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和の伝統文化コース

2018年10月01日

【和の伝統文化コース】めぐりめぐる庭園

和の伝統文化コースの中村です。

今年は梅雨明けを気にする間もない程、次々と台風やゲリラ豪雨にみまわれ、9月の台風では、京都の寺社や洛中の町家でも、思わぬ被害の報告を耳にし、今もその爪痕があちこちに見られます。

そしてこの「伝統文化実践Ⅰ-3」東京の庭園見学のスクーリングも、台風6号と7号の合間に運よく行うことができました。



 



朝は冷たい雨が降り始めたなか、皇居二の丸庭園の見学からスタートです。

雨雲に覆われた低い空の下、今は亡き松の廊下や、大奥に思いをはせながら広い敷地をめぐります。

現在、皇居といえば天皇陛下のお住まいですが、江戸期は徳川家の江戸城であったことを、改めて再確認するタイムトリップです。

そして、皇居東御苑の回遊式日本庭園では、






見事な州浜と灯篭が描く水辺の景や、菖蒲園の八つ橋に流れるせせらぎの音が、幾重にも聞こえ、ここが東京のど真ん中であることをしばし忘れ、物語絵巻に迷いこんだような一時でした。

午後には雨も上がり、にわかに強い日差しがさす中、濡れた緑が一層鮮やかな小石川後楽園の見学です。



ここは水戸徳川家の江戸中屋敷の庭園で、池を中心に築山も見事な回遊式庭園です。

古来より庭園は、様々な思想による理想郷が模されてきましたが、この後楽園では儒学思想の下に、中国の名所などが配されて、歩きながら次々と目にしてゆく景観は、まさに疑似海外旅行のようでした。



また行く先々の庭では草木だけでなく、鳥や亀、鯉に昆虫などの生き物にも触れ、都会のビルの借景とコントラストを描くような、庭園内の生態系の豊かさに驚きを覚えます。

この後は靖国神社内にある、明治期に芝公園から移築された芝能楽堂と、平成11年に修復された神池庭園の見学、さらに東京外苑キャンパスでの座学も続きました。





初めて訪れる庭園では、季節や天候により、見所とその印象が大きく左右されるのも事実です。

肌寒い雨から、午後は蒸し暑い天候となり、植栽や池泉、庭石の映り方が、庭園に漂う音や香りとともに、大きく異なることも体感されたことでしょう。

机上では理解しがたい、造園の意図や魅力を、五感を通じて学ぶことができたスクーリングでした。

受講生の皆さん本当にお疲れ様でした。

 

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