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文芸コース

2018年09月27日

【文芸コース】「論文研究I(京都)」を終えて

 みなさん、こんにちは。文芸コース教員の小柏裕俊です。

 922日(土)、23日(日)に、京都で「論文研究I-1」のスクーリングが実施されました。「論文研究」とは、「卒業研究」の前段階として受講する科目です。通学制の大学で言えば、3年次の「ゼミ」に相当します。この科目のスクーリングは年に2回、9月と12月に開講され、「卒業研究」に進むためにはその両方の単位を取得する必要があります。

 「論文研究」は、課題レポートを提出し、それに添削・講評を受ける「テキスト科目」と、2日間にわたって大学で合評に参加する「スクーリング科目」とが一つになった科目です。学生は事前にレポートを提出して合評に臨みます。合評では、各学生が作品の概要や狙いについて発表し(さらに、作品の一節を朗読していただきました)、教員から講評や質問を受けます。その後、他の参加学生と感想や質問が交わされます。



 今回の合評は17名の学生が受講しました。教員は6名が入れ替えで参加し、常時少なくとも2名が臨席しています。初日の1コマ目のときにはみなさん緊張気味ですが、2日目には和気藹々とした雰囲気になっています。学生からの質問も、2日目の方が頻繁にあがっている印象を受けます。

 今年度のレポートは、そのほとんどが小説でした。他に詩の作品や、短歌を交えた物語作品もありました。例年、エッセイも少なからずあるのですが、今年度はありませんでした。小説が非常に多く書かれていましたが、ミステリー、歴史小説、私小説、青春小説などジャンルも多岐にわたっており、作品のテイストもエンターテイメントから哲学的なものまでありました。どの作品も、今後どのように書き継がれて完成していくのか、楽しみです。

 

 また「論文研究I」では、文芸コースの卒業生を迎えてお話を聴く機会を設けています。「論文研究」に始まって「卒業研究」を完成させるまでを学生として経験した「先輩」ということもあり、みなさん熱心に聴いていました。卒業生のお話は、丁寧でわかりやすいだけではなく、比喩を交えたイメージ豊かなもので、「文芸魂」が感じられました。



 受講生から、執筆するときにはそれ以外のことは放置しておく方が良いのだろうかと質問がありました。それに対する卒業生の回答が印象的でした。作品を制作している状態とは、原稿に向かっているときだけではない。家事をしているときも、散歩をしているときも、「制作の最中」なのだと答えていました。作品完成に向けて感覚が研ぎ澄まされ、作品に活かせそうなものに常に「開かれて」いる状態が「制作の最中」だということです。受講生も教員も、みなが一様に「うん、うん」と頷いている瞬間でした。

 

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