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染織コース

2018年10月12日

【染織コース】いろいろな織機

みなさんこんにちは。染織コースの久田多恵です。学部の織に関する授業や大学院ではさまざまな織機を使って基本的な織り方から高度な技法まで、多種多様な織物に取り組んでいます。織物の構造と織機のしくみは深く関わっていますので、今回は大学にある織機をご紹介します。

織機と書いて「おりき」または「しょっき」と読みます。機の一文字で「はた」と呼ぶことも多いです。

写真1 西陣の機 二段ろくろ、四枚綜絖(そうこう)、四本踏木(ふみき)

授業で一番よく使うタイプです。基本の織り方から着物まで織ることができます。

 

写真2 二段ろくろ

太くて丸い棒が「ろくろ」 ぶら下がっている枠が「綜絖」

二段になっていることで綜絖枠を一枚、二枚、三枚と様々なパターンで踏み下ろすことができます。

 

写真3 沖縄の機

コンパクトにできています。沖縄や奄美などで着物を織るために使われています。大学に一台あって、大学院の授業で使っています。今ではキャスター付きの台車に乗せられていて授業のある教室に運んでいます。人間館のエレベーターにぴったり入る様子は感動ものです。

 

写真4 天秤式(ホリゾンタルタイプ)の機

大学にある広幅の機です。通信の授業では使いませんが、学生の皆さんの中にはこのタイプを自宅で使っている人もいます。

 

写真5 上から見たところ

ろくろ式の機と違うところは、綜絖枠が一枚ずつ単独で動かせることです。そうなるとより複雑な織り方が可能になります。画像では綴織(つづれおり)を織っています。天秤式でなくても織れるのですが、織り幅が広いので使っています。

 

写真6 竪機(たてばた)

竪型の機です。綴織を織るのに適しています。設置面積も狭くてすみます。また織った部分を離れたところから確認しやすいのも利点です。

 

写真7 正面から見たところ

壁掛けを織っています。ふっくらと立体的になっている部分はノッティング(糸を結びつけるようにして織る方法)です。

 

写真枠機(わくばた)

角材を組み立てたもので綜絖や踏木はありません。ぶら下がっている剣のような形のものは「中筒(なかづつ)」です。たて糸を一本おきに拾うように入れてあります。これを起こすとよこ糸を入れる道筋ができます。中筒の向こう側にあるたて糸を引き上げるには「糸綜絖」を使うのですが、この作者は手で拾っています。二作品隣同士で織っているのは試織のようです。この後、大型作品に展開するのでしょう。

 

写真横から見たところ

枠の周囲にたて糸を巻きつけるようにセットしています。ターンバックルという金具でたて糸の張り具合を調節しています。

 

写真10  枠機

こちらも小型の枠機で通信教育部の自宅課題で使っています。木枠機と呼んでいます。白いナイロン糸が糸綜絖です。織っているのは緯絣(よこがすり)です。織る前に糸を染め分けておきます。

 

写真11  腰機(こしばた)

授業で木綿の浴衣帯を織っているところです。腰にロープがかかっていますが、腰でたて糸を適度に張ることで織り進めます。机に足をかけて机が動かないようにしています。

 

写真12  横から見たところ

糸綜絖を持ち上げてよこ糸を通す道筋を作っています。厚紙で作った三角柱がこの機の中筒です。

 

写真13  自宅制作のためのデモンストレーション

帯は4メートル前後織る必要があるため自宅で続きを織ります。授業のように机に取り付けてもいいし、階段の手すりやドアノブなどにも取り付けられます。どこでも織れるのが腰機のいいところです。

いろんなタイプの織機をご紹介しました。織りたいものによって織機もさまざまです。場所を取る大掛かりなものもあれば角材だけでできているシンプルなものもあります。織機があって織物ができるのではなく、織物の制作工程で必要に迫られて織機ができあがってきたと言った方が近いですね。次回は学外で見たいろいろな織機をご紹介します。皆さんも日本各地、世界各地の織機を機会があるたびに見てください。

 

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