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2019年02月27日
【染織コース】いろいろな織機 学外編
皆さんこんにちは。染織コースの久田です。前回は学内で見られるいろいろな織機をご紹介しました。今回は学外で見た織機です。学外というと一気に広がるので、これはもう数限りなくあります。網羅することは難しいのでここ数年に見たものに限定します。少し専門的な用語が出てきますが、画像を中心にご覧下さい。
前回の記事はこちらから。
与那国の織機

大学に一台ある沖縄の織機とほぼ同じ形です。花織を織っているところです。

横から見ると花織の仕掛けがよくわかります。二枚の綜絖(そうこう)はベースとなる平織用で、その前(画像の左)には花織用の綜絖があります。

踏木(ペダル)の他に黒い紐がかかっていますが、これを足で操作して花織を織ります。
小浜島の織機

小浜島の織物共同作業施設です。与那国のものとほぼ同じです。家族がお祭りで着る着物を織っているところです。
八重山の織機

石垣市立八重山博物館に展示されている古い織機です。糸がかかっていないので少しわかりにくいのですが、経糸を巻き取る部分が二カ所あります。左上の大きな四角い枠のような部分には絣の糸、その下の通常の千切(ちきり)にはベースとなる絣のない糸を巻きます。筬框(おさかまち)の支点が下にあります。
八丈島の織機

さて、沖縄を離れて八丈島です。黄八丈で有名ですね。これはかなり古い黄八丈の織機で、腰で経糸の張り具合を調節する腰機(こしばた)です。かなり傾斜が大きく取られています。

機の裏側からみたところです。丸い大きな石がおもりになっています。

同じく八丈島のカッペタ織りです。腰機ですが台となるものはありません。とても複雑な組織となっていて、今は限られた人しか織ることができません。

相楽木綿(さがなかもめん)の織機です。木津川市相楽地区で作られていた木綿布です。織っている人の奥に別の織機が見えますがかなり傾斜が大きいものです。傾斜している様子は八丈島の織機と似ていますが、腰機ではありません。織った布は千巻(ちまき)に巻き取ります。また二枚綜絖で二本の踏木があります。

織機の後部です。ほぼ織り終わりに近づいています。布ではなく紐で引っ張られています。

たくさんの棒がありますが、縞の糸、絣の糸、ベースの糸を別の棒で引っ張っています。複雑そうに見えますが、この方が合理的なのでしょう。

組紐の台です。組紐の台というと穴のあいた丸椅子のようなものを思い浮かべますが、それは丸組用です。この織機に似ているものは平打ち用です。組紐は糸を「織る」のではなく「組む」技法です。

筵を織る台です。これは資料館の展示物なので、製作中の正確な再現ではありません。たて方向の縄によこ方向は二本の縄をねじりながら織り込んでいます。あるいはたて方向の二本の縄をねじりながらよこ方向の縄を織り込んでいるかもしれません。たて方向の糸(この場合は縄)とよこ方向の糸が組み合わされていますので、これは織物といえます。

大きな筵を織る台です。穀類を干したり脱穀したりといった農作業に使われました。

やはり二本の縄をねじりながら織っています。

これはなんでしょう。
そう。分解された織機です。今、私の自宅にあります。縁あって使わなくなった織機をいただきました。これから組み立てます。今回は機料屋さんに出張組み立てを依頼しました。一つ一つの部材がずっしりと重く、いい材料で作られているのが手に伝わってきます。組み立てると四本柱の綴機になります。
色々な織機をご紹介しました。系統立てての説明ではありませんが興味を持っていただけると嬉しいです。以前見たけれども画像が見つからなかったものがいくつかあり、また機会がありましたらご紹介したいと思います。
前回の織機紹介記事はこちらから。
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与那国の織機

大学に一台ある沖縄の織機とほぼ同じ形です。花織を織っているところです。

横から見ると花織の仕掛けがよくわかります。二枚の綜絖(そうこう)はベースとなる平織用で、その前(画像の左)には花織用の綜絖があります。

踏木(ペダル)の他に黒い紐がかかっていますが、これを足で操作して花織を織ります。
小浜島の織機

小浜島の織物共同作業施設です。与那国のものとほぼ同じです。家族がお祭りで着る着物を織っているところです。
八重山の織機

石垣市立八重山博物館に展示されている古い織機です。糸がかかっていないので少しわかりにくいのですが、経糸を巻き取る部分が二カ所あります。左上の大きな四角い枠のような部分には絣の糸、その下の通常の千切(ちきり)にはベースとなる絣のない糸を巻きます。筬框(おさかまち)の支点が下にあります。
八丈島の織機

さて、沖縄を離れて八丈島です。黄八丈で有名ですね。これはかなり古い黄八丈の織機で、腰で経糸の張り具合を調節する腰機(こしばた)です。かなり傾斜が大きく取られています。

機の裏側からみたところです。丸い大きな石がおもりになっています。

同じく八丈島のカッペタ織りです。腰機ですが台となるものはありません。とても複雑な組織となっていて、今は限られた人しか織ることができません。

相楽木綿(さがなかもめん)の織機です。木津川市相楽地区で作られていた木綿布です。織っている人の奥に別の織機が見えますがかなり傾斜が大きいものです。傾斜している様子は八丈島の織機と似ていますが、腰機ではありません。織った布は千巻(ちまき)に巻き取ります。また二枚綜絖で二本の踏木があります。

織機の後部です。ほぼ織り終わりに近づいています。布ではなく紐で引っ張られています。

たくさんの棒がありますが、縞の糸、絣の糸、ベースの糸を別の棒で引っ張っています。複雑そうに見えますが、この方が合理的なのでしょう。

組紐の台です。組紐の台というと穴のあいた丸椅子のようなものを思い浮かべますが、それは丸組用です。この織機に似ているものは平打ち用です。組紐は糸を「織る」のではなく「組む」技法です。

筵を織る台です。これは資料館の展示物なので、製作中の正確な再現ではありません。たて方向の縄によこ方向は二本の縄をねじりながら織り込んでいます。あるいはたて方向の二本の縄をねじりながらよこ方向の縄を織り込んでいるかもしれません。たて方向の糸(この場合は縄)とよこ方向の糸が組み合わされていますので、これは織物といえます。

大きな筵を織る台です。穀類を干したり脱穀したりといった農作業に使われました。

やはり二本の縄をねじりながら織っています。

これはなんでしょう。
そう。分解された織機です。今、私の自宅にあります。縁あって使わなくなった織機をいただきました。これから組み立てます。今回は機料屋さんに出張組み立てを依頼しました。一つ一つの部材がずっしりと重く、いい材料で作られているのが手に伝わってきます。組み立てると四本柱の綴機になります。
色々な織機をご紹介しました。系統立てての説明ではありませんが興味を持っていただけると嬉しいです。以前見たけれども画像が見つからなかったものがいくつかあり、また機会がありましたらご紹介したいと思います。
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