価値を引き出して地元の方をも魅了することができているのが素晴らしいですね。
この視点や発想は酒井先生の仕事に触れるにあたりとても重要そうです。
酒井先生が主宰するCHIMASKIでは貴金属でできた「いわゆるジュエリー」ではない、新たな価値を社会に問いかける実験的なジュエリーのデザイン・製作も行っています。
このてんとう虫のジュエリーのあまりの可愛さに歓声が上がりました。
さらにアートディレクターとして、京都出身の有名なバンド「くるり」の楽曲『Remember Me』のプロモーションビデオを手がけられていました。ここでも1枚の紙に鉛筆と消しゴムでひたすら更新されていく、しかもその絵も決して上手とは言えない独特な世界観が観る人を惹きつけていました。
さて、酒井先生らしい独特のテンポでマイペースに進むトークで時間を気にしながらも、終盤に紹介されたのは「HANAO SHOES」。月星シューズのスニーカーと伝統工芸のコラボレーションによる作品は、一昨年に大学の春秋座で行われた「都おどり」でデビューして評判を呼び、今では全国ならぬ世界まで進出しようという勢いで、あのフランシス・コッポラ父娘も実際に履いて持ち帰ってくれたそうです。この「HANAO SHOES」の誕生秘話や進化の様子に思い切りの大切さを学んだような気がしましたね。こちらを企画・販売する酒井先生率いるWhole Love Kyotoでは、他にもユニークな「CHOCHIN CAP」など、様々な京都発の新しい提案に日々取り組んでいます。
この伝統工芸という視点では「KYOTO T5」という大きな動きが始まっています。これは京都造形芸術大学の新しい取り組み「京都伝統文化イノベーションセンター(Kyoto Traditional Culture Inovation Center)」の略称で、その名の通り、少し遠い世界に思いがちな京都の伝統工芸の素顔を紹介し、伝統と我々の新しい関係性を創出していく試みで、酒井先生はそのセンター長として活動を牽引されています。京都の芸術大学ならではの取り組みですね。
以上のほか、RCA(Royal College of Art)との交流など、酒井先生の気になる情報を紹介いただいた後、いくつか質問を受け、正直に回答いただき、特別講義は終了しました。
空間演出デザインコースの公開特別講義では過去最多となる計64名の方に受講いただき大盛況でした。
これからの酒井先生の取り組みになんだかわくわくしてくる90分間でした。
酒井先生には今後、空間演出デザインコースのスクーリングもご担当いただく予定です。お楽しみに!
さて、今週末8/25(土)は通信教育部「真夏の芸術祭」の千秋楽です。
瓜生山懇親会や公募展はもちろんですが、この日限定で開催される「アートマルシェ」では空間演出デザインコースの在校生や卒業生総勢約20名が雑貨や作品を販売します。年々出品レベルが上がっているとの噂です。どうぞ、どなたでもお越しください!
以上、空間演出デザインコースからのお知らせでした。またお会いしましょう。
空間演出デザインコース | 学科・コース紹介
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